● 16年03月17日 県議会報告

2016年3月17日 厚労環境委員会・高瀬菜穂子議員質問答弁「介護保険制度の見直しについて(大要)」



≪2016年厚生労働環境常任委員会≫

2016年3月17日

 

介護保険制度の見直しについて(大要)

 

高瀬菜穂子委員 

 はじめに

 2015年、昨年4月から介護保険制度が始まって以来の見直しが行なわれ、同時に介護事業に支払われる「介護報酬」はマイナス2.27%の切り下げが行なわれました。

 今回の主な見直しは①要支援者の訪問介護、通所介護の「保険外し」②特養施設からの「軽度者の締め出し」③利用者負担を所得によって「2割負担」へ④低所得者の施設利用者の「食費、部屋代補助の削減」の4つです。

 そこでまず介護報酬の引き下げによる影響について伺います。わが党の北九州市議団から市内の1,200近くの介護事業所にアンケート調査を実施し、約170の事業所から回答が寄せられました。集計の結果、「以前も厳しかったが、さらに苦しくなった」という意見が49%、今回の「報酬引き下げで苦しくなった」という31%と合わせると全体の8割にのぼっており「収益減」が経営を圧迫していることが明らかになっています。

 またT市の中堅の介護事業所の聞き取り調査で、要支援の家事援助で訪問介護利用者24~25名のサービスを提供している事業所ですが、月額で約40万円の赤字がでて、年間では数百万円の赤字が出る、サービスを打ち切ると在宅での生活が困難になるので赤字覚悟で継続していると言われました。

 そこでお尋ねいたします。

 今回の介護報酬の引き下げは事業者や介護サービスを利用しているお年寄りにどの様な影響が出るとお考えか伺います。

 今回の介護報酬の引き下げは、特に要支援者の通所介護が20%、家事援助の訪問介護が4.8%減となり、制度の見直し(要支援者の保険外し)を推進するように設定されています。

 

奥園 介護保険課長

 27年度の報酬改定後も、県内の介護事業所数は増加しており、利用者が必要なサービスを受けられないといったことはなく、高齢者に何らかの影響が出ていることは確認できておりません。

また、県としては、事業所の廃止が行われる際には、円滑に利用者のサービスの移行が行われるよう指導しております。

介護報酬の基本単価は下がりましたが、加算される単価で充実されるものもあり、改定による介護事業所への影響というものは、現段階では確認できておりません。

介護報酬改定の影響については、国の社会保障審議会 介護給付費分科会において、調査が実施され、今回の介護報酬改定の検証がなされることとなっております。

これらの検証結果を踏まえ、次期の介護報酬改定に向けて、検討が行われます。

 

高瀬菜穂子委員 

 次に今回の要支援者の訪問介護と通所介護の市町村ごとの総合事業への移行について伺います。

 まず県内60市町村の総合事業への移行実施と予定について自治体数でお示しください。

 

大田 地域包括ケア推進課長 

 本年2月現在での県の調査では、平成27年度移行が18市町、28年度移行予定が23市町村、29年度移行予定が19市町村となっております。

 

高瀬菜穂子委員 

 先ほど述べた聞き取り調査の事例にあるように介護報酬の引き下げで要支援者に対する現行サービスを継続することが困難になっていますが、国が示している緩和した基準(無資格者によるサービスの提供が可能)である。

 サービスAに移行した場合、サービスAの報酬単価が現行の7割程度に引き下がることをすでに33市町村が加入している「広域連合」が決めています。また政令市である北九州市も同様な方向を示しています。

 サービスAの報酬単価は、保険者の裁量で決められるのですか伺います。また県として保険者が決めた単価を尊重するのかどうか伺います。

 

大田 地域包括ケア推進課長 

 緩和した基準による指定事業者のサービスの単価については、市町村が、国が定める額(改正前のサービスに相当するサービスの単価)を下回る額を、サービスの内容や、サービスの提供時間、市町村が設定する人員等の基準などを踏まえ、市町村の裁量で設定することとされております。

 また、市町村による単価設定に、県は関わらない仕組みとなっているところであります。

 

高瀬菜穂子委員 

 サービスAに移行した事業所は無資格者の人が配置されると思いますが、介護サービスの質を落とさないため研修などが必要と思います。県としてどういう支援を考えているのか伺います。

 

大田 地域包括ケア推進課長 

 県では、「地域医療介護総合確保基金」を活用し、福岡県介護福祉士会への補助事業として、緩和した基準による訪問型サービスに従事する人を対象にした養成研修を今年度から実施しているところでございます。

 

高瀬菜穂子委員 

 国は総合事業の中で、地域のボランティアなどによる多様なサービスを想定しています。サービスBなどへの移行は地域と介護現場の実態からすると大変困難な状況だと思います。多様なサービスは現行相当のサービスを土台にボランティアの特性である柔軟性、創造性を生かした補完的・補助的な役割と位置づけるべきだと思います。県の見解をお聞かせください。

 

大田 地域包括ケア推進課長 

 住民主体のサービスBを実施している市町村は、平成27年度は、3団体で実施しているところであります。

 総合事業では、要支援者について、地域包括支援センターが、ご本人や御家族と面談し、ご本人の意向や心身の状況などを踏まえ、市町村が用意する多様なサービスの中から必要なサービスをケアプランに位置付け、サービスが提供されることとなります。

 従って、認知機能の低下が認められるなどの心身の状況などから、改正前のサービスに相当するサービスが必要とされる方には、相当するサービスが提供されるものであり、改正前のサービスに相当するサービスが原則であるといった考え方はとられていないところでございます。

 

高瀬菜穂子委員 

 最後に特養施設の入所基準について伺います。特養施設への入所は原則、要介護度3以上の重度の要介護者が対象となりました。

 要介護度別待機者数と自宅待機者数など、本県の特養の待機者の現状について伺います。

 

奥園 介護保険課長

 県では、高齢者保健福祉計画策定の基礎資料とするため、3年ごとに、県内全ての特別養護老人ホームを対象に入所申込者の調査を行っております。

 直近に実施した平成25年10月の調査では、入所申込者は、18,255人であり、そのうち自宅におられる方は、6,115 人でございます。この自宅におられる方は、要介護1及び2の方は、2,935人、要介護3 以上の方は、3,180 人でございます。

 

高瀬菜穂子委員 

 要介護度1、2の待機者について今後も特養入所待機者として県は引き続き認めていくのですか。併せて国も特別の事情の高齢者は保険者の判断で入所できると言っていますが県の見解を伺います。

 

奥園 介護保険課長

 昨年4月以降、原則要介護3以上の方が入所対象者となっているが、要介護1、2の方についても、施設への入所申込は引き続き可能となっております。

 要介護1、2の方についても、認知症である者であって、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁に見られる方など、特別養護老人ホーム以外での生活が困難な場合は、施設に設置する入所検討委員会において、市町村の意見をききながら、入所者の決定ができるようになってございます。

 要介護3以上の方も含め介護の程度、家族の状況等を勘案して、入所の必要性の高い方から優先的に入所を決定するという仕組みは、変わりございません。

 これらのことは、国の通知に基づき、県の入所指針として定めており、引き続き、施設及び保険者に周知徹底を図ってまいります。

 

高瀬菜穂子委員 

 県の第7次高齢者保健福祉計画のなかで、平成29年度までに特養施設の整備予定数を493床としていますが、その進捗状況とその中に多床型の数を伺います。

 

奥園 介護保険課長

 現在は、計画期間の全体で予定している。2,598床のうち、計画の初年度である今年度において、既に、約63%に当たる、1,624床を県、政令市、中核市及び保険者が、事業採択を行い、現在、事業者において整備を進めている。残りの974床については、29年度までには事業採択を行うこととなります。

 本県では、ユニット型施設を基本にして整備を行っております。

 ユニット型介護保険施設での介護は、入居者一人ひとりの個性や生活リズムを尊重したケアを行うことで、入居者の生活の質が改善する効果があるものとされております。

 このため、国においては、特別養護老人ホームのユニット化を推進しており、介護保険法に基づき国が定めた「基本指針」で、都道府県は、ユニット施設の占める割合について、平成37年度までに、70%以上とすることを目標とするよう努めるものとされております。

 このため、本県においても、新設及び増床の施設についてはユニット型を基本にして整備を行っており、本年2月1日現在ではユニット型施設の割合は県全体で約44%、県所管の地域では約34%となっております。

 

高瀬菜穂子委員 

 要望ですが国民年金などで生活している低所得者のお年寄りが実際に入所できる施設は特養施設しかありません。低所得者の多い本県では地域の実態に促して施設整備をお願いいたします。

 

奥園 介護保険課長

 特別養護老人ホームの入所について、様々な利用者負担軽減制度の活用により、所得の

 低い方であってもユニット型に入所しやすくなっております。

 しかしながら、経済的な理由などにより、多床室を希望する方も多数いることから、既存施設の改築においては、多床室で整備する場合でも補助を行い、多床室が急激に減少し、希望者の利用に支障を来たさないよう配慮しております。

 

 

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