● 20年03月17日 県議会報告

2020年3月17日 2020年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「コロナウイルス対策について」「国民健康保険について」(大要)



<2020年予算特別委員会>

2020年3月17日

 

<コロナウイルス対策について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。はじめに、新型コロナウイルス対策について伺います。

 3月10日に行われた参議院予算委員会の公聴会で、政府の感染症対策本部の専門家会議副座長の尾身茂氏は、現在の国内の感染状況について「爆発的な感染拡大に進んでおらず、一定程度持ちこたえている」との認識を示しました。そのうえで、今後の課題として、クラスターの早期発見とその連鎖を早く摘むこと、手一杯になっている保健所の帰国者接触者相談センターの機能の強化、医療提供体制の充実をあげられました。もう一人の公述人、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌宏氏は「どうやってこの病気のエグジットをしていくか。病気の姿を正直に社会と共有すること。」と述べ、病気の全体像を明らかにすることが終息への道であり、そのためには遺伝子検査を十分に行うことの重要性を指摘しました。「無症状の方、軽い方まできっちり診断してかないとこの病気の本当の姿は見えない。」と発言をされています。

 医療体制強化とPCR検査の拡充は病気の全体像をつかみ、収束させるうえで重要な課題だと考えます。本県でも、先日の委員会で、報告された件数、相談件数は17880件、3月5日現在ですね。これに対し、PCR検査は、3月9日現在で451件となっておりまして、大きな乖離があるわけです。国が示した37.5度が4日間。高齢者や疾患がある場合は2日などの「目安」ですね。この「目安」は、結果として必要な検査を絞っているのではないでしょうか。まじめな人は4日間様子を見てからしか、電話をしないでしょうし、そもそも軽症者は問い合わせていないことも考えられます。この「目安」について、検査体制や感染者を受け入れる病床数などのキャパに合わせたものと言われています。これによって、結果的に検査数を絞り、感染者を見逃す危険性についてどう考えられますでしょうか。高齢者などは1日でも発熱があれば、問い合わせ、診察・検査を受けるようにすべきではないかと考えますが、見解を伺います。

 

 

佐野正 がん感染症疾病対策課長

 

 ご指摘されました「目安」につきましては、県民の方が、感染を心配して相談いただく時の目安でありまして、検査の対象とするものではありません。

 相談の目安に該当しない方でありましても、高齢者や基礎疾患のある方につきましては、特に留意しつつ、相談者の状況を踏まえ判断し、「帰国者・接触者外来」につなぐこととしております。

 PRC検査につきましては、「帰国者・接触者外来」におきまして、医師が新型コロナウイルス感染症疑いと診断した場合に相談、保健所に相談することとしておりまして、適切に実施しております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 柔軟に対応している、適切に対応している、それもその通りだというふうに思っております。

 私が問題にしたいのは、その、帰国者・接触者外来に行く前の段階ですね。保健所等での相談の段階で、目安というものがあって、必要な検査につながらない例が発生しているのではないか、ということなんです。一般質問でも紹介しましたように、一般病院から保健所に問い合わせても、「様子を見て」ということが、県内でも起こっております。先に紹介をした上氏は、「必要な検査を行い、陰性・陽性を確認することが安心につながる」とその重要性を指摘されました。また、尾身茂氏は、「目安」について、「PCR検査のキャパシティという現実的な問題も当然考慮しました」と発言されておりまして、やはり「目安」は、キャパとの関係で作られたという風に思うんです。ですから、検査体制を充実させて感染者を受け入れる病床体制も充実させて、「目安」自体もですね、見直していただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 そこで、本県における検査体制について、また、県内66床の感染症病床の拡充について、見解を伺いたいと思います。

 

 

佐野正 がん感染症疾病対策課長

 

 検査体制につきましては、本県では、3月5日に、福岡県保健環境研究所に「リアルタイムPCR」を1台増設しまして、検査体制の強化を行ったところであります。これによりまして、現在、1日当たり最大160件の検査件数が、200件程度となります。

 また、感染症病床の拡充につきましては、今後、国内で患者数が大幅に増えたときに備えまして、重症者対策を中心としました医療提供体制を整えるため、今月1日に行政、医師会、大学病院等の病院長による会議を開催しまして、翌2日には、新型インフルエンザが発症した際の協力医療機関に対しまして、患者受入の協力とその事前準備を要請したところであります。

 また、今回、先の予備費、また、補正予算等におきまして、この検査体制、また医療体制の拡充に補正を行っているところでございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 対応していただいているということは、十分承知をしておりますが、愛知県などでは病床もかなり埋まっているというふうにも聞いております。本県の基準病床数が66床となっており、もちろんこれは確保されているわけですけれども、感染者が増えれば埋まる数ではないかと思いますし、今回のクルーズ船などの例をみると、国内の受け入れ態勢自体、見直す必要があるのではないかと感じております。今、さまざま受入れ拡充の努力をされているということですけれども、基準病床数自体の見直しということもですね、国と一緒になって検討すべきではないかということを指摘しておきたいと思います。

 和歌山県が「目安」にこだわらず検査を行いまして、成果を上げているとの報道がありました。シンガポールの首相は17年前のSARSの大流行のあと、感染症の対応を充実させて、マスク、個人用保護具も十分備蓄されています。研究機関も充実していますと国民向けにスピーチし、安心感を呼んでいると注目されております。韓国でもSARSの後、検査体制を大幅に充実したと伝えられております。厚労省は2010年の新型インフルエンザ流行のあと、その対策を検証する会議において「地方衛生研の職員の体制強化が必要」などの総括を行っております。本県では、SARS以降、どのような対策が取られてきたのか、お伺いします。

 

 

佐野正 がん感染症疾病対策課長

 

 SARSが流行したことを受けまして、一類感染症の患者を搬送するための車両を購入し、感染症患者の搬送体制を整備いたしました。この車両を利用し、毎年度、エボラ出血熱等が発生した場合を想定しました、搬送訓練を実施しております。

 また、新型インフルエンザが流行したことを踏まえまして、本県では「新型インフルエンザ等対策行動計画」を策定しまして、帰国者・接触者外来や入院協力医療機関の整備、抗インフルエンザ薬の備蓄等を行うとともに、訓練も実施しております。

 さらに、新型インフルエンザの流行を受けまして、帰国者・接触者外来、入院協力医療機関に対しまして、個人防護具や簡易陰圧装置の整備費に対しまして補正を行っております。また、昨年度から、帰国者・接触者外来医療機関に対しましては、マスク等の個人防護具の購入費について補助を再開し、支援を行っているところです。また今般、新型コロナウイルス感染症の発生を受けまして帰国者・接触者外来また、感染症医療機関、入院協力医療機関に対しまして、予備費、さきほども繰り返しお話

 しましたけれども、予備費、補正予算をつきまして、こういった施設整備等の補正を行っております。また、検査体制の強化につきましても、保健環境研究所の検査、機器の導入、そういったことも行っております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 充実をしてきたとのことでございます。今回の新コロナウイルス対策についても、検証して今後もさらなる充実を行っていただきたいと思います。

 先ほど指摘しましたが、厚労省は体制強化が必要だというふうに総括をした地方衛生研、福岡県では保健環境研究所ですけれども、地方衛生研究所に対して行っている科学院の5年ごとのアンケート調査によりますと、1か所当たりの予算総額、常勤・非常勤職員の数は大きく減っており、2013年のアンケートでは、人員が不足しているという回答が7割を超えていて、特に検査能力のある職員の不足が年々深刻というふうにあります。本県の保健環境研究所の体制については強化されてきたのか、どのような対応をされているのか、伺います。

 合わせて、保健所についてもですね、保健所はPCR検査要請の窓口、市民相談の窓口、PCR検査の検体を取りに行って研究所に運ぶ、陽性となった方が出た場合、入院の措置、濃厚接触者に連絡を取って毎日行動確認をする、などを多岐にわたる仕事を担っております、この保健所についても、どのような対応をされているのかお答えください。

 

近藤秀隆 保健医療介護総務課長

 

 県の保健環境研究所におきましては、当研究所の職員に加えまして、他の事務所に在籍していますPCR検査業務の経験者も含めまして、検査体制のローテーションを組んでおります。

 現時点では、当研究所において対応できる件数を超えているという状況ではございませんで、適切に対応しているところでございます。

 また、北九州市、福岡市の保健環境研究所との間では、検査件数が1箇所に集中した場合には、お互い支援をしていくことも取り決めているところでございます。

 〇各保健所におけます新型コロナウイルスに関する相談等につきましては、担当係以外の保健所内の職員も協力をいたしまして、保健所全体で相談を受ける体制を整えているところでございます。

 相談件数は、それぞれ違いはございますが、いずれの保健所におきましても、適切に対応しているところでございます。

 今後とも、各保健所、保健環境研究所におきまして、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のために、適切な相談や検査の実施に努めてまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 先の尾身茂氏はですね、特に保健所の体制強化を緊急課題とされていました。全国的には大変なところがかなりあるというふうに思っております。今後感染者がもしも増えた場合には、その業務量は膨大となります。飲食店などへの衛生検査など通常の業務もある中で、気の抜けないコロナ対策の最前線を保健所が担うということになりますので、必要に応じて体制強化をしていただくようにお願いをいたします。

 本県では、1996年に21保健所から13保健所に、2009年に13保健所から9保健所に統合がすすめられました。21保健所の時の職員体制は、人事課にお聞きしましたら801人ということでした。現在の保健福祉環境事務所の職員のうち、福祉関係職員を除くと、数えましたところ500人超ではないかというふうに思うんですね。そうしますと、この間、環境行政関係の職員も増員されていますから、保健関係の職員というのは、かなり減っているのではないかというふうに推察をいたします。感染症対策を考慮してもですね今後も、保健環境研究所及び保健所、予算や人員の削減が行われることがないよう強く要望しておきたいと思います。

 

 

<国民健康保険について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 次に、国民健康保険について伺います。一般質問で、新コロナウイルス対策として、国保の資格証明書を短期保険証として取り扱う通知の徹底をお願いいたしました。知事は徹底はHPで行うと答弁されたのですけど、資格証明書の方というのは、窓口が十割負担でなかなか病院に行かれません。よって、手遅れ事例も資格証明書の方が多いですね。手遅れ死亡事例もですね。こういう方に本人に分かるように、ぜひとも通知していただくように改めてお願いをしたいと思います。

 さて、国保は言うまでもなく、国民皆保険制度を支える最後のセーフネットであり、払える保険料・税にして、無保険者をなくすことが求められると思います。

 先日、2020年度の国保事業費納付金及び標準保険料率の発表がされましたが、一人当たりの納付金は、基準年の2016年比で7.1%も上げられました。3年間は負担が基準年度を超えないようにするという市町村との約束は3年目については守られないことになりました。大変遺憾であります。納付金が上がるということは、市町村の保険料・税の引き上げにつながるのではないかと危惧をいたしますが、この点についての県の見解を伺います。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長 

 

 令和2年度以降の納付金のあり方につきましては、これまで市町村と協議を重ね、医療費や介護納付金など、保険給付費等の伸びを納付金に反映させて算定することとしたところでございます。

 これよりまして算定をいたしました令和2年度の納付金につきましては、基準年度である平成28年度からの4年間で、被保険者1人当たりの伸び率が、県平均で7.1%増となりました。

 各市町村の状況をみますと、負担が増加する団体がある一方で減少する団体もあり、負担が大きく増加をした団体につきましては、激変緩和措置を行ったところでございます。

 来年度の市町村の保険料率につきましては、それぞれの市町村の納付金の伸びでありますとか、保健事業の取組、加えまして財政状況などを考慮して、それぞれの市町村で判断されるものと考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 市町村で判断するのですけれども、県への納付金が増えれば、当然保険料をあげる自治体が増えるのではないでしょうか。本県はこの間、激変緩和に努力してこられました。全国的には昨年度すでに引き上げた自治体は多いです。新年度は県内でもすでに引き上げを発表しているところがあります。その理由というのは、県が納付金の引き上げを行おうとしているということ、そして国が6年間で一般会計からの法定外繰り入れを解消するよう指導していること、このことがその大きな理由になんですよね。ここで、「県内市町村の法定外繰入額の推移」について、資料をお願いしておりますので、委員長、お取り計らいをお願いします。 

※資料配布

 法定外繰り入れは、財政が厳しい中でも、高すぎる保険料を抑えようと各自治体が努力して予算措置してきたものなんですね。それが、国の強力な指導によって、全国的に3468億円であったものが1258億円に3分の1程度に減りました。本県でも、今配っていただいた資料にありますように、5年間で半減しているんですよね。この「法定外繰り入れ」について、県はどのような認識をお持ちなのか伺います。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長 

 

 国保財政を安定的に運営していくためには、会計上収支が均衡していることが重要であると考えております。しかしながら、県内の多くの市町村で決算補填等を目的とした法定外の繰入やの繰上充用が行われており、これらの市町村は、法定外繰入等の解消や削減に取り組むことにより、財政収支の改善を図る必要がございます。

 県といたしましては、それぞれの市町村の実態を踏まえ、市町村と十分協議をしながら、きめ細やかな助言を行っているところでございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 財政収支の改善はもちろん重要ですけども、しかし、これほど国保財政が苦しくなったのは、低所得者が多いことなど国保の持つ構造的な問題に加え、国からの公費投入が大幅に減らされたことにあります。国は、都道府県単位化に伴って、3400億円の公費投入をおこないましたが、結局国の強力な指導により、法定外繰り入れの解消に使われ、「低所得者・高齢者が多く、医療給付費が高い」という国保の構造的問題の解決にはなっていないわけです。そのうえ、国の財政支援の中に、「保険者努力支援制度」を作り、2020年度から、これに「ペナルティ措置」を導入することにしました。法定外繰り入れを続けていると減点となって交付金を減らす仕組みです。20年度は、都道府県で、この対象になったのは茨城、東京、福岡の1都2県です。この制度、あまりにひどすぎるのではないでしょうか。法定外繰り入れは、市町村が自主的に高すぎる保険料を抑制するために行ってきたものです。交付金を減らすという形で自治体を競わせるやり方は許しがたいと思います。この制度の撤回を求めていただきたい。こうしたやり方ではなく、全国知事会、本県もたびたび要請しているように、1兆円規模の公費投入こそ行うべきだとおもいます。見解を伺います。

 

 

兵頭正俊 医療保険課長 

 

 国保におきましては、高齢者の割合が高く、医療費水準が高くなる一方で、低所得者や無職者の割合が高いことから、保険料収入が得にくいといった構造となっています。

 平成27年度以降、公費拡充が行われているものの、依然として国保財政は厳しいものがあると認識をしております。

 このため、将来的な医療費の増嵩に耐え得る国保財政基盤の確立が図られるよう、国の定率負担の引き上げなど様々な財政支援について、全国知事会及び本県としても国に対して要望しているところでございます。

 今後も、全国知事会等あらゆる機会を活用いたしまして、国に働きかけてまいりたいと思います。

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