● 17年03月10日 県議会報告

2017年3月10日 2月定例会・山口律子議員一般質問 答弁(大要) 「玄海原発再稼働の問題点について」



山口りつ子 議員

 1、日本共産党の山口りつ子です。玄海原発再稼働の問題点について、原子力防災対策特別措置法に基づく関係自治体である県の見解を伺います。明日、3月11日は、東日本大震災から6年となります。いまだ12万3千人が避難しているなかで、福島県民は、福島第一原発の事故で避難した福島県民は、今も79,000人が故郷に帰ることもできません。福島第一原発の廃炉は全く見えず、処理費用は21.5兆円まで膨らみ、さらに増え続けることは確実視されています。この負担は税金や電気代として国民に押しつけられています。

 国際原子力機関IAEAは2015年福島第一原発事故を検証し、「電力会社の根拠の無い安全神話に、規制当局も政府も疑問を持たなかったことが主な要因」と指摘し、原発安全基準の深層防護を5段階に強化しました。原発を保有する諸外国はIAEAが強化した深層防護5に合致するように安全規制を強化したため、電力会社は建設コストが高額となり、原発から撤退廃炉にするところが増加しています。
 東芝の原発建設での破たんも、ずさんな経営とともに安全基準の厳格化による建設費の高騰が拍車をかけたと言われています。
 三菱重工も、アメリカのサンオノフレ原発に納入した蒸気発生器が事故を起こし、その後廃炉が決定し、約7,500億円も賠償請求されています。今後外国での原発建設推進は大きなリスクを負うことになります。
 「安いから使う」と言われてきた原発が、決して安くないことが明らかになっています。世界の原発政策や、原発の事故処理や廃炉、使用済み核燃料の保管費用等を考えると経済的に原発政策は破綻しているのではと思いますが、国の原発政策について知事の認識をお伺いします。

【小川 洋知事答弁】

国の原発政策について

 わが国のエネルギー需給の基本事項を定めた「エネルギー基本計画」においては、原発を低炭素の準国産エネルギー源として、安全性の確保を大前提にエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付けております。
 そのうえで、原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や、火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させることとしております。
 私としては、原発については、エネルギーの安全保障、経済、環境の観点から、その安全性の確保を大前提に、当面これに向き合っていかなければならないと考えております。

山口りつ子 議員

 2、原子力規制委員会は1月18日、「玄海原発3、4号機が新基準を満たす」とする審査書を正式決定しました。これを受けて、九州電力は「世界でも最も厳しい水準にある規制基準に適合し、安全対策の有効性が確認された」と年内の再稼動をめざしています。3月7日、立地自体の岸本玄海町長は、再稼働への同意を表明し、今後、佐賀県知事の判断が焦点だと言われています。
 政府や九電は新規制基準を「世界でも最も厳しい水準」とくり返し述べていますが、本当にそうでしょうか。新規制基準は、使用済み燃料の貯蔵施設について、「冠水さえしていれば…その崩壊熱は十分除去される」と現状を認め、世界ですでに導入されているコアキャッチャーや二重の格納容器などが審査の要件になっていません。「世界一」どころか、非常に甘い基準となっています。
 昨年1月、IAEAが原子力規制委員会に対し、総合評価を行っています。それによると、安全基準を満たしていないとされた「勧告」「提言」が26項目もあります。
 特に過酷事故に対して、わが国の規制基準では、影響緩和策は極めて不十分です。溶融した炉心を水張りした格納容器に受けて冷却するというものがありますが、これは水蒸気爆発を誘発する恐れがあるとの指摘もあり、世界では非常識とされるものです。
 さらに、IAEAが求めている避難計画に至っては、審査の対象からはずし、原発周辺自治体まかせにしています。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、「委員会は原発が新規制基準に適合しているかどうかを判断しているのであって、原発の安全性を担保しているものではない」と、くり返し言っています。国や九電は、「規制基準合格」にすぎないものを「安全性」にすり替えていると言わざるをえません。
 知事は、新規制基準について、どのような認識をお持ちでしょうか。ご所見を伺います。

【小川 洋知事答弁】

新規制基準について

 新規制基準は、原子力規制委員会において、福島第一原子力発電所の事故などで明らかにされた情報を踏まえ、海外の規制基準も確認しながら、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案したうえで策定されたもので、世界で最も厳しい水準であると認識しております。

山口りつ子 議員

 3、現在、原発から30キロ圏内の自治体に、原子力災害に対する地域防災計画策定が義務付けされています。原子力災害対策指針では、一旦、重大事故が発生すると、5キロ圏内の住民は即時避難、5キロから30キロ圏内の住民は、まず屋内退避後、放射線濃度に応じて「段階的避難」、自家用車、自治体準備のバスで広域避難することになっています。本県では、糸島市の一部が30キロ圏内に含まれており、市民は大きな不安を抱えています。
 原発なくそう!九州玄海訴訟「風船プロジェクト」実行委員会が、原発から1キロ地点の波戸岬海浜公園から4回風船を飛ばしていますが、佐賀県を超えて熊本県、遠くは奈良県にまで達しています。全村避難を余儀なくされた福島県飯館村は、原発から40キロ圏を超えていました。しかも、玄海原発の3号機は毒性が高いMOX燃料を使用するプルサーマル発電です。
 糸島市の場合、東隣に位置する福岡都市圏に避難することになっていますが、福岡市からも避難しなければならない確率が極めて高いと言えます。糸島からの避難民が押し寄せ、150万人を擁する福岡市民の避難場所はどう確保するのでしょうか。移動手段の確保や大渋滞の問題、災害弱者の対応、迅速に避難を誘導する手段など、実効性において現実的に可能なのでしょうか。「想定外だった」では済まされる話ではありません。本県の避難計画について、500万県民の命を守る立場にある、知事の見解を求めます。
 どの全国世論調査でも、原発の再稼働について「反対」が6割と、多くの国民が反対しています。安全性について十分な保証もなく、多くの国民の納得が得られないままで、玄海原発を拙速に再稼働させることは、許されるものではありません。このことを申し添えて質問を終わります。

【小川 洋知事答弁】

避難計画について

 県では、国の指針を踏まえ、発電所から概ね30㎞圏内を「緊急時防護措置を準備する区域」、いわゆるUPZとして、平成24年、地域防災計画及び広域避難基本計画を策定しました。
 計画では、実際に事故が発生した場合、UPZ内では、原則として屋内退避し、放射線量の実測値基準を超えた場合、避難することとしております。また、放射性物質の拡散状況によっては、UPZ外でも避難が必要となる場合も考えられます。
 このような場合、放射線量の実測値等を踏まえ、柔軟に対応することとし、あらかじめ把握している県内市町村の避難所の収容可能人数や被災状況を参考として、避難先の調整を行うこととしております。
 県としては、広域避難訓練を繰り返し実施し、その結果を検証し、必要に応じて計画を改定するなど、引き続き計画の実効性を高めてまいります。

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