● 19年02月15日 県議会報告

2019年2月15日 2月定例会・山口律子議員 一般質問 答弁「下関北九州道路について」(大要)



2019年2月15日   2月定例会・山口律子議員一般質問 答弁(大要)

 

 

<下関北九州道路について>

 

山口律子 議員

 

 日本共産党の山口律子です。下関北九州道路について質問します。

 下関北九州道路は、2017年度に国の道路調査補助を受け、2県2市、経済界、国の地方整備局を構成員として「下関北九州道路調査検討会」が設立され、翌年「調査検討とりまとめ」を行うなど、建設に向けての本格的な検討を強めています。

 知事は本議会においても、度々下関北九州道路の必要性を説いてこられ、早期の実現を目指して活発に行動されてきたことは承知しております。しかし、先日行われました北九州市長選挙では「下関北九州道路の建設推進の是非」が争点として浮上し、マスコミも大きく取り上げ県民の関心事となっております。

 そこで改めて本道路について知事にお伺いします。

 

 本県の通行需要予測では、2014年時点で1日7万台から2030年に約6万6千台と4千台も減ると見込んでおり、国立社会保障人口問題研究所の予測では、下関・北九州両市の人口は2015年からの20年間で約20万人も減る見通しです。本当に海峡横断道路をもう一つ造る必要があるでしょうか。極めて疑問です。

 知事は、現在ある関門橋、関門トンネルが「老朽化に伴い定期的な点検・補修工事が欠かせない」とし、「補修工事や台風・大雪などの悪天候、交通事故により通行止めが頻繁に発生しており、ネットワークとして脆弱であるため」と、その必要性を述べられました。

 ネクスコ西日本によれば、2016年時点で過去5年間の通行止めの大半は工事によるものであり、工事を除くと通行止めは405時間、1日わずか12分弱で落下物によるものが大半です。台風や大雪などの影響については、仮に下関北九州道路ができても、その影響を受けるのは同じであり、まったく必要性の根拠になっていません。

 ネクスコ西日本は「トンネルも橋も定期的に点検・補修をおこなっていて健全で安全に使える」と答えており、2013年から大規模改修を行った関門橋にいたっては「あと100年の使用も夢ではない」と胸を張っています。

 知事は、大規模災害時の代替道路としての必要性についても言及されました。しかし、予定されているルートのすぐそばを小倉東断層が走っており、代替どころか最も危険な道路となる恐れがあります。あまりにも無謀な計画ではありませんか。

 費用対効果や安全性を鑑み、下関北九州道路は必要だと知事は本心からお考えですか。お答えください。

 

 

小川洋 知事

 

 下関北九州道路の必要性について

 

 お答えを申し上げます。下関北九州道路の必要性でございます。

 北部九州と山口県には、フランス、イギリスに匹敵する自動車産業が集積をいたしております。また、関門地域は、わずか2kmの海峡を挟んで市街地が集積いたしておりまして、両都市間の通勤、通学の往来というのは、一日約1万人でございます。海峡を超えた生活圏というのが形成されているところであります。

 これらのように、両地域は密接に今つながっております。こうした交流・連携を支え、また本州と九州を結んでおります関門トンネル、関門橋の大動脈としての役割は、今後とも、いささかも変わりはないとこのように考えております。

 一方で、関門トンネルは昭和33年に、関門橋は48年にそれぞれ開通をいたしておりまして、老朽化に伴う補修工事、台風、大雪などの悪天候、また交通事故などによりまして通行止めというのが頻繁に発生しております。

 また、両市を結ぶ道路の主要な交差点におきましては交通混雑が発生するなど、道路としての課題も有しているところであります。

 昨年7月の豪雨の際には、関門トンネル、関門橋へとつながる九州自動車道と北九州都市高速道路がそれぞれ土砂崩れにより通行止めとなりまして、並行する国道3号線や県道門司行橋線などへの迂回というものが必要になりました。

 このため、周辺道路は大変な渋滞が発生をいたしまして、学校が3日半休校になったほか、自動車工場では数日にわたり生産に影響が出るなど、市民生活や経済活動に大きな影響がおよんだわけでございます。

 改めて、代替機能の確保、いわゆるリダンダンシーの重要性というものを認識したところでございます。

 以上のことから、既存道路ネットワークの課題の解消や関門トンネル・関門橋の今申し上げた代替機能の確保、さらには、循環型ネットワーク形成による関門地域の一体的発展のために、この3本目のルートといたしまして、下関北九州道路は必要不可欠なものであるとこのように考えております。

 

 

山口律子 議員

 

 建設促進協議会が2013年7月に発行した資料によると、ルートは下関市彦島迫町から小倉北区西港付近で、陸上部4km、海上部2㎞、下関側は下関西道路を建設し中国道に、北九州側は都市高速に繋ぐとされています。総事業費は2000億円から2700億円となっており、かつて国交省が10年、調査費70億円を費やして行った「海峡横断プロジェクト」の調査結果そのものです。まさにムダな公共事業と批判され、凍結された計画の復活です。

 国交省の調査では、橋梁の事業費は1,578億円、現在の税率込みで1,682億円。通行料金を280円にした場合、通行台数1日22,200台、年間の通行料金収入は約23億円の想定です。30年間の返済金は利息なしでも年間56億円、毎年33億円の赤字が生じ採算性は全くありません。その負担は誰が担うことになるのでしょうか。

 本四架橋の例を見ますと、建設費は当初予算の7,478億円が3.8倍の2兆8,662億円に膨らみ、通行量も予測を大きく下回りました。そのため、国と自治体が2対1の割合の出資金で赤字の埋め合わせをする事態になり、関係8府県2政令市が2013年4月末までに5,622億円を負担しました。国も入れた総額で1兆7千億円に達しています。2014年度からは全国の高速料金収入を本四架橋の借金返済に充てることになりましたが、この先40年間も高速道路利用者が負担を続け、国と自治体が出した拠出金の返還の目途はまったく立ちません。結局、国民や県民が負担することになったわけです。

 知事は下関北九州道路の採算性についてどのようにお考えですか。財政難や人口減少を考えると費用対効果を無視した安易な構想は中止すべきだと思いますが、ご所見を伺います。

 

 

小川洋 知事

 

下関北九州道路の採算性について

 

 この採算性でございますけれども公共事業につきましては、おっしゃる通り客観性、透明性の確保が大切でございまして、費用対効果を含めた総合的な観点から評価をしていくことが重要であると考えております。

 下関北九州道路につきましては、昨年度から国の技術面、そして予算面でのご支援を受けまして、地域、われわれ地域が主体となった「下関北九州道路調査検討会」を立ち上げ、住民、企業や有識者、みなさんからご意見も聞きながら、ルートについて推奨案の検討、構造について橋やトンネルの特徴と整理とその評価、そして整備手法につきましては可能性のあるPFI的な整備手法の整理それらについて基礎的な調査を行ってきているところであります。

 今後、この道路の総事業費や費用対効果を算定していくにあたりましては、高度な技術力、また多岐にわたる知見が必要となります。このため国が主体となりルートや構造などにつきまして、より具体的な調査を行うことが不可欠であるというふうに考えております。

 このため、2県2市の首長さん、それから議会、地元経済界のみなさまと一体となりまして、国に対し、この必要な調査、国による調査。これを実施し、総合的な評価をしていただくよう、働きかけを続けているところであります。

 

 

山口律子 議員

 

 安倍政権は「アベノミクス」の三本の矢の一つとして、新規の大型開発事業に多額の予算を投入し、国際競争力の強化を前面に押し出した成長戦略を進め、「国土形成計画」「国土強靭化」「国家戦略特区」などの政策により、巨額のインフラ整備を加速させています。そのなかで復活してきたものの一つが下関北九州道路です。

 こうした公共事業政策は、バブル崩壊後の90年代のやり方と同じですが、結局、膨大な借金を抱えただけで、日本経済の再生につながりませんでした。国と地方の借金は、今や1000兆円を超え本県も県債残高が毎年更新しています。

 一方で長引く消費不況のなか、国民には安倍政権の7年間で2兆円の年金給付削減をはじめ、医療や介護、生活保護費の抑制など4.3兆円もの負担増が押し付けられ、さらに消費税の10%への増税が計画されています。

 本県は2016年度末で、高齢者の4割が住民税非課税世帯で

、本人が住民税非課税者を入れると65%にもなります。生活保護受給者は2017年11月現在、全国5番目の保護率で、生活保護基準以下の貧困層は64万人と推計されます。また、非正規率全国4位の本県では、民間労働者は3人に1人が年収200万円以下のワーキングプア、完全失業率は全国トップクラスです。本県の県民は、全国的にもとりわけ厳しい生活実態にあると言わざるを得ません。

 地方公共団体の役割は、住民の福祉の増進、安全安心を図る事にあります。国といっしょに大型開発を進めるのではなく、県民のくらしを支える施策こそ充実させるべきではありませんか。

 昨年、一昨年と本県は大規模な災害に見舞われました。毎年のように起こる災害に、土砂災害危険個所や河川の整備、老朽化した道路や橋、水道管などのインフラの整備を急ぐ必要がありますが、まったく予算が足りず遅れています。公共事業は緊急性に疑問符が付く大型事業から、防災・老朽化対策優先に切り替えるべきではありませんか。

 我が会派は過大な需要予測に基づく水源開発により、今後水道料金の高騰が県民に押し付けられるダムの建設など不要不急の大型開発事業を見直し、県民のくらしや福祉、教育、防災のための予算を抜本的に拡充するべきだと質してきましたが、そのお考えはありませんか。3期目をめざすにあたって知事にその所信を重ねてお尋ねし、質問を終わります。

 

 

小川洋 知事

 

福祉、防災など県民のくらしを支える予算への重点配分について

 

 次に福祉、防災など県民のくらしを支える予算への重点配分についてお尋ねがございました。

本県におきましては、これまで政策課題の一つに「安全・安心、災害に強い福岡県づくり」を掲げまして、道路の法面対策、橋梁の耐震対策、河川改修、砂防ダムの設置など防災減災対策に積極的に取り組んできたところであります。

 また、道路、河川などの公共土木施設の定期的な点検、補修によります計画的な老朽化対策にも取り組んできているところであります。

 さらに、昨年、五ヶ山ダム、伊良原ダムが完成したわけでございますけれども、こうしたダムにつきましても、昨年、一昨年の洪水被害、その際の下流域の洪水被害の軽減。また今回の福岡市への五ヶ山ダムからの水道用水の供給など、大きな効果を上げているところであります。

 一方で、生活者の視点を重視しながら、課題や問題を抱えておられます県民の方々に寄り添う、温かみのある行政、これについても一層力を入れてきておりまして、子育て支援、子どもの貧困対策、障がい者福祉など、それぞれの施策の充実・強化を図ってきているところであります。

 今後ともこうした考え方の元に、予算編成というものを行っていきたいと考えております。

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