● 18年03月19日 県議会報告

2018年3月19日 2018年予算特別委員会・高瀬菜穂子委員質疑・答弁「無期雇用転換ルールについて、県労働委員会労働者委員の任命について」



 

 

≪2018 年予算特別委員会≫ 

2018 年3月19 日

 

無期雇用転換ルールについて、県労働委員会労働者委員の任命について

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です。

 

 まずはじめに、「無期雇用転換ルール」についてお尋ねします。

 

 労働契約法の改定に基づき、有期雇用労働者が5年以上同じ会社で働いた場合、本人が申し込めば無期雇用に転換できるという、いわゆる「無期雇用転換ルール」が4月から適用されます。これを受けて、自動車大手や大学、独立行政法人などで、違法な「雇用期間逃れ」をはかる「雇止め」が相次ぎ、大きな問題になったことは周知のとおりです。

 私は、昨年12月議会の一般質問で、この問題を取り上げ、「無期雇用転換ルール」が適正に運用されるよう、労働者や事業者への無期転換権や法の趣旨の徹底を求めました。

 県においては、どのような手立てを行ってこられましたか。また、この問題に関し、何件の相談が寄せられ、どのような相談があったか、お示しください。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 県では、今年1月に、県庁内各課所管の公社等外郭団体並びに出資団体、業界団体等の関係団体に対して、無期雇用転換ルールの円滑な導入に向けて、改めて文書による周知をいたしました。

 あわせて、県内4カ所の労働支援事務所で、2月21~22日に「解雇・雇止め集中相談会」を開催したところでございます。相談会では、当該ルールに関連した雇止めについての相談も含め、二日間の実施で197件の相談に対応しました。

 相談会では、労働者から「1年の有期契約を5回更新し、雇止めを通告された」との相談があり、雇止めの撤回についての司法の場で判断することを勧めたケースなどがございました。また、使用者から「無期転換ルールが始まる事に関し、嘱託職員」の規定の見直しを検討したい」との声も上がっているところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 改定労働契約法には、18条2項に「6か月の空白期間があるときは、その前に契約して働いた分を通算契約に参入しない」という、法の抜け穴があります。この抜け穴がある限り、不合理な雇止めがなされる懸念は否定できません。

 労働者が安心して働けるよう、対応していただきたいと思いますが、県としては、引き続きどのように取り組んでいくのか、お答えください。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 県としましては、無期転換ルールが円滑に施行されるよう、今後も福岡労働局と連携して周知啓発を行います。

 さらに、県内4カ所の労働者支援事務所において、労使紛争の未然防止及び解決のため、引き続き、ひとり一人きめ細かな労働相談を実施してまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 違法な雇止めが行われないように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。あわせて、希望する労働者が「無期雇用」に転換できるよう、事業者への適切な指導やあっせんをお願いしておきます。

 

 次に、本県労働委員会労働者委員の任命について質問します。

 昨年の11月26日に、第41期の福岡県労働委員会委員が任命されました。そのうち、労働組合から推薦される労働者委員についてお尋ねしますが、何名の定数に対し、何名の応募がありましたか。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 昨年任命いたしました、第41期の福岡県労働委員会委員の任命にあたっては、労働者委員は7名の定数に対し12名の推薦がございました。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 つまり5名が任命からはずれたわけですね。任命権者は知事ですが、選任に当たっての基準と、今回、任命されなかった方たちの、その理由をお答えください。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 選任にあたっては、労働委員会が労働争議の調整及び不当労働行為の審査等を行う三者構成の合議体である性格に鑑み、労働委員会制度の趣旨に沿った円滑な運営が確保され、かつ、その機能が最大限発揮されるよう、総合的に判断して選任を行っております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 「適格性を総合的に判断した」というだけでは、漏れた方たちも納得いかないと思います。

 

 県下の労働組合は、連合福岡と福岡県労連の二つのローカルセンターに組織されています。今回、任命された方が所属する労働組合が加盟しているローカルセンターは、それぞれ何名ですか。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 今回、任命された7名の方が所属する労働組合は、連合福岡に加盟しております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 結局、連合系の組合に属する方だけで独占されています。

 かつて本県では、総評、同盟、中立労連の三つのローカルセンターが存在した時は、本県でも、それぞれの組織人員に比例して労働者委員が任命されていました。

 1989年に連合福岡と福岡県労連の二つのローカルセンターが発足して以来、県労連から任命されたことが一度でもありましたか。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 ご指摘の時期以降、福岡県労連に所属する労働組合が推薦する候補者から、委員は任命されておりません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ないわけですよ。明らかに県労連排除ではないですか。

 

 2015年12月18日に、当時の県労連の副議長と本県労働政策課長との間で、「県は、第41期委員の任命にあたっては、連合と県労連で扱いに差がないよう、公正な選任に努めるものとする」という確認書を交わしていますが、結局、守られませんでした。重大な約束違反、背信行為ではありませんか。どのように考えておられますか。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 第41期委員の任命にあたっては、推薦候補者全員について、労働委員としての適格性を総合的に審査・判断して任命を行ったところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 全く同じお答ですが、確認書では「連合と県労連で扱いに差がないように、公正に」となっていますが、明らかに取り扱いに差があります。30年間、全て連合系の委員で占められている事実が、そのことを示しているではありませんか。どこが公正ですか。

 

 福岡県労連は、第33期労働者委員の任命に対して「任命取り消し訴訟」を福岡地裁に起こしました。判決は、訴えそのものは却下していますが、こう認定しています。「知事は、県労連に加盟する労働組合推薦の候補者を労働者委員から排除することを意図して、県労連に加盟する労働組合推薦の候補者であるという理由だけで、原告を労働者委員に任命しなかったものと認めざるを得ない」と。明確な事実認定ですよ。そのうえで、「裁量権を逸脱したもの」と指摘しています。 

 

 しかし、その後も全く状況は変わっていません。この判決をどう認識しておられますか。

 

田上喜之 労働政策課長

 

 労働委員会委員の任命にあたっては、労働委員会の円滑な運営が維持され、かつ、その機能が最大限に発揮されるような人選をするということから、総合的な観点で公正な選任を行ったところであり、指摘されたような裁量権の逸脱はなかったと考えております。

 ご質問にありました判決において、「裁量権の逸脱」の部分は、判決本体に関わりない傍論として指摘されたところでございます。県としましては、判決理由の判断に不服はあるものの、判決自体は県の勝訴であったため、控訴はしておりません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県の勝訴と言いますが、判決は、「第33期労働者委員の任命取り消し」そのものを却下したわけで、知事は、「県労連に加盟する労働組合推薦の候補者を排除することを意図した」と、「県労連に加盟する労働組合推薦の候補者であるという理由だけで任命しなかった」と、はっきりと認めているわけですよ。恣意的で不公正な事実を、裁量権の逸脱を明確に認定しているわけです。真摯に受け止めるべきだと思います。

 同様の裁判では、2016年7月、北海道労連が提訴していた、第41期北海道労働委員会労働者委員任命取り消し訴訟の判決があり、「極めて恣意的」、「裁量権の逸脱、乱用にあたる」と、30期、40期に続いて3度目の違法の認定を下しています。

 これを受けて高橋はるみ知事は、道議会において我が党議員の質問に、「判決内容などを勘案し、公平公正に適切に対応したい」と表明しました。その後、第42期労働者委員に北海道労連から初めて任命されています。違法なんですよ。北海道知事のように、違法状態は是正するのが、あたり前じゃないですか。

 北海道以外にも、宮城、神奈川、京都などで、同様の判決を受けて「偏向任命」が是正されました。現在、中央労働委員会と11の都道府県で全労連系の労働者委員が任命されています。

 

 旧労働省の指針:54号通牒では、「労働組合の系列別の組合数、組合員数に比例させ、産業分野、地域別などを十分考慮すること」と、任命方法について規定されています。

 平成29年度の労働組合基礎調査によりますと、連合福岡は約19万9千人、県労連は約3万1千人です。比率にすると、およそ6対1です。1人は県労連推薦の労働者委員を入れるべきではないですか。

 次期労働者委員には、その指針に基づいた任命を行うと、はっきりと明言していただきたい。これは、部長に答弁を求めます。

 

神代暁宏 福祉労働部長

 

 委員ご指摘の、昭和24年7月29日に出されたこの指針は、労働委員会委員選任にあたっての留意点を示したものですが、現在、技術的助言としての位置づけでございます。

 今後とも、この指針の内容も参考としながら、労働委員会の機能が最大限に発揮されるよう、推薦候補者全員について、労働委員としての適格性を総合的に審査・判断してまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 これまでも、県は総合的に判断すると言って、具体的な理由も示さずに、ずっと県労連推薦の委員を排除し続けています。裁判で「恣意的」であると、「裁量権の逸脱」であると認定されているわけです。そのことを認めようとしない。これは差別ですよ。強く抗議します。

 

 組合運動において、運動方針を異にする「潮流」が存在する限り、多様性を有することは当然であり、司法においても労働者委員の公正任命を求める判決が下されています。不当労働行為の救済機関である労働委員会の委員の任命において、自ら、組合差別という不当行為そのものがまかり通っています。とんでもない話です。

 憲法で保障された労働基本権が所属組合によって差別されることなく、公平・公正な任命を行っていただくよう、重ねて強く要望しますが、納得いく答弁をいただけませんので、任命権者である知事に直接お聞きしたいと思います。知事保留をお願いして、質問を終わります。

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