● 17年03月22日 県議会報告

2017年3月22日 2017年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「嘉穂高校定時制募集停止問題と高校再編について」(大要)



≪2017年予算特別委員会≫

2017年3月22日

 

嘉穂高校定時制募集停止問題と高校再編について(大要)

 

資料要求

 

1 県立中高一貫校・中等教育学校の開校時からの志願倍率
2 県立中高一貫校の適正検査問題

 高瀬菜穂子 委員

 日本共産党の高瀬菜穂子です。県立学校再編整備計画に基づき行われた嘉穂高校定時制募集停止にかかわって、お尋ねします。
昨年12月議会で、私はこの問題を取り上げ、教育長に質問しました。募集停止を新聞報道で知った若い卒業生が、「なぜ募集停止になるのか、存続してほしい。地元説明をおこなってほしい」と請願を県議会に提出したことはご承知のとおりです。12月議会で教育長は、「今回の嘉穂高校定時制募集停止の際には、学校長から地域の中学校、同窓会、在校生や保護者などへ、丁寧な説明を行ってまいりました。」と答えられました。しかし、情報公開請求で出された文書には、学校長と県教育委員会との意見交換の記録はあっても、地域の中学校、同窓会、在校生や保護者への丁寧な説明がいつ、どこで、どのように行われたのか、その様子はどうであったのか、についての記録はみることはできませんでした。
請願者は納得されていません。いつ、どこで、どのように、何人が参加して行われたのか、お答えください。

 日高公徳 企画調整課長

   学校長からの説明は、生徒やその保護者、教職員、地元の中学校、同窓会に対して、平成28年5月から10月にかけて行ってございます。
具体的には、

  • 夜間定時制については、より充実した教育を実施するため集約化・重点化を図り、普通科については各学区に概ね1校に統合するという、県立高等学校再編整備計画の趣旨
  • 嘉穂高校、嘉穂東高校における近年の志願者・入学者の減少傾向
  • 嘉穂高校と嘉穂東高校のJR駅からの距離や周辺幹線道路の状況などの通学条件
  • 定時制課程の専用教室や駐車場などの施設整備
  • 今後のスケジュール

などについて説明を行っております。
特に、在校生やその保護者に対しては、卒業までの心構えを含めて、丁寧に説明を行っております。なお、人数については、私どもの方で把握をしておりません。

高瀬菜穂子 委員

  説明されたと、おっしゃったんですけど、関係者の中にも新聞報道で初めて知ったという方がおられます。県がいわれる説明とは、同窓会役員や地元教育長など一部の方ということではないでしょうか。一般の地域住民や卒業生を対象にした説明会の記録は見つけることができませんでした。
私、情報公開された資料を読みましたが、企画調整課と学校側とのやり取りには、教育長が12月議会で示された定時制高校の重要な役割についての議論はなくて、定時制をなくすための「対策」が話しあわれたという感を持ちました。大変残念です。例えば、2015年3月3日は、県立中学開校直前ですが、「定時制の志願者は3名であったので安心していた。ところがT中から7~8人志願があり13名となった」と、まるで志願者が増えたことがよくないことのように話していたり、「筑豊地区の定時制を充実させるためには統合が必要との雰囲気をつくっていく必要がある」と述べている、そうした記録には驚かされます。
最も驚いたのは、昨年8月22日に行われた地元教育長への説明です。飯塚市教育長に午前10:25~10:50、桂川教育長に11:05~11:10、 嘉麻教育長に11:30~11:40、それぞれ25分、5分、10分です。76年の歴史を持つ地元の定時制高校の閉過程にあたって、これほど簡単な説明で済むものか、言葉を失いました。請願者も同様です。
教育長は「より充実した教育を実施するための集約化、重点化を図る」といわれていますが、そのため現場からの意見聴取やどう充実させるべきかの検討、子どもたちの実態を具体的につかむなどの議論は見つけることはできませんでした。議事録の中身が、「反対者はいないのか」とか、「同窓会は説得できるか」との話になっていることには、教育改革といえるのかとの疑念さえ、持ちます。見解を求めます。

日高公徳 企画調整課長

地元教育長への説明内容についてでございます。
再編整備基本計画については、平成11年7月の県教審答申後、概要パンフレットの作成・配布、地区懇談会の開催などにより、答申の趣旨や必要性等について広く周知を行っております。
また、平成11年12月の計画策定後は、各市町村教育委員会や校長会、教職員団体をはじめとする関係機関・団体に計画を送付するとともに、各種研修会等において、計画の内容を説明したところでございます。
こうしたことにより、夜間定時制普通科を概ね学区に1校に集約する方針についても、すでにご理解いただいたものと認識しております。
そのうえで、夜間定時制における近年の入学者数の減少傾向や、通学条件、施設設備等の観点から説明を行ったところ、定時制教育の場を嘉穂東高校に集約化することに理解を得られたものと考えております。

高瀬菜穂子 委員

それで、5分で済んだということでしょうか。地区懇談会の内容や、いま説明になられたことは、情報公開の資料にはまったく載っていません。請願者らは、定時制の扱いはこれほど軽いのか、とショックを受けておられました。そのことは、指摘をしておきます。
第12学区の定時制高校を集約化、重点化することで、より充実した教育を実施すると言われておりますけど、今回の募集停止により、どのような充実を行うつもりですか、お答えください。

日高公徳 企画調整課長

まず、現在の1年生が卒業します平成31年度までは、嘉穂高校の定時制課程は存在するという前提がございます。その前提のもとに、今後、嘉穂東高校定時制における志願者数や入学者数の動向や、在籍する生徒の状況を踏まえ、適切な教育活動が実施できるよう、配慮を行ってまいりたいと考えております。

高瀬菜穂子 委員

つまり、いまのところ特段の充実は、行っていないということだと思います。「配慮」というのは具体的にはどんな内容を指すのでしょうか。

日高公徳 企画調整課長

定時制課程における様々な生徒が抱える問題、それに対応するべく人員配置等が行われております。様々な事業による人員配置が行われておりますので、そういったことを、全体を勘案しながら配置していくこととなるかと思います。

高瀬菜穂子 委員

「筑豊地区の定時制を充実させるためには統合が必要」といってこられたわけですから、雰囲気だけではなく、いまおっしゃられたように、実際に充実をしていただかなければならないと思います。よろしくお願いします。
ここで、中高一貫校とのかかわりをおたずねします。平成26年4月4日、嘉穂高校学校長と企画調整課との定時制募集停止の1回目の話の中で、「中高一貫校で定時制を持っているところはない」との説明をおこない、募集停止の方向性を求めていますが、中高一貫校と定時制とは両立しないのでしょうか。

日高公徳 企画調整課長

中高一貫校に定時制課程を併置することを制度的に禁止する法令等はございません。ただし、学校運営を行う上で、他校に比較して負担が大きいと考えられます。
このため、嘉穂高校の校長に対しては、平成16年度に開校した本県の中高一貫教育校には定時制課程が置かれていないこと、また、他県の事例を調べたところ、既存の高校を中高一貫教育校に改編した際に、併置の定時制を閉課程した事例が複数あることを伝えたものでございます。

高瀬菜穂子 委員

それならば、中高一貫校設置を決める段階で、夜間定時制についても同時に議論すべきだったのではないでしょうか。中高一貫校を設置したから、定時制については負担が大きいだろうと募集停止にするというのは、やはり、ここでも定時制軽視ではないか、といわざるをえません。
そもそも、県立学校再編整備計画の「定時制を学区に1校」との方針が、学びを求めるすべての県民を対象にしたものとはいえません。学区に1校では、広すぎて、通いたくても通えない人が出てきます。通いにくくしておいて、少なくなったから廃止するというのは行政としてどうでしょうか。文科省は、夜間中学を各都道府県に1校は設置するよう求めています。これにつながる夜間定時制高校も、新たな重要性を増しており、そんなときに募集停止を17年も前の方針に従って見直すことなく強行するという姿勢は改めるべきであろうと思います。これ以上の定時制閉課程は行うべきではないと思いますが、いかがですか。

 日高公徳 企画調整課長

 現在のところ、今回の嘉穂高校の定時制の募集停止を行った後に、他の学校において募集停止を行う予定はございません。

 高瀬菜穂子 委員

むしろ充実を求めておきたいと思います。
次に、この機会に、県立中高一貫校についてもおたずねしておきます。中高一貫校の適性検査等の資料をお願いしておりますので、お取り計らいをお願いします。

 

 

 

高瀬菜穂子 委員

簡潔に説明をお願いします。

中島良博 高校教育課長

 資料の1枚目は、県立の中学校及び中等教育学校の開校時からの志願倍率の推移でございます。
資料のとおり、全体として開校時に倍率が一番高く、年度を追って倍率が落ち着く傾向にあり、一番下の表にある一貫校全体の倍率は、平成29年度、2.44倍となっております。
次の資料は、入学者決定のための適性検査の内容であり、身の回りのいろいろな事柄に対して課題意識を持ち、自ら考え解決しようとする能力や態度をみるものでございます。
なお、学校教育法施行規則の規定に基づき、公立の中高一貫校については、学力検査を行わないものとされております。

高瀬菜穂子 委員

県立中高一貫校は、当初から、義務教育に分断を持ち込むことになるのではないか、また、競争の低年齢化を招くということが危惧されてきました。そのため、中高一貫校導入にあたり、法律に対する附帯決議があがりました。受験準備に偏したいわゆる「受験エリート校」化しないこと、「学力試験は行わないこと」などが決議されています。
お聞きしますが、中高一貫校の目的は何でしょうか。

日高公徳 企画調整課長

中高一貫教育は、6年間を見通した計画的な教育が実施できるとともに、幅広い年齢集団による教育活動が可能であるという特色がございます。
こうした特色を生かし、次代を担う人材を育成するため、平成16年度には3校、平成27年度には2校の中高一貫教育校を設置いたしたところでございます。

高瀬菜穂子 委員

附帯決議を踏まえ、ゆとりを持って、豊かな教育を行うということだと思います。しかし、本県で行われている適性検査ですが、資料を見ても、かなり複雑で難しい問題が出されています。読解力、図形・表を読み取る力、理科的な知識、文章表現力など、総合的な力が試されます。塾などで対策をしなければ回答を書くのが難しいとの声がありますが、これは、競争激化、低年齢化を招いているのではないでしょうか。適性検査の目的と、その結果が選抜にどのように影響しているのか、お答えください。

中島良博 高校教育課長

適性検査は、県立中学校・中等教育学校の入学者を決定するために、作文や面接と共に実施しており、各校の入学希望者について、意欲や適性等を公正に判定するために実施しております。
なお入学者決定は、適正検査等の結果を総合的に判断して行っております。
また、受験準備などの特別な教育が行われ、受験競争の低年齢化を招くことのないよう留意しております。

高瀬菜穂子 委員

低年齢化を招くことのないようにと、おっしゃたんですけれども、実際にはこの問題を解こうと思うと、かなり対策をしているという声を聞きます。
この問題で回答できない場合、書けない場合は、選抜されないということになるわけですねよね。そうなると、やはり低年齢化がおこってくる、塾などで対策が行われているわけですよ。
「中高一貫教育制度に関する主な意見等の整理」を中央教育審議会初等中等教育分科会がまとめていますが、その中にも、「適性検査は、実態として学力検査化しており、受験産業によって偏差値が示され、生徒へのプレッシャーがかかっていると見るべき。生徒の負担が軽いとはいえない」などの指摘があります。貧困と格差が広がる中、受検できる子どもとそうでない子ども、通学できる子どもとそうでない子ども、と分断が生じているのではないでしょうか。当初の危惧がやはり現れていると考えざるを得ません。中高一貫校の地域一般小中学校への影響は、どのように認識していますか。

中島良博 高校教育課長

小学校では、小学校卒業後の針路の選択肢が広がるとともに、児童が将来の進路を考えるきっかけになっていることや、中高一貫校において個性や能力の伸長が図られ、地域のリーダーとなるべき人材が育成されていることなどに対し、好意的な評価をいただいておると考えております。
また、中学校関係では、中高一貫校におけるいわゆるアクティブ・ラーニングなどの先進的な公開授業への教職員の積極的な参加を通して、自校の教育活動改善の契機とするなど、中高一貫教育校は、地域の学校教育活性化に影響を与えていると考えております。

高瀬菜穂子 委員

先の中教審の資料には、「中高一貫教育校で地域のリーダーを育てる旨が設置者から宣伝

されている。そうすると、「公立の中学校はいかにあるべきなのか」「公立中学からリーダー層の子どもが大幅に抜けるために公立中学が荒廃しては困るのであり、検討が必要」と、こうした意見が書かれております。地域への影響を心配する声が示されているんですよね。
県内にも、そうした影響はないでしょうか。検証を求めたいと思います。
以上、いくつか問題意識を披露いたしまして、指摘させていただきました。
最後になりますが、今回の定時制募集停止にかかわって、高校再編全体をどうだったのか検証する必要を痛感しています。本日取り上げた、定時制、中高一貫校についても、今日的課題があると考えます。再編計画が出された1999年と今日では、社会経済状況が大きく異なっています。
また、私学助成の拡充によって、低所得者も私学が選択肢に入る時代となっていること、発達障害や特別に支援を要する生徒が増えていること、子どもの貧困が深刻化していること、などを勘案しますと、県立学校の新たな公的な役割が期待される時代になっていると思います。
テストで選別し分断するのではなく、全ての子どもに学びを保証する、そのため様々な専門家を配置するなど、県立学校の充実を図っていただくことを強く求めますが、この点について教育長の見解を求めます。

城戸秀明 教育長

今日の学校は、いじめ、不登校、貧困問題、特別支援教育への対応など、複雑で多様な問題を抱えながら懸命に努力している姿がございます。
県教委といたしましては、このような学校に対して、スクールカウンセラー、訪問相談員、スクールソーシャルワーカーや特別支援教育支援員の配置等の対応を行っており、また来年度からは通級指導の実施を予定するなど、各学校の円滑な教育活動が行えるよう、環境改善に努めているところでございます。
現在、県立学校の新たな役割という視点からの整備計画は考えておりませんが、今後とも様々な課題にしっかりと対応してまいりたいと考えております。

高瀬菜穂子 委員

課題が複雑化、多様化している今だからこそ、子どもの権利条約の精神、また、ユネスコの『学習権宣言』のなどを踏まえた崇高な学びを提供する場を、県立学校で実現していただきたいということを強調いたしまして、質問を終わります。

 

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