● 19年07月01日 県議会報告

2019年7月1日 2019年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「国民健康保険問題について」(大要)



2019年7月1日   6月定例会(予算特別委員会)高瀬菜穂子委員質疑(大要)

 

 

<国保問題について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。本日は国保問題について伺います。2018年度から国保の保険者は県と市町村が共同で行うことになり、県が大きな権限を持つことになりました。国保の都道府県単位化にあたって全国知事会は現状のままの移行では、被保険者の所得が低く、高齢者が多いため医療費が増加するなどの構造的問題はなんら解消しないとして、少なくとも協会けんぽ並みの保険料にするためには1兆円の公費投入が必要と国と協議をしてきました。

 国は、2015年度(平成27年度)から全国ベースで1700億円、福岡県で約60億円保険者支援制度として拡大し、県単位化が始まった昨年2018年度からは新たに全国ベースで1700億円、福岡県で約90億円が交付されました。その影響についてまず伺います。県内市町村国民健康保険料(税)率の推移などの国保関連資料お願いしておりますので、委員長、お取り計らいください。

 

資料要求

  • 県内市町村国民健康保険料(税)率の推移
  • 県内市町村の法定外繰り入れ額の推移
  • 市町村別資格証明書発行の推移

 

 それでは、県単位化にあたって公費が投入されましたが、本県の被保険者の保険料(税)の改定については、どうなったか、ご説明ください。

 

 

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 資料の1枚目でご説明を申し上げます。一番右の平成30年度の欄をご覧ください。保険料(税)率の賦課に当たっては、所得割・資産割・均等割・平等割の4つの区分がございます。

 この中で、薄い網掛けの部分は前年度から引上げが行われており、濃い網掛けの部分は前年度から引下げが行われております。なお網掛けがない部分は、据置きもしくは賦課されておりません。

 平成30年度に保険料(税)率の改定を行ったのは26の市町、改定を行わなかったのは34の市町村となっております。

 改定を行いました26の市町のうち、引き上げを行ったのは6市町、引下げを行ったのも6市町、その他14の市町においては、引上げまたは引下げが混在をしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 上がったか、下がったかの判断というのはなかなか難しいんですけれども、私どもの調査では明確に保険料が下がったのは、1人8,000円の北九州市、それから飯塚市が1世帯2万円平均で下がっています。あとはこれまでと同様か、引き上げたところもあるわけです。新たに投入された3,400億円というのは、負担軽減につながったとはいえないと思います。

 一方で、2枚目の資料ですけれども「県内市町村の法定外繰り入れの推移」です。これを見ますと、各市町村が保険料引き下げのためにこれまで行ってきた「法定外繰り入れ総額」は、2015年度(平成27年度)155億円でしたけれども、2017年度(平成29年度)には105億円と、3年間で50億円も減っています。つまり、保険者支援制度の拡充等により新たに投入された公費は保険料(税)の引き下げには使われず、大半は法定外繰り入れの解消等に使用されたということではないでしょうか。

 「6年間で法定外繰り入れ等の解消」という旨の国の通知が大きく影響しているというふうに考えます。この方針の見直しなしには保険料の負担軽減にはつながらないということを指摘しておきたいと思います。

 さて、都道府県単位化にあたって国は、激変緩和措置として、一定の財政措置を行いました。本県の場合、市町村と協議をして、3年間は納付金について制度改革前の負担水準を超えない激変緩和措置をするということでスタートしています。ところが、2年目の今年(2019年度)、早くも財源不足が生じたということです。これはどういうことなのか、ご説明願います。また今後、どう取り組むつもりかも合わせてお答えください。

 

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 市町村が県に納めます納付金につきましては、必要な保険給付費に対しまして前期高齢者交付金や普通調整交付金など国等からの公費が財源としてどれぐらい交付されるかによって決まってまいります。

 今年度につきましては、これまで増加傾向にございました前期高齢者交付金が、国からの提示では、突然大幅に減少し、拡充された普通調整交付金も減額されるなど想定外の状況になったところでございます。

 このため、国に対しまして、必要な財政措置を継続するよう他県とも連携をいたしまして要請しているところでございます。

 また、市町村とは、来年度の納付金のあり方について、今年度の算定状況を踏まえ、協議をしているところでございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 2年次は何とかやりくりをしたけれども、3年次については、現在市町村と協議中とのことです。私が危惧いたしますのは、県が市町村の納付金を見直せば、各市町村は今でも高い保険料(税)をいっせいにあげるのではないかということなんです。来年度も現行保険料(税)を維持できるよう、最大限努力していただきたいと思います。3,400億円もの公費投入がされました。しかし県・市町村ともに苦労しています。国保が抱えている構造的問題の解決のためには3,400億円程度の公費投入では法定外繰り入れの解消には役立っても負担に耐えがたい保険料(税)の引き下げにはあまり効果がないということです。わが党は、全国知事会と同様に、1兆円の公費を投入して少なくとも協会けんぽ並みの保険料(税)にすることを提案しております。国に対し、さらなる公費投入を行うよう強く求めるべきだと考えますが、県の見解を伺います。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 先ほど委員も述べられましたように、国保においては、高齢者の割合が高く、医療費水準が高くなる一方で、低所得者や無職者の割合が高いことから、保険料収入が得にくいといった構造となっております。

 平成27年度以降、公費拡充が行われているものの、今後の国保財政は厳しいものがあるというふうに認識をしております。

 このため、国保の運営にあたりまして、将来的な医療費の増嵩に耐え得る財政基盤の確立が図られるよう、国の定率負担の引き上げなど様々な財政支援につきまして、全国知事会及び本県としても国に対して要望しているところでございます。

 今後も、全国知事会等あらゆる機会を通じて、国に働きかけてまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 強力に声を上げていただくよう要望いたします。国保は他の医療保険(組合けんぽ、協会けんぽ、共済組合)と異なっておりまして、応能割と応益割からなっています。所得割、資産割と平等割、均等割です。とりわけ均等割は人頭税のように赤ちゃんにも課税される世界でも例のない保険制度で、もちろん他の被用者保険には、この均等割というのはありません。子育て支援にもあきらかに逆行すると考えます。わが党は1兆円の公費投入で平等割、均等割をなくし、協会けんぽ並みにすることを提案しているところです。自治体によっては、子どもの均等割を減免する制度をつくっているところもあります。県として、子どもの均等割について、軽減制度をつくっていただきたいと考えますが、見解を伺います。   

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 国民健康保険料の軽減は、法律、法令に基づいて実施することとされております。

 子どもに係る均等割り保険料の軽減措置の導入につきましては、医療保険制度間の公平性の観点からも必要であると考えており、全国知事会及び本県としても、制度導入について、国に対して要望しているところでございます。

 今後も、全国知事会等あらゆる機会を通じまして、国に働きかけてまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 これについても、国に要望しているとのことです。国が行うまでは、県において軽減措置を是非とも検討していただきたいと思います。

 次に資格証明書の発行について伺います。資料の3枚目が「資格証明書の発行の推移」となっております。1年以上の滞納者に課せられている資格証明書の発行は、この表にありますように少しずつ減ってはいますけれども、昨年度も17,000世帯に上っております。この世帯の方々は、医療機関の窓口で全額支払わないと医療が受けられないという深刻な実態に置かれております。

 以前、私は資格証問題を取り上げまして、被保険者の家族が病気となり、払いたくても保険料が払えない場合は「特別な事情」とみなし、資格証を短期保険証に切り替えるよう市町村を指導するように求めてまいりました。その際「指導する」という答弁があったわけですが、この方針は今も堅持されているでしょうか。市町村の現場では、滞納額の一部を納入しなければ短期証に切り替えないというそういう保険者があります。これでは、お金がなければ医療を受けられないということになってしまいます。「特別の事情」のある世帯に対しては、速やかに「短期証」に切り替えるよう県として助言指導を強めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 資格証明書の交付でございます。資格証明書の交付は、滞納者からの納付相談の機会の確保や被保険者間の保険料負担の公平を図るため設けられている制度でございますが、世帯主の疾病や失業等、特別の事情があると認められる場合には、交付しないこととされております。交付後も、被保険者が医療を受ける必要が生じ、医療費の一時払いが困難である旨の申し出を行った場合には、短期被保険者証を交付することができることとされております。

 このような制度の趣旨を踏まえ、被保険者の個別の状況に応じたきめ細かな対応を行うよう、市町村に対し助言をしております。

 また、医療費の一時払いが困難であるとの申し出による短期被保険者証の発行は、滞納している保険料の一部を納付すること等の条件を付けることなく、被保険者の経済状況等から判断されるべきであると考えております。

 このため市町村に対しましては、条件を付けることなく、被保険者の個別の状況に応じたきめ細かな対応を行うよう、引き続き助言をしてまいります。

 

 補足

 国民健康保険法施行規則 第6条第1項

 市町村は、当該市町村の区域内に住所を有する世帯主に対し、その世帯に属する被保険者に係る被保険者証を交付しなければならない。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 今、お答えがありましたように、条件をせずにですね、緊急の場合に医療機関にかかれるように助言指導をしていただきたいと思います。

 命に関わることですので、ぜひお願いいたします。

 全国民医連が毎年「手遅れによる死亡事例」を調査しておりまして、マスコミ等でも注目をされております。2018年度は、本県が10件と最多であります。全国最多なんですね。今回の調査では県内でも「無保険・資格証明書」だった方が77%と最も多くなっております。「胃がん末期で救急搬送された」「1年前から頸部に腫瘍、こぶがあるのを知っていたけれども放置したままで、ぎりぎりになって受診をして2週間で死亡された」と、こうしたぎりぎりまで我慢して手遅れになってしまっているわけですよね。ほんとに胸が痛みます。民医連の調査は、氷山の一角でありまして、本県の実態は極めて深刻だというふうに推察されます。「特別の事情」の取り扱いの徹底をですね、お願いしたいと思います。

 

 次に、国保法44条による一部負担金減免制度の実績について伺います。本県内の適用は何件でしょうか。直近のデータでお答えください。また、一昨年の九州北部豪雨災害、昨年の西日本豪雨災害における44条適用数はどうなっているでしょうか。お答えください。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 本県におきます国民健康保険法第44条による一部負担金減免の適用件数でございます。平成29年度で88件となっており、そのうち九州北部豪雨災害にかかる減免は申請自体があっておりません。

 平成30年度につきましては、今後調査する予定となっておりますけれども、西日本豪雨災害につきましては、平成30年8月末時点で調査を行い、適用件数は39件となっています。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 今、88件というお答えでした。以前私、取り上げました無料低額診療は年間延べ40数万人の方が利用されています。それと比べますと本当に比較にならないんですよね。一部負担金、窓口負担が出来ない、払えないという方がですね、この制度ではなかなか救われておりません。また、災害の際にも昨年の西日本豪雨災害は特定非常災害と認定をされまして国費が投入をされました。で今お答えがあったように39件の適用があったとのことですけれども、一昨年の九州北部豪雨災害は適用者はゼロなんですよね。私は、これほんとに制度の不備を感じております。多くの自治体でこの44条の適用がなかなかされないというその理由は、国が作っている減免要綱と同様のものを採用しているからなんですよね。その減免の要件として「収入が著しく低下したとき」という規定があるからなんです。そのために、激変したときには適用されるんだけれども、ずっと低い水準で頑張って生活されている方には、適用されないという問題があってこれが解決されておりません。国保法44条を実効性あるものとするために、国に減免基準の拡大を要望していただきたいと思っております。2017年3月の予算特別委員会でも私、同様の要望をいたしました。その際、県として「今後の市町村の取り組み状況を踏まえながら、必要に応じて国と意見交換を行ってまいりたいと考えております。」と答えられましたけれども、その後の取り組みはどうなっているでしょうか。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長

 

 県内の市町村では、前年度からの収入が減少していなくても、生活保護世帯並みに収入が低い被保険者を対象とするなど、国の基準を超えた減免を行っているところもございます。

 国の基準を超えた減免の部分は、市町村の負担となり、国保財政に影響を及ぼすことになります。一部負担金の減免要件の設定に当たりましては、このような観点も含め、地域の実情を総合的に勘案しながら、市町村が決定をしていくものであると考えております。

 県といたしましては、機会をとらえ国と意見交換を行っているところであり、今後も、市町村の取組み状況を踏まえながら、必要に応じて、意見交換を行ってまいりたいと考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 国の制度自体をですね改善していただきたいというふうに思っております。一部負担金が払えないから、窓口負担できないからといって病院に行かずに、重症化したり、手遅れになったりというようなことが起こっております。実効性ある制度として機能するように、国に対して強く求めていただきたい。医療機関の窓口負担の未集金も今窓口負担が出来ないということで、それでも運び込まれた場合にお金が払えなくて医療機関の方に滞納ができると。こういうことも大きな問題になっております。厚労省はその解決のために、防止策をまとめておりまして、その報告書によりますと、「無料低額診療が未集金発生防止に効果がある」というふうにいっているほか、生活困窮者に対する取り組みとして、「国保法44条による一部負担金減免の改善、医療機関・国保・生活保護の連携強化、国保の資格証明書の交付における特別の事情の把握の徹底」こういうものを厚労省として指摘をして上げているんですよね。今回、私が取り上げました、そして強く要望しました中身は厚労省自身が、生活困窮者対策として有効というふうに言っているものだと思います。ぜひ、取組みを強化していただくように強く要望いたしまして質問を終わります。

 

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