● 19年10月08日 県議会報告

2019年10月8日 2019年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁 「少人数学級と教員確保について」



<2019年決算特別委員会>

      2019年10月8日

 

少人数学級と教員確保について(大要)

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。少人数学級と教員確保について伺います。

 「教育に穴が開く」といわれる教員未配置問題が県内の多くの自治体で大問題になりました。この背景には正規採用ではなく、臨時・非常勤教職員の配置を可能とした「総額裁量制」や「定数くずし」などの国の制度変更がありますが、教育委員会も正規採用を抑制してきたことが深刻な教員不足を招いたと考えます。本県の非正規率が全国ワーストになる中で、この数年県教委も正規採用を大幅に伸ばしていただきました。先ほどの十中委員と一部重なりますが、お尋ねします。今年の小・中・高・特別支援学校の正規率をそれぞれ明らかにしてください。全国ランキングも合わせてお答えください。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 今年度の国の標準法定数に占めます正規教員の割合は、県域の小学校教員で88.8%、同じく中学校87.8%、県立高校は86.2%、県立特別支援学校は75.1%でございます。

 なお、小中学校教員の正規教員の割合は合計で88.4%でございまして、47都道府県中43番目となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 少しずつ正規率が上がっており、特に、極めて低かった特別支援学校の正規率が75%にまで上がったということは前進だというふうに思います。しかし、全体としては90%には届いておらず、全国ランキングもワースト5位と少し上がりましたけども、低迷したままです。正規率はさらに引き上げる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 今後も引き続き、教員の正規率の向上に、努めてまいりたいというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 引き続いて頑張っていただきたいと思います。さて、4年前ですね、大学生にまで臨時免許を交付したほど教員不足が極めて深刻でありました。始業式、入学式に必要な教員が配置できなかった学校が当時98校に上ったと記憶しております。今年度は解消できたでしょうか。今年4月の入学式・始業式に必要な教員が配置できなかった数を明らかにしてください。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 今年度、学校スタート時点で、小学校では13人、中学校では11人、合計24人の常勤の教員を配置できなかったところでございます。

 このうち小学校2人、中学校5人については、常勤講師に替えまして、非常勤講師を任用したところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 依然として、未配置校が存在するということですね。学年当初から教員が配置されていないということは、途中の病気休暇・休職や産休・育休代替の配置も困難な状況が続いているということだと思います。

 

 次に、教員不足が深刻な中で交付される臨時免許の数を明らかにしていただきたいと思います。また、5年間で約2,000人にも上った、早期退職者が4年前には、このペースで早期退職者がおられたんですが、教員不足の一因になったと考えます。昨年度の早期退職者数をお聞きします。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 昨年度の臨時免許状の授与件数でございますが、政令市あるいは私立小学校含め、合計で752件でございました。

 また昨年度私どもに任命権のない政令市を除きまして、小・中・高・特別支援学校の教職員の早期退職者数は、178人でございました。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 早期退職者は減っていますけれども、臨時免許の交付数は、政令市を含めてということでしたら、逆に大幅に増えているというふうに思います。これはどういう理由によるものでしょうか。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 臨時免許状の授与件数が増えている理由でございますけども、近年、採用者数を大幅に増やしてきております。その結果といたしまして、普通免許状を有してる方を正規教員として採用している、その一方で特別支援学級の増加などによりまして、特に小学校におきまして、講師の任用数が増えてきているという状況がございまして、普通免許状を有する講師は結果として、不足しているという状況にあるものと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 これまでの県教委の努力によって、正規教員が増え、教員確保にも前進が見られますが、しかしながら、特別支援教育の充実など新たな課題に対応するためには、一層の取り組みが必要だということだと思います。意欲のある青年が教師として現場で働いてほしいと願うものですが、若い人の間で「教職はブラック」など、教員を敬遠する風潮もあります。「教員の働き方改革」が叫ばれていますが、その一方で、英語教育、道徳教育、プログラミング教育など、次々と新たな教育内容が盛り込まれ、学力テストによる競争激化、子どもの貧困対策や児童虐待などの課題も教員に重くのしかかり、多忙化に拍車をかけています。真の働き方改革を進め、本来のやりがいのある職場をつくっていただきたい。そうしなければ教員の確保は難しいと考えます。

 

 そこでまず取り組んでいただきたいのが、少人数学級なんです。さまざまな課題を抱える中で、1クラスの人数は教育の質を左右します。行き届いた教育のためにも、教員の働き方改革としても、少人数学級を推進すべきだと考えます。

 県教委としては、少人数学級の推進に対して、どのような見解をお持ちでしょうか、まず伺います。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 少人数学級あるいは、少人数指導などにつきましては、学級担任等が学習指導あるいは生徒指導において、児童生徒の学習、学校生活等の状況をきめ細かに把握することができるなど、丁寧な指導につながるというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 その認識は一致するようになりました。

 ここで、「県内市町村の35人以下学級実施状況について」の資料を要求しておりますので、委員長、委員会資料としてお取り計らいをお願いします。

 

 

 

 本年5月1日現在の県内35人以下学級の実施状況について、簡潔にご説明ください。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 資料につきましては、各市町村ごとに35人以下学級すべての学校が35人以下学級になっている場合につきまして、学年ごとに丸印をしております。

 小学校全学年で35人以下学級となっておりますのは、小学校の各学年すべて丸で埋まっている市町村でございますけども、20市町村、中学校では同じく16市町村でございまして、小中学校ともに35人以下学級と完全になっておりますのは、11市町村でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 政令市を除く58市町村ですが、かなりばらつきがあります。小中全学年35人以下学級となっている自治体、国の制度と同じ小学校1・2年生のみ35人以下学級となっている自治体が8自治体、後のところはそれぞれの実態にあった形で一部を35人以下にしています。加配定数を活用するだけでなく、独自予算をつけて少人数学級にしようと、行き届いた教育にしようと努力をされています。

 

 現在、少人数学級は全体の何パーセントになっているでしょうか。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 公立小中学校全学級に対します、35人以下学級の割合でございますが、82.3%でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 市町村の努力もあって、8割を超えるところで少人数学級が実現しているということですね。そうなると少人数のクラスと40人のクラスの差が際立ちます。福岡県は、少人数学級に全く独自予算をつけていない全国でたった5府県の中のひとつです。市町村もこれだけ取り組んでいる中で、県が全く予算をつけないというのは、あまりに遅れているのではないでしょうか。全国的には、少人数学級は大変広がっています。全教の調査によりますと、小中学校全学年で少人数学級にしたところが22府県もあります。小学校又は中学校の全学年で少人数学級を実施しているのが2県、小3から中3までのいずれかで少人数学級を実施しているのは18都道府県です。学級編制基準自体を35人以下にしている、福島県・岩手県・栃木県・福井県・長野県・鳥取県。編制基準は40人のままだけれども独自に予算をつけて、全学年30人程度にしている秋田県、33人にしている山形県などその取り組みは多彩であります。

 

 本県も、少人数学級実施のための独自予算をつけるべきではないでしょうか。そのことが頑張っている市町村を励ますことにつながりますし、県内の少人数学級を推進することになります。見解を伺います。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 本県の小・中学校の学級編制につきましては、国の制度を基本としまして、小学校1年生と2年生で少人数学級を実施しているところでございます。

 その他の学年及び中学校につきましては、国の加配定数等を活用しまして少人数学級を実施できるよう制度を弾力的に運用しているところでございます。

 今後も引き続き、国の学級編制基準に基づき、市町村の判断によって、少人数学級を推進できるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 この10数年、1ミリも変わらない答弁で大変がっかりです。本県は、定数ぎりぎりで、しかも今だ正規率は全国43位、少人数学級に全く独自予算のない5府県の中の一つです。教員の採用を図るためにも、少しでも教育環境を良くしていただきたい。先の調査によると、全学年で実施していなくても、例えば、北海道では、中1で学年2学級以上の場合は35人以下にするため道が予算措置しています。青森県では小1から4年と中学1年で、複数学級の場合33人以下にするなど一部分でも予算措置をしています。九州内でも、佐賀県では、小2と中1で35人以下かTTを市町村教委が選べるようにしていましたが、今年度その枠を全学年に広げたと聞いております。大分県は小学校1年・2年と中学1年で30人以下です。私としては、進路指導に多大の事務と相談の時間を要する中学3年生のみでも、30人以下にできないかということを思っておりますし、少規模校が増えてきた中で、1学年1クラスなのに35人以上の場合、担任の負担が大変大きいことから、その場合だけでも2クラスにするなどの改善を検討していただきたいと切に願っております。少人数学級への県の予算措置を強く要望し、次の質問に移ります。

 

 教員確保にかかわって、現場で大変評判の悪い「教員免許更新制」について伺います。まず、どのような制度で、年間どのくらいの教員が受けているか、教員の負担についてお答えください。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 教員免許更新制につきましては、教員が10 年ごとに30時間の講習を受けることで、教員として必要な資質能力の保持、あるいは最新の知識技能を身に付けることを目的とした制度でございます。

 平成30年度に福岡県で更新手続きを行った者は、4,389人となっておりまして、教員の講習受講に係る自己負担額、これにつきましては、実際に講習を受ける大学によって異なりますが、概ね3万円程度、更新手数料は3千3百円というふうになっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 毎年4,000人から5,000人の教師がこの講習を受けているわけですが、現場で働きながら30時間の講習を受けるのは大変です。講習を受けるための予約がまた大変手間のかかる仕事なんですね。夏休みなどを利用して講習を受けますが、その費用は交通費も含めすべて手出しで、講習に約3万円ほどかかる、他の専門職で10年ごとに免許が切れるというものはほかにはありません。

 免許を持ち、教師を現場で続けている人が免許更新のための講座を受けなければならず、一方で免許をもたない人に臨時免許で授業をさせているわけですが、このような矛盾した現実について、県はどのような見解をお持ちでしょうか。

 

松永一雄 教育総務部 教職員課長

 

 教員免許の更新のためには、30時間の講習を受講する必要があるということで、一定の負担はあるものと考えておりますが、教員の資質能力を担保する仕組みとして必要な制度であろうというふうに考えております。

 一方、臨時免許状につきましては、普通免許状を有する者をどうしても任用することができない場合、教員としての適格性あるいは、教科指導力があると認められた人物を任用する際に授与するものでありまして、教員確保という点では必要な措置であろうというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 お答えは完全にすれ違っていますけれども、答えられないということでしょうから、これ以上聞きませんが、現場で免許を有して実践している教師が時間と労力とお金も使って30時間もの講習を一気に受けなければ免許が更新できない、免許がなくなる。一方で、教員不足が深刻で、免許を持っていない人に臨時免許を交付し、今年も752人にも交付している。こんな矛盾したことはありません。研修の時間を確保すること、自主的な研修はもちろん重要です。しかし、「免許更新制」は現場の多忙化に拍車をかけ、「更新の前に辞めよう」などの早期退職を誘発する悪影響さえあります。5,000人もの免許更新は教育委員会の事務量も増やしていると思います。免許更新制の廃止を国に対し強く求めていただきたいと思います。

 最後に副教育長に伺います。本県の教育条件の向上、とりわけ少人数学級の実施について述べてきました。少人数学級は子どもたちに行き届いた豊かな教育を保障する土台であるとともに、教員の働き方改革が叫ばれる中、教員の過度な負担をなくし、やりがいをもたらす条件ともなります。全国で少人数学級が進んでいます。正規採用を増やし、教員確保に努めておられる本県としても、ぜひ少人数学級に踏み出すべきと考えます。副教育長の考えをお聞きします。

 

吉田法稔 副教育長

 

 少人数学級の推進でございます。小中学校における少人数学級の推進などの基礎的な教育環境の整備につきましては、本来的にはですね、このことは、国が責任をもって取り組むべきものであるとそういう考え方でございます。

 このため、本県では、国の制度を活用することを基本としながらも市町村の判断によって、国の加配定数等を活用し、少人数学級を実施できるよう制度を弾力的に運用しているところでございます。

 今後も、こうした弾力的な運用を継続いたしますとともに、少人数学級の推進を含む教職員定数の改善につきまして、国に要望してまいりたいというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 国が責任をもって取り組むべきとの考えはその通りであると思います。安倍政権は、段階的に進めるとしていた少人数学級の定数改善を行わず、毎年、自然減に対してわずかな定数しか増やしていません。全体としてはどんどん教員数が減っています。国に対して強く定数改善をもとめていただくことはもちろんですが、他県で進む少人数学級などの条件整備を本県でも早急に進めていただくよう強くお願いします。

 またこの機会に、今臨時国会に提出されるという「教員の裁量労働制」ついて一言申し上げます。昨年突然出された「1年単位の変形労働時間」は、「1か月を超え1年以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件として、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度」であり、1日の労働時間の限度を10時間、1週間の限度は52時間とする、などというものです。今でも長時間過密労働で過労死まで生んでいる教育現場で、労働時間を延長できる制度は、さらに過酷な労働環境を押し付けるもので、「働き方改革」に全く逆行するものです。教育条件改善のための地方の努力を台無しにするこの制度を導入しないよう国に強く求めていただくことも併せてお願いをし、質問を終わります。

 

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