● 15年10月28日 県議会報告

2015年10月28日 2015年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁 (大要)「国民健康保険の広域化について」



≪2015年決算特別委員会≫

2015年10月28日

 

高瀬菜穂子委員

日本共産党の高瀬菜穂子でございます。
国保の広域化についてお尋ねいたします。
まず、市町村別の国民健康保険料率の推移と資格証明書の交付状況を資料要求しておりますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。

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被保険者資格証明書の交付状況_ページ_1

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高瀬菜穂子委員

資料を配付していただきましたが、この資料は見やすい資料だと思いますので、時間の節約のために説明は省略をして、進みたいと思います。
まず、国保についての基本的な認識を伺います。平成二十五年度末における県内市町村国保の加入世帯は七十七万五百九十四世帯、全世帯の三三・五%を占め、国保は国民皆保険制度のかなめであります。被保険者の年齢構成は、六十五歳以上が三二・七%を占め、最も病気になりやすいお年寄りを多く抱えている上、一人当たりの平均所得が四十九万六千円と極めて低く、手厚い公的支援がない限り成り立たない保険制度です。小川知事も、財政運営を広域化したり、運営主体を県にかえただけでは解決しないと本会議で答弁をされていますが、その認識は変わっていないかどうか、まずお伺いいたします。

 

飯田医療保険課長

市町村国保においては、高齢者の割合が高く、そのことによって医療費水準も高くなる。その一方で、無職者の割合が高いことで結果的に所得水準が全体として低くなる、このために保険料収入が得にくい構造となっております。国保の財政運営の厳しさというのは、このような国保が抱える構造的な問題に起因しているため、財政運営を広域化したり、運営主体を県にかえるだけでは解決するものではないと考えており、現状においてもその認識は変わっておりません。

 

高瀬菜穂子委員

その認識を共有するものです。国保の財政運営の厳しさは構造的なものであり、それゆえに高い保険料という形で被保険者を苦しめてきました。それなのに、県は、今、広域化が課題になっていますが、平成二十五年四月に市町村国保広域化支援方針を改正しまして、市町村国保の赤字解消に向け、繰り上げ充用や一般会計からの法定外繰り入れの早期解消を促しました。市町村はやりくりができなくなって、さらに厳しい財政運営を迫られることは必至です。
先ほどの資料にありますように、この五年間で保険料の値上げで見れば、半数の二十九市町村に上っております。平成二十五年度に一気に保険料を上げ、県内一高くなった飯塚市では、所得二百八万円の四人家族の場合、保険料は四十六万五千四百円、実に所得の四分の一近くが保険料に消えることになります。これほど高くては払えませんよ。全国知事会も、この高過ぎる保険料を協会けんぽ並みに引き下げるためには一兆円の国庫負担増が必要だと主張しました。国は、国保の広域化が行われる平成三十年度をめどに三千四百億円の公費を投入するとし、今年度より低所得者の数に応じて一千七百億円予算措置をしています。
そこで、伺います。この低所得者対策の財源は確実に保険料軽減につながるよう活用すべきだと思います。県内で本年度、保険料を軽減したのは、資料をよく見ていただくとわかるのですが、両政令市のみなんです。他の市町村では保険料の軽減がまだ実施されておりません。一人当たり年額五千円程度保険料軽減に活用できる財源が本県にも来ます。被保険者の負担を少しでも軽くするよう、市町村に助言、指導を行うべきだと考えます。見解を伺います。

 

飯田医療保険課長

御質問のありました保険者支援制度でございますけれども、市町村における低所得者の数に応じて一定割合を交付するものでございまして、低所得者が多い市町村に対する財政支援を行うものでございます。今回の拡充措置によりまして、市町村の国保財政の安定化に一定の効果があるものと考えております。このような財政支援を具体的にどのように活用するかにつきましては、それぞれの市町村において財政状況が異なっていることから、それを踏まえて個別に判断されるべきものであると考えております。いずれにいたしましても、結果的には保険料の伸びの抑制など被保険者の負担軽減が図られていくものであると考えております。

 

高瀬菜穂子委員

低所得者の数に応じて予算措置された財源ですから、一番問題の保険料の抑制につながるようにしていただきたいんですね。結果的には軽減が図られるという人ごとのような対応ではなく、ぜひとも負担軽減となるよう、県として強く指導をしていただきたい。要望しておきます。
次に、資格証明書の問題について伺います。
本県の滞納世帯は一五%、十二万二千三十一世帯に上ります。うち窓口十割負担となる資格者証の発行は、資料にいただきました、本年度は二万一千五百三世帯となっています。このほか役場の窓口でのとめ置きなど、保険証が本人に届いていないという世帯が約一万世帯もあるんです。合わせますと三万一千を超える世帯が事実上、無保険状態です。
昨年、民医連に加盟している医療機関が調査した結果によりますと、経済的事由による手おくれ死亡事例が十五件ありました。明らかな手おくれ事例です。そのうち七件が無保険者でした。七十代の男性は肺がんで、初診から五日後に死亡。四十代、非正規雇用の無保険者は肝臓がんで、初診から三カ月後に死亡。また、高血圧の治療ができず、薬をもらわずに、結局脳出血で寝たきりになってしまった例もあると聞きました。無保険者の実態は深刻であります。重症化すれば、結局、医療費の増大にもつながるわけです。
資格証明書については、国も、病気など特別の事情がある場合、速やかに短期被保険者証を交付するように通知文書等を出しています。国保広域化支援方針には、事務の共通化の課題として、資格証明書なども検証を進め検討するとあります。生命にかかわる、命に直接かかわる資格証の発行は原則取りやめるべきです。現在、二万を超える資格証が発行されていますが、病気など特別な事情が発生した場合には、速やかに短期被保険者証を交付するよう、周知も含め、市町村を指導すべきと思います。県の見解を伺います。

 

飯田医療保険課長

資格証明書につきましては、保険料を一年間滞納した滞納者への納付相談の機会の確保といった観点からも交付する必要はあると考えておりますけれども、特別な事情がある世帯主に対しては交付しないこととなっております。また、交付をした後につきましても、医療を受ける必要が生じ、医療費の一時払いが困難である旨の申し出を被保険者において行われた場合には、短期被保険者証を交付することができるとされてございます。資格証明書の運用につきましては、このような制度の趣旨を踏まえまして、被保険者が必要な医療を受けられるよう、個別の状況に応じたきめ細かな対応について、保険者に対して、引き続き会議や研修会、市町村を訪問した際の事務指導の機会を通じまして助言をしてまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子委員

さきに申し上げましたが、無保険者、また経済的事由による深刻な手おくれが発生をしています。私は、こうした実態を県としてもぜひつかむ必要があると考えますし、その痛みをもって行政に当たっていただきたいと思っています。こうした事態を生まないために、病気など特別な事情がある場合には速やかに、保険の窓口負担が軽くなる短期証を発行するよう、これが徹底されていないために、無保険のままで運び込まれるということが起こっているわけですから、ぜひとも市町村への徹底をお願いしたいと思います。
次に参ります。国保の財政安定化基金についてです。
国は、国保の財政リスクを分散、軽減する新しい仕組みとして、各都道府県に財政安定化基金を設置することを決めました。これは、介護保険で既に導入されている財政安定化基金と基本的に同じ仕組みです。介護保険においては、この基金を活用することで一般会計からの繰り入れをさせない仕組みとなっています。同じことが適用されれば、国保会計に重大な影響となります。本県の場合、一般会計からの法定外繰入額は、平成二十五年度で四十五自治体、総額百四十八億円にも上っております。
そこで、伺います。平成三十年度以降、県に対する納付金を完納できない市町村に対し、この基金を活用して貸し付けを行い、その結果、保険料の値上げで返済する、こういうことが起こることを大変危惧しております。この点についての県の見解を伺います。また、今やっている法定外繰り入れについては、市町村独自の判断に委ねるべきだと考えます。あわせてお答えください。

 

飯田医療保険課長

財政安定化基金でございますけれども、給付増や保険料収納不足によりまして国保財政が財源不足になった場合に、一般財源からの補填を行わないでよいように、今回の制度改革により都道府県に新たに設置をされるものでございます。このため市町村が基金の貸し付け交付を受けた場合、その返済等の財源につきましては、保険料により賄うということが基本ではないかと考えております。その一方で、市町村国保会計に財源不足が生じた場合に一般会計からの繰り入れをすることにつきましては、適切な財政運営を念頭に置いた上で、御指摘のように、それぞれの市町村において御判断をいただくものであると考えております。

 

高瀬菜穂子委員

法定外繰り入れについては市町村の判断ということで確認をいたしました。
次に、国保共同運営準備協議会の原則公開についてお尋ねします。
県の国保共同運営準備協議会が十月二十六日、つい先日、第一回目が開催をされました。この準備協議会は、副知事を先頭に、県の担当部長、課長、市町村側からは市長会六名、町村会六名から構成をされ、納付金の設定、保険料の標準設定、県が設置する財政安定化基金の運用、国保運営方針の作成など、国保の広域化に向けて最も重要な課題を協議します。国保の広域化に関する重要案件は事実上、準備協議会で全て決められていくと思います。今回の国保の広域化は、国保始まって以来の制度改正であり、地域医療構想、医療費適正化計画と三点セットで医療給付費の抑制を目指す医療改革の核心部分となっています。医療関係者だけでなく、全ての県民の命や健康に関連する国保の広域化方針だけに、その中身を決めていく準備協議会は原則公開すべきと思います。この点についての県の見解を伺います。

 

飯田医療保険課長

御指摘ございました福岡県国保共同運営準備協議会につきましては、その内容を公開することによりまして、会議での自由な意見表明が妨げられたり、県民に誤解を与えるなどして協議に支障が生じるおそれがあるため、今月二十六日に開催されました協議会におきまして非公開とされたところでございます。
なお、協議内容につきましては、議事要旨として公開をすることとしております。

 

高瀬菜穂子委員

議事要旨の公開は当然であります。国保の運営方針を決める国保運営協議会の協議は公開です。重要な中身を決めるものであるからこそ公開し、聴取、傍聴もできる、意見陳述ができる、そういうふうにすべきであります。このことについては強く要望をしておきます。
最後に、部長に伺います。課長も答弁されましたが、国保が抱えている構造的な問題は、国が示している新たな財政投入や仕組みでは解決しないと思います。全国知事会が要請したように、協会けんぽ並みの国保料とするためには一兆円の国費の投入が必要です。国保が発足したときは、医療費の四五%を国が見ていました。どんどん減らしたからこんなに苦しくなっているわけです。発足当時より被保険者の高齢化が進み、低所得者が圧倒的多数となっている国保への支援を国に強く求めていただきたいと思います。この点について、改めて部長の答弁と決意を求めます。

 

松本保健医療介護部長

国保の広域化につきましては、現在、国と地方が協議する場というものは設けてございます。委員御指摘の市町村国保が非常に厳しい財政運営を強いられているということは地方側の共通認識でありまして、この協議の場でいろいろ協議した結果、先ほど御指摘がありました、二十七年度から段階的に公費を投入していく、それから二十九年度以降は毎年度三千四百億円の財政支援を国からしていただけるという拡大策が講じられました。また、三十年以降も、不断の検証あるいは必要な措置を講じるということが法律にちゃんと明記をされてございます。こういったことから、またきちんと国に対しまして必要な額を講じていただく必要があると考えております。国の負担率の引き上げに関しましては、これまでも私どもは要望活動をやっておりますから、これについては引き続き国に働きかけを行ってまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子委員

改めてお聞きしました。国の支援が決定的です。三千四百億円では足りないわけですから、強力な要請を福岡県としてやっていただきたいと思います。
あわせて部長に要望しておきます。今回、介護保険と同様に、県が責任を負う財政安定化基金が設置されます。国は全国で二千億円の財政規模を想定していると聞いています。どう使われるかが重要です。後期高齢者医療の財政安定化基金は、保険料の抑制等にも活用されています。基金が被保険者の立場に立って運用されるよう、関係機関と協議をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
以上です。

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