● 16年12月13日 県議会報告

2016年12月13日 12月定例会 山口律子議員一般質問・答弁  「介護保険の現状と問題について」「洋上風力発電の問題について」



2016年12月13日   12月定例会・山口律子議員一般質問(大要)

日本共産党の山口律子です。

<介護保険の現状と問題について>

 はじめに、介護保険問題について質問いたします。
 介護保険制度は2000年にスタートし16年が経過しました。2015年の4月、制度が始まって以来の見直しが行われ、「介護報酬費」は介護職員処遇改善加算の引き上げ分を加味してもトータルでマイナス2.27%となりました。見直しは多岐にわたっていますが、主な改悪だけでも4つあります。ひとつは要支援者の訪問介護、通所介護の保険外し、2つ目は特別養護老人ホームからの要介護1、2の締めだし、3つ目は、年金収入で年間280万円以上の利用者負担が「2割負担」となり、4つ目は、低所得の施設利用者の「補足給付」の要件が厳しくなりました。まさに介護保険制度始まって以来の制度全般にわたる重大な内容を含んでいます。
 ある在宅介護事業者の話では、要支援者23名を正規の訪問介護員3名が生活支援をしてきました。改悪で毎月60万円の赤字がでて、これ以上事業の継続ができないと言われました。また100床の特別養護老人ホームでは、介護報酬の最大6.3%の引き下げで年間1,700万円の減収となり、このままだと施設改築の目途がたたないと困惑していました。要支援者の通所介護が20%以上の大幅な報酬引き下げになり、通所施設の閉鎖を考えている大規模事業者がいるとも聞きました。
 要支援者の生活援助や通所介護が、地域支援事業に移行しますが、それを待たずして介護危機が進行しています。今回の介護報酬の引き下げおよび介護保険制度の一連の見直しについて知事はどのような認識をお持ちなのか伺います。
 次に介護保険料について伺います。
 スタート時、月額2,911円の保険料が3年ごとの改訂で上がり続け、第6期の保険料月額は全国平均で5,514円、本県で5,632円となっています。当初、第一号保険料は5,000円が限度と言われていましたが、本県では、第5期目で限度額を突破し2025年には全国平均で8,200円になると国は推定しています。
 2015年度の一連の改悪の中で、唯一改善策と言われていたのが年収80万円以下の低所得者などを対象にした軽減措置でした。しかし軽減基準額を従来5割だったものを7割とするとしながらも、消費税増税の先送りを理由に5.5割軽減という微々たるものになりました。年金収入の1割も天引きされるという過酷な高齢者の生活実態からして軽減措置の先送りは許されるものではありません。国庫負担は650億円あれば実施可能です。知事は県民の代表として、低所得者の保険料の軽減措置を政府に迫るべきではありませんか。知事の答弁を求めます。

【小川 洋 知事答弁】

今回の介護報酬の引き下げ及び、介護保険制度の見直しに対する認識について

 平成27年度の介護報酬改定は、全体で2.27%の減となりましたが、これは事業者の収支状況などを踏まえたものでございます。一方、介護職員の処遇を改善するための加算の充実、地域包括ケアシステムの中核を担う定期巡回・随時対応サービスの加算の充実などが行われてございます。
 次に、介護保険制度の見直しについては、これまで民間事業者等が要支援の方に対して行っていました訪問介護及び通所介護が、市町村事業に移行されました。これは、地域住民等の力を借りて、柔軟にサービスを手影響できるように見直されたものであり、財源は従来どおり介護保険を使って行われております。
 特別養護老人ホームの新規入所者が、原則要介護3以上にされました。これは、入所者の約9割が要介護3以上であることを踏まえ、中程度の要介護者を支える施設としての機能に重点化されたものでございます。なお、要介護1、2の人でも、認知症など様々な理由で日常生活に支障をきたす場合には、市町村の適切な関与のもと入所できるようになっております。
 一定以上の所得のある方の介護サービス利用者負担が2割とされたこと、低所得者が介護保険施設等を利用する場合の居住費・食費を軽減する補足給付の適用にあたり、預貯金等の試算要件が追加されたことは、所得や資産に応じて負担いただくようにされたものであります。
 今後、高齢化の一層の進展にともない、医療や介護のニーズの増加が見込まれます。地域における介護の体制や、介護保険制度の持続可能性を確保するため、今回の見直しが行われたものと考えております。

低所得者の保険料軽減措置に関する国への要望について

 平成29年度からの消費税率10%への改定にあわせて、低所得者に対する軽減措置が拡充する予定でございましたが、消費税改定が延期されたため、軽減措置の実施については、29年度当初予算の編成過程で検討するとされております。
 このため、県としましては、国に対して必要な財源措置を確実に講じ、低所得者の保険料軽減措置を予定どおり実施するよう要望したところでございます。また、国と地方の協議の場において、全国知事会からも低所得者の保険料軽減のための財源措置を求めたところでございます。

<洋上風力発電の問題について>

 次に洋上風力発電についてお尋ねします。
 わが党はCO2を削減するための再生可能エネルギーの一つとして風力発電推進の立場ですが、風力発電から発生する低周波の人体への影響など被害を無くすための本格的対応を求めています。ところが政府は、大規模洋上風力発電を推進するため、港湾法改定や洋上風力発電施設検討委員会設置などを次々に実施しています。それを待たずに北九州市は北九州市地域エネルギー推進会議において全国初の巨大洋上風力発電基地計画を立て、6月港湾区域を拡大し、8月、響灘洋上風力発電事業者を公募しました。若松区の北海岸から8㌔沖の白島までの海域に総発電量50万㌗の60基とも言われる風車が並びます。この洋上風力発電推進における福岡県の役割をお尋ねします。
 風力発電が先行している各地では、健康被害の訴えが上がっています。和歌山県の由良町では北九州計画の20分の1の発電規模で、21基が稼動した2008年から、圧迫感や不眠、息苦しさ、めまい、頭痛、高血圧など不定愁訴が激しくなる住民が増えています。和歌山県知事は2015年、低周波を風力発電の環境アセスメントに設定するよう国に求めました。
 ところが、環境省は11月に風力発電施設から発生する騒音等の評価手法の検討で「超低周波は聞こえないので問題ない」「風車を見ると、思い込みで具合が悪くなる」「低周波音の人の健康への影響は明確な判例を得られていないので、現時点では環境基準を設定しない」との結論を出しました。これは日本風力発電協会の要求に応じたもので許せません。
 1985年頃、本県の馬島で低周波振動の被害がありました。窓やドアが激しく揺れて寝られないと島民が市に訴え、調査が行われ、3㌔離れた工場の冷却のための巨大扇風機の低周波が、岩盤を伝って家々を揺らしていたのが分かりました。機械の低周波数を変えることで解決しています。政府の洋上風力の研究は始まったばかりです。超低周波について問題無しとするのではなく、幅広い分野の専門家に所見を求めるとともに、さらに人の健康への影響について調査研究を進めるように政府に求めるべきだと思いますが、知事のお考えを伺います。又合わせて響灘洋上風力発電事業の環境アセスメントにおける県の関与についても伺い質問を終わります。

【小川 洋 知事答弁】

響灘洋上風力発電推進における県の役割について

 洋上風力発電については、恵まれた風況が必要であるほか、漁業者や航行船舶などとの利用調整、海底ケーブルの陸上系統へのアクセスといった課題がある一方で、こうした課題が解決されれば、効率的な発電が期待される有望なエネルギー源であると考えております。
 わが国有数の専門家の参加を得て設置した「福岡県地域エネルギー政策研究会」が平成27年3月に取りまとめた報告書においても、風力発電など地域の特性を活かした多様な再生可能エネルギーの導入が必要であると提言されております。
 県では、将来、洋上風力発電の導入が進む際に必要となる海域利用調整のためのガイドラインの整備、電力会社間の電力融通に必要となる地域間連系線の強化について、国および関係機関に働きかけを行っております。また、昨年度、北九州市、地元経済界等が中心となり、洋上風力発電を含むエネルギー産業の集積を目指して設立された「響灘エネルギー産業拠点化推進期成会」には、私は顧問として参加しているところでございます。

風力発電施設から発生する超低周波音について

 風力発電施設の環境アセスメントにおいては、施設の特性を考慮した評価の手法が示されておりませんでした。このため、環境省において、平成25年度に音響学、医学などの専門家で構成される検討会を設置し、風車騒音についての評価の考え方が検討され、11月にその報告書が示されました。
 報告書では、風車から発生する20㌹以下の超低周波音は、①人が知覚できないこと、②その性質は交通騒音などと比較して大きな違いが認められないこと、③人の健康影響との明確な関連を示す知見が確認できないことから、環境アセスメントで問題となるのは、超低周波音ではなく、人が聞き取ることができる音であるとの考え方が示されました。
 環境省は、今後、この考え方を基に環境アセスメントを行う際の具体的な評価方法を定めたマニュアルを作成することにしております。なお、風車騒音の人への影響に関しては、引き続き知見の集積を図り、必要に応じてマニュアルの内容の見直しを行っていくことに、国はしております。県はその動向を注視してまいります。
 洋上風力発電事業の環境アセスメントにおける県の関与については、今後、事業規模が確定し、環境に対する影響が北九州域外にも及ぶ場合には、環境影響評価法に基づき知事が環境配慮に必要な意見を述べていくことになります。

<再質問>

 響灘洋上風力発電は羽根の直径が100ⅿ、発電量は、これまでにない一基5000㌗以上の風車が、白島沖を含めると140基ともいわれ、響灘の海を埋め尽くす国内初めての巨大な基地となります。その海には、漁民も住民も入ることはできません。
 環境省は造ってみないと超低周波の人的被害はわからないと言っています。アメリカのねずみ実験では低周波を下げていくと動かなくなり一箇所に固まってしまいました。消費者庁はヒートポンプの低周波を問題にしています。馬島は3㌔離れても低周波に合致した家が共振しています。
 今の基地計画では、若松区はすっぽり10㌔内に入ります。今なら間に合います。低周波を抑える風力発電にする、白島沖に移動するなどで住民の安心安全な暮らしを守るよう政府に声を上げていただくことを要望し質問を終わります。

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