● 20年03月10日 県議会報告

2020年3月10日 2020年2月定例会 立川由美議員 一般質問「気候変動、地球温暖化対策について」「給食パンについて」 (大要)



<2020年2月定例会>

2020年3月10日

 

<気候変動、地球温暖化対策について>

 

立川由美 議員

 

 日本共産党の立川由美です。気候変動、地球温暖化対策について質問いたします。

 近年の温暖化による自然災害は、一刻も早い対応が迫られる状況です。ところが、昨年12月のCOP25で、梶山経済産業大臣が「石炭開発、化石燃料の発電所というものは選択肢として残したい」と発言し、小泉環境大臣がスピーチで温室効果ガス削減目標の引き上げや石炭火力発電の中止の考えを示さなかったことなど、政府の姿勢が批判され、化石賞を2度も受賞する事態となりました。

 世界ではイギリスやカナダが主導して「脱石炭連名」を発足、欧州諸国など30カ国、ニューヨーク州など22自治体が参加し、石炭火力発電の廃止に向けた宣言を行っていますが、日本は石炭火力発電の増設計画が22基もあります。

 温室効果ガスも、EUでは1990年を基準に、2030年までに40%削減、2050年までに80~95%削減という目標ですが、日本は、2013年度比で2030年度までに26%の削減目標、これは国際基準の1990年比に直すとわずか18%であり、主要国で最低のレベルです。地球環境を壊し、世界の持続可能な発展を破壊する「成長戦略」などあり得ません。こうした政府の姿勢について知事の見解を伺います。

 あわせて、国の設定した目標を国際水準のレベルに見直すよう、国に求めるべきです。知事のご所見を伺います。

 

 

小川洋 知事

 

日本温室効果ガス削減目標について

 

 お答えを申し上げます。まず初めに、日本の温室効果ガス削減目標でございます。パリ協定にパリ協定を批准した国は、5年ごとに、その排出削減の目標を見直し、国連の方に提出するされることとなってございます。今年がその提出の時期となっているわけであります。

 国におきましては、今年の12月にイギリス・グラスゴーで開催されますCOP26いわゆる「気候変動枠組条約締約国会議」これまでに削減目標を提出するために、今後様々な調整を重ねていかれるものとこのように考えております。

 

 

立川由美 議員

 

 「福岡県地球温暖化対策実行計画」では、国と同様に2030年までに26.0%を削減する目標になっています。しかし全国では、「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ」と高い目標を掲げる自治体が、1月末時点で13都府県と41市町村と増加しています。国の低い基準に従うのではなく、本県の目標を独自に国際基準に近づけるべきではありませんか。知事の見解を求めます。

 

 

小川洋 知事

 

県の温室効果ガス排出量の削減目標見直しについて

 

 また、県の温室効果ガス排出量の削減目標の見直しについてお尋ねがございました。本県におきましては、平成29年3月に策定いたしました「地球温暖化対策実行計画」におきまして、2030年度の温室効果ガス排出量の削減目標と併せまして、2050年までに排出量を80%削減するという長期目標を掲げているところであります。

 県といたしましては、「脱炭素社会」の実現に向け、まず、今考えておりますこの現行の実行計画の目標、この実現を着実にすすめていきたいとこのように考えております。

 

 

立川由美 議員

 

 昨年12月に出された環境に関する年次報告書によると、二酸化炭素削減で成果をあげているのは、一般家庭や事業所など民生部門です。温室効果ガスを最も多く排出しているのは、工場や大型事業所など産業部門です。この部門の削減を進めるための取り組みをどのように考えておられますか。お答えください。

 

 

小川洋 知事

 

産業部門の温室効果ガス削減を進めるための取組みについて

 

 次に産業部門の温室効果ガス削減についてお尋ねがございました。

 製造業や建設業など県内の産業部門から排出されております温室効果ガス排出量は、全体で約4割を占めております。1990、一方で1990年以降長期的にそれは減少傾向にあるわけであります。

 一方で、家庭部門、あるいは事務所といった業務部門につきましては、その排出量は増加してきているところであります。

 このため県におきましては、省エネ・節電に取り組む家庭を支援する「エコファミリー応援事業」を実施し、家庭での自主的な取組みを促進しているわけであります。

 お尋ねの産業部門、業務部門この事業所対策でございますが、こうした作業所を対象といたしまして「エコ事業所応援事業」に取り組んでおりまして、県の競争入札参加資格審査における加点でありますとか、模範事業所の表彰等を行いまして、これらを通じて、その部門の事業所の活動を支援しているところであります。

 また、専門家を事業所に派遣をして、省エネ診断を行う省エネ診断を行う省エネ診断事業、あるいは省エネ機器導入のための国の補助金活用を促す業種別の講座のほか、昨年度からは、企業のトップの方を集まってもらって、省エネの重要性、メリット、これをしっかり認識していただくための、「経営者向けの省エネ講座」これを実施しているところであります。

 今後とも、こうした施策を通じまして、産業部門をはじめ、家庭、業務部門における温室効果ガス削減の取組みを促進してまいります。

 

 

立川由美 議員

 

 昨年12月4日、長野県の白馬村では村民とともに積極的に気候変動の危機に向き合い、他の自治体の模範となること、2050年における再生可能エネルギー自給率100%を目指すことなど、5項目からなる「気候非常事態宣言」を行っています。これに続き2月7日には神奈川県と鎌倉市でも同様の宣言を行いました。

 毎年、豪雨災害に見舞われている本県としても、こうした自治体に倣うべきではないでしょうか。知事は全国知事会の「エネルギー政策」特別委員会副委員長でもあります。積極的に気候変動に対する姿勢を示し、全国をリードすべきです。知事は「気候非常事態宣言」を行う考えはありますか。ご所見をお尋ねします。

 

 

小川洋 知事

 

県による気候非常事態宣言の表明について

 

 次に県による気候異常事態宣言ついてでございます。

 県におきましては、温室効果ガス排出量の削減に向けまして、先ほど申し上げました地球温暖化対策実行計画に基づき、省エネルギー対策、あるいは多様なエネルギーの確保の施策を進めているところであります。

また、昨年8月でございますけれども、保健環境研究所に「気候変動適応センター」を設置をいたしまして、気候変動による影響また、適応策に関する情報を、市町村、事業者、県民の皆様にそれぞれ提供しているところであります。

 今後はこうした情報を、災害、健康といった分野毎、分野別に、また県内のいろんな地域、地域別にそれが検索して利用できるよう利活用できるようシステムを整備いたしまして、よりわかりやすい形で情報を提供していきたい、このように考えております。

 お尋ねの気候非常事態宣言につきましては、今これを行っているご紹介もありましたいくつかの自治体が、そういう例がありますけれども、わたくしども県としいたしましては、今申し上げましたセンターの活動を通じて、気候変動問題に対する市町村、事業者、県民の皆様の理解を一層深めて、そのこととあわせて気候変動による被害を防止・軽減するため、今取り組んでおります各種施策、これを着実に進めていきたいとこのように考えております。

 

 

<給食パンについて>

 

立川由美 議員

 

 次に学校給食用のパンについて質問いたします。

 農民運動全国連合会の食品分析センターが、2018~19年にかけて国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行ったところ、そのほとんどから農薬の成分、グリホサートが検出されました。国内産の小麦からは検出されていないことから、輸入小麦に原因があると思われます。

 福岡県内の4自治体の学校給食パンも調査していますが、県産米70%、県産小麦30%を使用した米粉パンからはグリホサートは検出されず、他の輸入小麦を使用したパンからは、0.05ppmから0.08ppmのグリホサートが検出されています。

 グリホサートは、ロンドン大学の研究チームが「超低濃度でも長期間摂取すれば脂肪肝を引き起こす」と発表し、国際産婦人科連合(FIGO)は「ガンや神経発達障害、先天性欠損症との関連が疑われる」「使用を避けるのは社会的責任である」と使用禁止を勧告するなど、人体にとって極めて有害な物質です。

 すでに、アジアではベトナム、スリランカがグリホサートの輸入を禁止し、EUではオーストリアやドイツが全面禁止を決め、フランスは2023年までに段階的な廃止を決めるなど、規制を強める動きが世界的に広がっています。グリホサートを製造している本場のアメリカでさえ、グリホサートを主成分とする除草剤に関する訴訟が2019年7月の1万8千件から4万2千件に急増、昨年、学校の校庭管理で散布作業をして悪性リンパ腫になったとして損害賠償請求が行われ、サンフランシスコ地裁で約3億ドルの賠償金支払い命令が出される衝撃的な判決が出ています。

 一方で我が国は、2017年の日米貿易協定により、小麦のグリホサートの残留基準を 5 ppmから30 ppmへ、6倍に規制を緩和するなど、世界の流れに逆行し、使用量も増加しています。アメリカの圧力により、食料主権も国民の命や健康も脅かす事態になっており、「このままでは世界中で使われなくなったグリホサートが日本に集まってくるのではないか」とさえ危惧する声も上がっています。

 学校給食で使用されるパンは、子どもたちの健康や安全な給食供給にかかわる問題です。山口県、滋賀県、埼玉県、千葉県など、県産小麦100%の給食パンを導入している自治体もあります。滋賀県ではコストが割高になることから、県学校給食協同組合が負担して県産小麦使用の給食用パンに対する助成を行っています。

 そこで、知事にお伺いします。本県でも地産地消推進の立場から、学校給食に使用する県産米に財政支援を行っています。パンについても同様に、県産小麦への助成を行えないでしょうか。

 

 

小川洋 知事

 

学校給食用パンへの支援について

 

 次に学校給食用パンへの支援についてお尋ねがございました。

 県産の小麦を使用したパンといたしまして、県学校給食会とわたくしども県が一緒になって開催した「県産麦50%パン」、それから「冷凍ナン」、それから「米粉パン」という、「県産小麦」を使用したパンとしましては、一緒になって開発した「県産麦50%パン」、それから「冷凍ナン」それから「米粉パン」があるわけでございます。

現在、これらは、県内の学校給食用パン全体の今2割程度でございます。残りの8割は輸入小麦を使用したパンとなっているわけでございます。

 本県は、ご指摘もありましたように全国有数の小麦の生産県でございます。で、そういう意味で県産小麦粉の供給量は十分あると思っております。また、県産の小麦と、県産の小麦を使ったパンと、輸入小麦のパン、それぞれの価格差を調べてみますと、ほとんどありません。

 そういうことから、地産地消をより一層勧める観点からも、教育庁と連携をいたしまして、学校給食関係者が集まる研修会、あるいは給食用物資展示会等を活用いたしまして、この県産小麦を使用したパンの、ついてのPRを行い、その利用を進めていきたいこのように思っております。

 

 

立川由美 議員

 

 あわせて教育長にお尋ねします。安全な県産米を使用した米飯や米粉パンを求める保護者の声も多数聞かれます。これらを積極的に増やしていただけないでしようか。子供たちの命と健康にかかわる問題です。前向きに検討していただくよう求めて、質問を終わります。

 

 

城戸秀明 教育長

 

国産・県産米を使用した米飯、米粉パンの推進について

 

 国産・県産米を使用した米飯、米粉パンの推進についてでございます。

 学校給食の献立は、児童生徒が多様な食に触れる機会としての役割も踏まえまして、実施主体である市町村教育委員会において、栄養教論や保護者等の意見も聞きながら決められております。

 現在、県内小中学校の完全給食実施校では、1週間あたり3~4回、県産米による米飯給食が実施されております。

 また、米粉パンは平成21年度から学校給食に供給されておりまして、現在多くの学校で取り入れられております。

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