● 18年09月20日 県議会報告

2018年9月20日 9月定例会・山口律子議員一般質問・答弁「西日本豪雨災害に関する河川浸水対策、がけ崩れ対策について」(大要)



2018年9月20日   9月定例会・山口律子議員一般質問 (大要)

 

 

<西日本豪雨災害に関する河川浸水、がけ崩れ対策について>

 

山口律子 議員

 

日本共産党の山口律子です。平成30年7月豪雨災害に関する対策事業について質問します。

 

久留米市は7月7日午前2時20分までの48時間雨量で、観測史上最大となる383.5ミリを記録しました。筑後川とその支川の水位は一斉に上昇したため本線から支川への逆流の恐れが生じ、水門を閉め排水ポンプで支流の水を筑後川へ押し流しています。しかし、支川の流量がポンプの能力を超え、陣屋川や山ノ井川などで氾濫し1500戸以上の浸水被害が生じました。

筑後川支川は、2012年の九州北部豪雨災害でも氾濫しており、久留米市はかねがねポンプの能力向上を国に求めていたと聞きます。私たち日本共産党の国会議員団、県議団、久留米市議団共同で、災害後、筑後川河川事務所に話を聞きに行きましたが、「支川の拡幅や堤防のかさ上げなどの改修を行わなければ、ポンプの能力をアップしても生かせない」と言われました。つまり、国、県、市、一体となった総合的な河川整備が必要かと思われますが、2012年の災害以降、この問題について国と協議は行われてきたのでしょうか。どのような検証が行われ対策を行ってきたのかお尋ねします。

 

2003年7月の集中豪雨により、飯塚市における明星寺川及び片島地区全域では、1500戸強の床上浸水を含む約1800戸の浸水被害が発生しました。嘉穂劇場付近が1・8mの浸水となり、劇場の存続が全国的にも注目されました。この被害を受けて、排水機場の新設、流域下水道、飯塚橋の架け替え、河道掘削など、国、県、市一体となった明星寺川の浸水対策事業を行った結果、大きく改善されました。今回の豪雨でも一部地域で軽微な被害にとどまっています。 

かつては繰り返し甚大な被害が出ていた福岡市の御笠川や北九州市の紫川でも同様です。手立てを講じることで被害を防げる、減少させることができることを示しているのではないでしょうか。

昨年の決算特別委員会での私の質問に、県の河川整備計画は県管理二級河川52水系のうち13水系で策定済み、4水系で策定中との答弁がありました。現在はどうなっていますか。お答えください。

 河川整備を行ったところは治水効果を発揮しています。ダムの治水効果も下流域の河川の整備があってこそです。河川整備計画の策定を急ぎ河川整備を進めるために、抜本的に予算を増やすべきではないですか。

私ども共産党県議団にも、県河川の浚渫や川底に繁茂する樹木などの伐採を望む住民からの相談も幾度も寄せられています。河川整備に関する予算があまりにも少なすぎると感じますが、知事のご所見を伺います。

 

北九州市では、がけ崩れが278ヵ所と多数発生しました。門司区奥田地区では二人の尊い命が奪われています。このまま放置するとニ次被害等、新たな崩壊の恐れがあり、早急な対策が求められています。

 県の事業としては治山と砂防の両面で、国の補助を受けて県が行う事業と、国や県の補助を受けて市町村が行う事業がありますが、それぞれに高さ、保全戸数、事業費などの採択要件があります。命と財産を守る立場で、各部局協力して1ヵ所でも多く制度が適用されるよう、切にお願いするところです。

昨年の豪雨災害を受けて、私たちも国の治山対策の補助事業について「要件緩和」を農水省に要請しましたが、担当官からは、「我々は困っている方を採択要件で切っていく立場ではないので、理屈が付く範囲でできるだけ採択できるようにしたい。個別個別に対応したい」と、柔軟に対応する旨、回答がありました。ぜひこの立場で事業の採択を進めていただきたいと思います。

比較的小規模のがけ崩れは、砂防の「災害関連地域防災がけ崩れ対策事業」や、治山の「林地崩壊防止事業」等を利用して、市町村が行うことになっていますが、あくまでも市町村からの申請が必要になります。

すでに制度については各市町村に周知しているとお聞きしましたが、自治体によっては、対象にならないだろうと判断している場合、自治体の負担があるからと躊躇している場合もあるかもしれません。災害対応に慣れていない市町村もあります。このため、積極的に当該自治体に働きかけていただきたいと思います。

そこでお尋ねします。がけ崩れの災害復旧事業が十分に活用されるよう、市町村に周知し協議を進めることが必要だと考えますが、県はどのように取り組んでいるのか、お答えください。

 

平地が少ない北九州市は、高度経済成長期に人口が飛躍的に増えており、山地を開発して宅地が造成されていった経緯があります。今回もそういった傾斜地のいたるところで被害が発生していますが、造成された宅地であるため当然人工がけです。しかし、人工がけといった私有財産には、公的資金は投入できないとの法律上の制限があることから、現在の制度ではいずれの事業の対象にもなりません。

阪神淡路大震災の際には、同様の趣旨で被災住宅の再建になんの支援もありませんでした。いま、度重なる災害を経て、不十分ながら「被災者生活再建支援制度」ができ、支援金の増額などの見直しも行われました。

 高齢化が進み年金生活者が増えていくなかで、自力での修復は困難だと思われます。いつまた集中豪雨や地震が発生するとも限りません。民家が密集しているところでもあり、放置することは大変危険です。私有財産だから「個人責任」では済まない問題だと思います。

人工がけを事業の対象とするようぜひとも国に働きかけていただきたい。そのうち、例えばレッドゾーンなど危険な箇所については、県としても予算をつけ制度を見直していただきたいと考えますが、知事のご答弁をお願いします。

 

小川 洋 知事

 

 平成24年7月豪雨では、久留米市内の筑後川支川において、山ノ井川など10河川で浸水被害が発生しました。この浸水被害を受けて、国、県、市で被害の状況や要因について協議を行っております。

 被害の要因については、この協議の中で、本川水位が上がり支川の水が吐けきれず被害が発生したことを確認しました。これを踏まえ、河川改修や河道掘削などの対策を順次、講じているところでございます。

  河川改修については、過去の浸水被害、流域の人口や家屋などの集積状況、費用対効果などを総合的に勘案し、優先度が高い河川から実施してきております。

 県としましては、近年の降雨状況や浸水状況なども踏まえ、効率的、効果的な維持管理や河川改修を実施し、治水安全度の保持、向上に努めてまいります。

 がけ崩れの災害復旧事業に関する市町村への周知についてでございます。災害が発生した場合、発生した場所や被害の状況に応じて、砂防事業や治山事業を活用して、県や市町村が復旧事業を実施します。このため県では、市町村担当者会議等において、事業内容や採択要件などを説明し、事業が十分に活用されるよう制度の周知に努めております。

 実際に災害が発生した場合には、市町村とともに現地調査を行い、活用する事業などについて協議を進め、早期復旧に取り組んでおります。

 人口がけの対策についてでございますが、県や市町村が実施する災害復旧事業の対象となるのは、「急増傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」により、がけ崩れ箇所が「自然がけ」に限られております。

 この考え方は、宅地造成などにより形成された、いわゆる「人工がけ」については、宅地を造成等を行ったわけですから、その行為者の責任において対策することと、そういう考えに立ってのものと思います。

 残余については、県土整備部長に答弁させていただきます。

 

山本 巧 県土整備部長

 

二級河川の河川整備計画の策定状況についてお答えさせていただきます。現在、県管理二級河川52水系のうち、14水系で策定済みであり、3水系において策定中でございます。

 

山口律子 議員

 

 河川整備の予算拡充の必要性についての質問に、知事は全くお答えになりませんでした。近年の異常気象のもと、毎年のように豪雨災害や台風被害などで、人命を含む甚大な被害が発生しています。不要不急の大型開発優先の予算を見直し、河川に限らず、防災減災対策の予算を抜本的に拡充するよう求めます。

 災害復旧には、農地や住宅など、一部私有財産への支援も既にあります。人工がけについても、危険性の高い箇所については事業対象にするなど、重ねて強く要望しまして質問を終わります。      

 

 

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