● 19年10月07日 県議会報告

2019年10月7日 2019年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁 「伊良原ダムの治水と利水について」



<2019年決算特別委員会>

      2019年10月7日

 

伊良原ダムの治水と利水について(大要)

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です。伊良原ダムについて伺います。まず、ダムの各種容量と祓川の計画流量配分図の資料をお願いしておりますので、委員長お取り計らいをよろしくお願いいたします。 

資料ダウンロード

 

 それでは、資料に従い、伊良原ダムの各種容量についてご説明ください。また、堆砂容量については何年間を想定しているのか、お示しください。

 

田尻英樹 河川管理課長

 

 配布いたしました委員会資料、伊良原ダムの各種容量と祓川の計画流量配分図についてお願いいたします。まず基礎地盤から最低水位まで、各ダム貯水地に堆積する土砂のための堆砂容量であり、これは120万㎥となっております。最低水位から常時満水位までは利水容量であり、不特定容量が1,100万㎥、上水道が750万㎥、合わせて1,850万㎥となっております。最後に洪水時に一時的に貯留できる最高の水位、サーチャ-ジ水位までの洪水調節容量は900万㎥となっています。

 なお堆砂容量につきましては100年間に堆砂すると想定される容量となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ご説明いただきました。ここで、堆砂容量について少しおしえていただきたいのですが、寺内ダムの堆砂容量が想定を超えたとお聞きしました。これについてご説明いただけますか。

 

江﨑雅彦 水資源対策課長

 

 寺内ダムは朝倉市を流れる佐田川に建設され、独立行政法人水資源機構が管理しております。総貯水量が1,800万㎥、うち堆砂容量が200万㎥確保されており、これは伊良原ダムと同じ100年間で想定されているものでございます。

 しかしながら平成29年7月の九州北部豪雨の際に、想定を超える多量の土砂が流入し、管理開始以降の累計堆砂量が約179万㎥に達し、さらに平成30年7月豪雨によって管理開始40年で累計堆砂量は約206万㎥に達しました。このため水資源機構ではダムの洪水調節容量となる平常時最高貯水位より上の部分に堆積しました土砂につきましては平成29年度および30年度に災害復旧事業を活用して撤去作業を行い、洪水調整容量700万㎥を確保しております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 寺内ダムは昭和53年(1978年)に完成したダムですから、今年で41年目ですよね。100年間に200万㎥と想定していた堆砂容量は、40年で超えてしまったということです。豪雨災害が続く昨今にあっては、大量の土砂がダムに流れ込むことは想定されますので、この点も考慮して、治水容量の確保をしなければならないと思います。

 

 さて、治水についてです。伊良原ダムの治水容量は900万トンと非常に大きく、100年に一度の洪水に備えるとしている県内最大の五ケ山ダムの800万トンを越える容量です。しかし、伊良原ダムは、100年に1回ではなく、50年に1回の洪水に耐える想定だと伺っています。確認します。

 

田尻英樹 河川管理課長

 

 伊良原ダムは祓川水系河川整備基本方針に基づき、50年に1回の確率で起こりうる降雨による洪水を調節する計画となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 50年に1回ということです。このダムは集水面積も広く、50年に1回の想定であっても900万トンという大変な治水容量が必要ということだと思います。

 100年に1回の洪水に備えるのであれば、治水容量はもっと増えることになると思います。50年に1回の洪水の際、伊良原ダムからは、先ほどの計画流用配分図によりますと、120㎥の放流が想定されています。祓川は毎秒120㎥の放流に耐えられますか。祓川の河川整備は何年に1回の洪水に備える想定ですすめていますか。また、その進捗状況についてご説明ください。

 

富田信雄 河川整備課長

 

 祓川の河川整備につきましては、配布資料の2. 祓川の計画流量配分図にあります50年に1回の洪水を想定した計画高水流量を目標とし、段階的に進めているところでございます。ダムと河川改修の効果もあり、平成30年7月豪雨においても、河川からの溢水、越水は確認されておりません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ダムに合わせ50年に1回の目標で段階的に進めているとのことですが、「祓川水系河川整備計画」を見ますと、当面、今行われているのは、10年に1回の洪水に備えて工事をすすめているということですよね。10年に1回の洪水に備えるために今5か所の河川整備が予定されているが、そのうち1か所が終わったところというふうにお聞きしています。つまり、50年に1回の洪水に耐える河川ではないということだと思います。

 

 しかし、50年に1回の洪水、豪雨というのは、最近では珍しくなくなりました。伊良原ダムの利水は1日37,000トンと少なく、そのためほぼ満水の状態が保たれると思われます。しかも、このダムは、五ヶ山ダムと同じ穴あきダムで、事前の水量調節が大変難しいダムです。一方で、河川整備は、10年に1回の整備途中ですので、大雨で120㎥の放流が行われれば、川はあふれるわけですよ。私はダムの治水容量を増やすことを考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。このダムは、不特定用水の容量が1100万㎥と大変多いです。関係団体との協議で、出水期には水位を下げてはいかがでしょうか。また事前放流についても合わせて見解をお聞きします。

 

田尻英樹 河川管理課長

 

 不特定容量は、流水の正常な機能維持のための容量であり、これらにはダム下流にすでに存在している農業用水や工業用水などの既得水流、それから漁業、景観、海水遡上による塩害防止、稼動周辺の地下水位の維持、河川水位の維持といったものがあり、河川を維持するのに必要最低限の容量となっております。

 不特定容量を減らして洪水調節容量を増やした場合、維持流量が損なわれ、河川環境や県民生活などに影響を及ぼしますので、不特定容量と洪水調節容量を置き換えることは非常に厳しいと考えております。

 また事前放流の実施についてですが、ダムで事前の放流をするための降雨の予測というものはダム流域という非常に狭い範囲が対象となりますことから、いずれとしてその精度は低いという課題がございます。今年度の渇水状況や過去の渇水状況をふまえますと不特定容量が回復することが確実に見込めないことから、不特定容量と洪水調節容量を置き換えることは非常に難しいと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 はい、ただ今のご答弁ですけども、本当にそうなのかと大変疑問なんですね。

 まず、治水容量ですけれども、これは命を守るための容量だということを改めて強調したうえで議論したいと思いますが、河川を維持する不特定容量1100万㎥が「最低限に必要な量」だといわれました。本当にこれ最低限でしょうか。伊良原ダムの隣の油木ダム、このダムは総延長38.7キロ、流域面積125平方キロの今川水系にありますが、このダムの灌漑用水、つまり不特定用水は370万㎥なんですね。約3分の1です。今川に比べ祓川は総延長31.5キロと短く、流域面積は66.4平方キロですから、今川の半分の小さな川です。油木ダムの3倍近くもの不特定用水が最低限必要というふうには、とても思えないんですよね。それに、油木ダムでは、当初から必要な場合に事前放流をすることになっています。降雨の予測精度が低いから事前放流ができないというのは、説明がつかないじゃないでしょうか。

 もう一点、申し上げますと、油木ダムの利水は日量15万4,600㎥もあります。毎日毎日どんどん水を流すわけです。このことは治水ポケットをつくることに寄与しているとみることができると思います。ところが伊良原ダムの利水は、わずかに日量3万7千㎥です。不特定用水を流したとしても治水ポケットを大きくすることにはならないんじゃないかと思います。こうしたことを総合的に考えれば、不特定用水分を治水に置き換える用途変更は、豪雨に備える上では有効な方策であると思います。ぜひ、ご検討をいただきたいと思います。

 

 次にまいります。利水について伺います。わが会派は、かねてから、水の需要予測が過大であることを指摘してきたわけですけれども、伊良原ダムの供用開始で、構成自治体の責任水量、京築地区の水道企業団ですけれども責任水量は日量9,500㎥から、倍の19,000㎥になりました。これによって、自治体から企業団に払う受水費は、どのようになりましたか。お答えください。

 

松木孝史 水資源対策課水道整備室長

 

 構成団体から京築地区水道企業団に支払う受水費税抜き価格で計算しますと、責任水量が日量9,500㎥の場合は、単価178円で、年額6億1千7百万円余となります。日量19,000㎥に増えた後、単価は120円に引き下げられまして、年額で8億3千2百万円余となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 お答えいただきました。この地域の水道料金は今でも非常に高いんですよね。負担に苦しんでいる市民が多くおられます。その上ですね、今のお答えのように単価は下がったんだけれども責任水量が倍になったことからですね2億円を超える負担が各構成団体に加わることになります。しかし、一方でダムを計画したころと比べ、人口は減っておりますし、節水機器も発展するという中で、当初計画ほど水は必要でなくなるということが起こると思います。

 

 国が示した「水道ビジョン」でも、2060年には水需要動向は4割も減少すると予測をしています。実態に合わせて、水の需要予測を見直すよう書かれています。その観点から、利水の需要予測を見直すことも考えるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。

 

松木孝史 水資源対策課水道整備室長

 

 水需要予測につきましては、給水人口や産業の動向を踏まえまして、必要に応じて見直されるものと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 2018年の予算特別委員会で、私は、過大な需要予測に基づいて、配分水量が過大になっている場合、見直しを行うべきではないかと質問しました。改めてお聞きしますが、給水実績と配分水量に大きな乖離が生じた際には、配分水量の見直しを行うべきではないかと考えます。県の役割も含めて、改めて見解をお聞きします。

 

松木孝史 水資源対策課水道整備室長

 

 水道企業団から構成団体である各水道事業者への配分水量は、各水道事業者の事業計画に基づきまして構成団体の合意を経て企業団の条例で定められております。

 この配分水量につきまして、社会経済動向の変化や市町村の給水量の需要動向により見直しが必要な場合は、まずは、関係市町村で協議が行われまして、水道企業団の構成団体の合意を得て決定されるといくことになります。

 県といたしましては、市町村、あるいは水道企業団から要請があった場合には、広域的な調整を担う立場から、必要に応じまして助言や調整を行っていくというそのような対応になると考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ご答弁ありがとうございました。利水について、社会経済動向の変化や市町村の給水量の需要動向によって、見直しが必要な場合には、県が広域的な立場から助言や調整を行うとの答弁を確認しました。こういうことが今後おこってくるというふうに思います。

 

 私、前回の予算特別委員会でも申し上げましたが、ダムには「効用と限界」があることを住民も含め理解することが重要だと思います。

 祓川のそばに住んでおられる高齢の女性が、「ダムができて、田んぼの水の心配がなくなった。ありがたい。それと、ダムができたから、水害がなくなるので安心だ」といわれました。巨大ダムに常に水があることは、灌漑期や渇水の折には心強いと言えるでしょう。しかし、豪雨の際には、それが一気に流れ出すこともあり、限界を超える前には逃げなければ危険と、こういうことも住民が理解する必要があるというふうに思うわけです。

 祓川の河川整備計画は2004年(平成16年)に策定され、それから15年が経過しています。すでに土砂の堆積がかなりあります。この川は、固定堰が多いことからも、土砂が堆積しやすく、その分河道が狭くなっています。さらに15年前とは、雨の降り方が違います。河川整備は待ったなしの課題です。10年に1回のペースを早くして、早くこれを仕上げて、50年に1回の目標に向けて抜本的強化をはかっていただきたいというふうに思います。

 県はダムの用途変更や事前放流について、前向きな回答を今日なさいませんでしたけれども、国の姿勢はそうではありません。先日、国土交通省にダムの用途変更で要請をした際、国は、「利水者がいるので、当然話し合いは必要だが、できる場合には治水に振り替えていくということも大事な方策だと思う。国としては、できる環境にあれば、ぜひやってほしいという立場。」こういうふうに答えられました。また、事前放流についても、「今いろんなダムで試行的にやり始めているので、今から先、大事なことかなと思う。予測できれば、台風とか予測できることもあるかと思うので、最大限していくべきかと思う」とも言われました。

 命を守るための治水容量を増やすこと、事前放流などの検討については、関係団体、流域住民とも意見交換をし、検討を進めていただくよう強くお願いしたいと思います。これで質問を終わります。ありがとうございました。

 

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