● 17年03月16日 県議会報告

2017年3月16日 2017年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「被保険者資格証明書、国保法44条について」(大要)



≪2017年予算特別委員会≫

2017年3月16日

 

被保険者資格証明書、国保法44条について(大要)

1.資料要求

  • 被保険者資格証明書の交付状況(この5年間の市町村ごとの状況)
  • 滞納処分(差押え)実施状況(過去5年間の市町村ごとの状況)
  • 一部負担金減免実施状況(法44条による)(過去5年間の市町村ごとの状況)

 

高瀬菜穂子 委員

  日本共産党の高瀬菜穂子です。国保問題について質問します。はじめに、資格証明書の交付状況、滞納処分実施状況、国保法44条に基づく一部負担金減免実施状況について資料をお願いしておりますので、委員長、お取り計らいをお願いします。

 

高瀬菜穂子 委員

 まず、資格証明書について伺いたいと思います。滞納により窓口負担が10割になる資格証交付の過去5年間の推移をみますと、少しずつは減っていますが、約2万世帯(3%)に交付されております。この2万世帯は10割負担ですから、事実上、医療が受けられない現状にあると思います。この深刻な実態についての認識を、まず伺います。

飯田幸生 医療保険課長

 資格証明書は、保険料を1年間滞納した場合に、被保険者証に代えて交付するもので、資格証明書が交付された被保険者証は受診の際、医療機関に一旦、医療費全額を支払い、後で保険給付分の支給を受けます。
 滞納者からの納付相談の機会の確保や、被保険者間の保険料負担の公平を図るため設けられている制度ですが、その影響は大きいことから、世帯主の疾病や失業等の特別の事情があると認められる場合には、交付しないこととされています。また、交付後も被保険者が医療を受ける必要が生じ、医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、短期被保険者証を交付することができることとされております。
 このような制度の趣旨をふまえ、個別の状況に応じてきたため細かな対応が求められるものと認識しております。

高瀬菜穂子 委員

 ただいまのご答弁で、きめ細かな対応をされていると、必要な場合は短期証に代えられると言われましたが、全国保険医団体連合会の調査によると、資格証明書を交付された、つまり保険証を取り上げられた世帯の受診率は、一般の53分の1と、極めて低くなっており、しかもさらに下がる傾向にあるということです。10割負担ですから、なかなか行けないということになるわけです。
 受診抑制により、必要な医療が受けられない状況は深刻です。先ほどのご答弁のように、「特別の事情」の場合には短期保険証発行ができると、国も県も何度も言ってきたわけですが、この場でもご答弁ありましたが、県内市町村の実態はどのようになっているのでしょうか。

 飯田幸生 医療保険課長

 「特別の事情」に準じると認めて短期被保険者証を発行したり、資格証明書を発行せず、被保険者証を回収しなかった実績があるのは、平成27年度において、県内の12市町、1,051件と把握しております。

高瀬菜穂子 委員

 12市町1,051件で『特別の事情』が考慮されているとのことですが、逆に言えば、48の自治体では実績がないということになります。
 民医連が毎年、「経済的事由による手遅れ死亡事例」を発表していますが、経済的な理由で無保険になった、あるいは受診抑制のため手遅れになったという例がいくつもありまして、特に福岡が多くて胸が痛みます。
 一例を紹介しますと、非正規労働者の43歳の男性、借金もないが貯金もなく、自宅で吐血し救急車で搬送されました。末期の大腸ガンで初診から3週間後に死亡しています。この方は、国保証は持っていましたが、こういうことになってしまいました。
 66歳の女性、娘さんが乳ガンの治療が必要で年金を担保に借金があり、そのため肺ガンが発見されたけれども、手遅れで初診から2か月で亡くなっています。こうした例がいくつもあるわけなんです。
 国保の滞納世帯は11万世帯にのぼっています。その最大の要因は高すぎる保険料(税)にあります。大半の世帯が無職かパート労働者等で占められているなか被保険者にとって保険料(税)の負担は限度を超えています。病気の場合は、「特別な事情」にあたるということを引き続き、市町村に指導していただき、適正に短期証に切り替えるようお願いしたいと思います。この点について確認したいと思います。

飯田幸生 医療保険課長

 先ほど申し上げましたように、資格証の趣旨に沿って個別の事情に応じて、きめ細かな対応をしていくように、市町村に働きかけていきたいと思います。

高瀬菜穂子 委員

 確認をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
 次に滞納処分ですが、資料によりますと、滞納処分の件数は年々増えております。平成27年度で1万3,000件、30億円相当に上っていますが、11万の滞納世帯のうち、大半が差し押さえできない状況です。滞納処理は、多くの自治体で国保以外の滞納、市町村民税、固定資産税、軽自動車税などとともに「収納対策課」や税務課が一括して行っています。このため国保の滞納がもつ深刻な実態、保険証を取り上げられ、短期証や資格証明書が発行されるということに目が届かず、国保の担当課や生活保護事務所との連携によって、必要な医療が受けられるような措置がされていない実態などが見かけられます。県としてこれまでどのような指導を行ってきたのか伺いたいと思います。

飯田幸生 医療保険課長

 国保税の収納事務を、税務課などで他の税目と一元的に実施している市町村では、滞納世帯からの納付相談から短期被保険者証や資格証明書の発行、滞納整理まで、その課で一元的に判断しております。したがって、その担当課が国保の収納対策が資格管理と関係しているということを正しく理解することが重要です。
このため県では、市町村を訪問した際の事務指導を通じ、それらの点について収納担当の職員に対して直接助言を行っているところでございます。

高瀬菜穂子 委員

 滞納処分(差押え)は国民健康保険税が最も多いですね。いくつか市町村で聞き取りも行いましたが、預貯金の差押えが圧倒的に多いわけです。預貯金を押さえるにあたって調査を行っているが、どういった性格の預貯金なのか預金の取引履歴を確認した上で、給料なのか、児童扶養手当なのかなどという確認を、きちんとしているところとそうでないところがあります。差し押え禁止財産や給与などの差押え制限財産等について、医療保険課としてはどのように市町村を指導してきたのか、お伺いします。

飯田幸生 医療保険課長

 ほとんどの市町村は国保税として徴収しており、滞納整理等については、市町村民税や固定資産税など他の税目と共通であることから、税務課、市町村支援課、医療保険課、3課合同市町村の担当職員を対象に研修を実施しております。
 こうした機会をとらえて、差し押さえ禁止財産や給与などの差し押さえ制限財産等について正しい知識を身に着けてもらい、差し押さえが適切に行われるよう取り組んでいるところでございます。

高瀬菜穂子 委員

 適切にということでしたが、生活保護でも認められている学資保険を差し押さえた例もありました。
 2018年度より、県が市町村と共に共同の保険者となるため収納目標を定め、徴収の強化、滞納処分の増加がおこるのではないかと懸念されております。人権侵害のような、差し押さえが全国的には問題になっており、昨日はテレビまで差し押さえられるという例が報道されておりましたが、ぜひとも適切に対応していただくように強く要望しておきます。
 次に、国保法44条に基づく一部負担金減免制度についてお伺いします。
 県内市町村のこの制度に基づく減免件数は、この5年間、127件、179件、82件、70件、195件となっておりまして、同じく国保法77条による保険税(料)減免件数19,141件(2015年度)と比べると桁違いに少ない。あまりにも少ないと考えるが、県はこの数字をどう受け止めておられますか。

飯田幸生 医療保険課長

 一部負担金の減免は、疾病や失業等で生活が著しく困難となった被保険者が、必要な医療を受けられるよう認められるものでございます。
 ご指摘の通り保険料の減免に比べると件数が少ない状況にあります。県では、制度の内容を県ホームページに掲載し、市町村では被保険者向けのリーフレットにより、周知に努めているところですが、制度が適切に実施されるよう、引き続き機会をとらえて市町村に対し、周知を働きかけてまいります。

高瀬菜穂子 委員

 法に基づいて、必要な低所得者に対して減免できるという制度ですが、一つには周知されていないという問題があります。もう一つは、県の指導にもかかわらず、今だに要綱の策定ができていない自治体もあるわけです。
 しかし、多くの自治体で適用されない理由は、国と同様の減免要綱をつくっているために、減免の要件として「収入が著しく低下したとき」という規定があるわけです。そのために、ずっと低い水準で頑張って生活されている方には、適用されていないという問題があります。
 全ての人に医療を提供するという主旨でつくられた制度ですから、こうした方が対象になるように、市町村を指導していただくとともに、国に減免基準の拡大を要望していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

飯田幸生 医療保険課長

 県内の市町村では、前年度からの収入が減少していなくても、生活保護世帯並みに収入が低い被保険者を対象とするなど、国の基準を超えた減免を行っているところもあります。
 国の基準を超えた減免の部分は、市町村の負担となり、国保財政に影響を及ぼすことになります。一部負担金の減免要件の設定に当たっては、このような観点も含め、地域の実情を総合的に勘案しながら、市町村が決定していくものであると考えております。
 県としては、今後の市町村の取り組み状況を踏まえながら、必要に応じて国と意見交換を行ってまいりたいと考えております。

高瀬菜穂子 委員

 ぜひ、国と意見交換していただき、強く要望していただきたいと思います。
 広島市は多数の適用者がいますが、広島市の要綱には「収入が著しく減少したとき」との規定がありません。生活保護基準相当の世帯は、この制度で医療が提供されるということになっております。
 生活保護基準と言いますと、例えば福岡市の場合、夫婦と子どもの4人世帯で生保の基準は月額206,950円。高齢者夫婦で128,620円となっています。この基準以下で生活している世帯は本当にたくさんあります。生活保護の補足率はわずかに約2割と言われております。生活保護基準以下で生活し、保険料も払っているが、医療費が払えないため必要な医療を我慢する、こんなことは人道的にも許されないことだと思います。
 私のところにも、「生活保護は受けたくない、医療費だけなんとかならないか」という相談が多数あります。国保法44条は、本来そうした人のために活用されなければならないと思います。
 本県の場合、医療機関が行っている、「無料・低額診療事業」の受診者は、年間延べ436,000人余もおられます。医療機関が行っている、無料定額診療に救われている人が非常に多いわけです。こうした方々の多くは、本来、国保法44条か生活保護法で救済されなければならないものです。国保法第1条には、その目的として『社会保障及び国民保健の向上に寄与する』とうたっています。法の趣旨に基づき44条「一部負担金減免」要綱策定と適切な運用を指導していただきたいと思いますが、ご答弁をお願いします。

飯田幸生 医療保険課長

 一部負担金の減免制度の公平で適切な運用を確保する観点から、国が定める基準に基づき県で参考例を示して市町村に対し、要綱等の策定を助言しているところでございます。現在55市町村で策定されており、残る5市町村に対し引き続き、策定を働きかけてまいります。
また、市町村が個別の状況をきめ細かく把握し、一部負担金減免の趣旨に沿って適正に実施されるよう、引き続き市町村に対し助言してまいります。

高瀬菜穂子 委員

 要綱策定と適正な実施について、しっかり取り組んでいただきますよう、強調し質問を終わります。

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