● 20年03月18日 県議会報告

2020年3月18日 2020年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「メガソーラー林地開発について」(大要)



<2020年決算特別委員会>

2020年3月18日

 

<メガソーラー林地開発について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。

 メガソーラー・林地開発について質問いたします。

 これまで私、何度もこの問題を取り上げてきました。飯塚市の白旗山では複数の事業者によるメガソーラー設置のための34ヘクタールの林地開発が進められております。前回の決算特別委員会では、ノーバルソーラーの違法行為について取り上げました。今回は、ノーバルの隣で開発を進めるアサヒ飯塚メガソーラーについてお尋ねします。

 アサヒ飯塚メガソーラーは、一条工務店が2016年3月31日に林地開発許可を受けた事業を、2018年6月27日に福岡県に林地開発行為者地位継承届を提出して事業を受け継いだものです。森林法第3条によれば、この場合、許可条件等の許可に付随する義務についてもそのまま引き継ぐことになります。間違いないでしょうか。

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 いま、委員がおっしゃた通り、間違いなく継承されます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 アサヒ飯塚メガソーラーという業者は、何度住民が説明会を開いてほしいと要請しても一度も開かないんです。そして、昨年11月18日に突然重機3~4台を造成地に入れて、大規模に森林伐採をはじめました。林地開発許可条件に義務付けられている防災施設・調整池は、まだ完成していません。この事態に地元自治会と住民は抗議行動を展開する事態となりました。

この行為は許可条件違反、すなわち法令違反ではないですか。また、今現在、アサヒソーラーの開発行為はどの段階なのか、明らかにしてください。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 お尋ねの昨年11月18日の伐採は、林地開発許可条件に義務付けられた防災施設である調整池の設置に付随したボーリング調査のために行われたものです。この伐採は、防災施設を本工事に先行して施工すること、といった許可条件に違反するものではなく、法令違反でもありません。

 なお、事業者は、事前に県や飯塚市にボーリング調査、伐採を行うことを説明し、実施をしております。現在お尋ねの業者は、2カ所ある調整池の工事を進めており、これに付随した伐採や仮設道路の整備も併せて行っているところであります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ボーリング調査に、重機が何台も必要になるのでしょうか。住民のみなさんによりますと、調整池とは関係のない、予定地よりもずっと上の方を大規模に伐採していたということです。ボーリング調査に名を借りた伐採ではないかと、住民のみなさん、怒っておられるんですね。ボーリング調査について、どこをどのように調査をしたのか、伐採規模は適正か、確認されましたか.

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 はい、ボーリング調査の位置、また、伐採の規模の多動性については、事前に確認をしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 このボーリング調査は、適正だということですか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 適正なものであります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 そうですか。

 アサヒソーラーは、ボーリング調査と言って、山の上の方を調整池とは違うところを掘っているということですけれども、これはまたあとから確認します。

 

 この朝日ソーラーは工程表を含む資料を、昨年12月5日午前2時に突然、飯塚市にメールで送付をしております。そして、12月6日から7日にかけて、わざわざ近隣の住民宅にポスティングしています。ここに写しもありますけれども、これによると工事期間は11月11日からで、伐採工、土工が防災工と同時並行で行われることになっております。防災工事の終了は、2021年1月、そしてその前に伐採は終了しているという、こういう工程なんですね。これは県が許可したのですか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 工程表について、県は許可しておりません。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 許可されていない工程表を、飯塚市にメールで知らせ、住民にポスティングするというのは、市と市民をだますことになると思いますけれども、県はこのような行為をご存知でしたか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 工程表については、令和元年12月10日に、飯塚市からの情報提供により認識いたしました。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県が承知していなかった工程表をわざわざ配ったんですね。

 このねつ造された工程表によれば、11月18日の突然の伐採行為は、工程表通りということになります。調整池の完成は2021年1月けれども、防災工事も伐採工事も11月から始めることになっているわけで、堂々と許可条件違反を宣言しているようなものですよ。初めから許可条件を守るつもりがない、住民にうそをつく、これは法令違反ではありませんか。この行為は監督処分の対象になると思いますが、どのようにお考えでしょうか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 先ほども申しました通り、11月18日の伐採は防災工事に付随するボーリング調査のために行われたものであります。県としましては、11月18日の伐採を含め、現地の状況について許可条件通り、防災施設を先行して施工していることを職員等により確認をしております。ですから、許可条件を守っており、法令に違反するものではないというふうに考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県が許可していない工程表を配られて、なんの指導もしないんですか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 昨年の12月10日に飯塚市からの情報提供を受け、その工程表を確認しました。その工程表において、今委員がご指摘されましたように、防災工事の完了を待たずに、伐採が先行するような工程表になっていたことから、業者に対して、住民からの誤解を招かないような、工程表をつくり、住民に示すように、指導しております。その結果、業者の方は、新たに分かりやすく作った工程表を現場の方に掲示をしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 どこに掲示しているのですか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 現場にあります現場詰所の壁に掲示をしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 現場詰所の壁にあっても、住民にはわからないのではないですか。

 こんな、うその工程表作って撒くというのは、県の指導に全然従わないということではないですか。だいたい、昨年の決算特別委員会で、同じ白旗山のノーバルソーラーと金毘羅山の日本エネルギー総合システムについて、同じようなの違法行為がありました。指導されてもなお違法な開発行為を続ける業者に対して、厳正に対処すべきだと、監督処分にすべきだと指摘しました。しかし、県としては「工事の中止、許可取り消しなどの新たな処分の必要はない」とのご所見で、違法行為でもない、というふうにずっと言い続けてきたんですよ。

 このことはアサヒにとって教訓になったのではありませんか。今回の件は、ノーバルと全く同じです。県に届け出た工程表とは違う裏の工程表に基づいて、本工事をやれるだけやってしまえということではないですか。分かっても、県は監督処分にはしない。県の甘い処分がこういう事態を招いたと思います。

 先ほど、詰め所に貼っていると言いましたけれど、住民は全然分かりませんよ。

 こういう県の甘い指導が、こういう事態になるのではないか、そのことを私、先の決算特別委員会で指摘した通りです。

 繰り返しますけれども、この白旗山の林地開発計画は、8700人の住民が住むすぐそばで行われ、その周辺は、土砂災害警戒区域と特別警戒区域に指定されています。ですから、住民が不安を覚えるのは当然です

 飯塚市は、昨年9月17日、片峰飯塚市長名で県知事あてに、「事業者に対する指導、監督の徹底を求める」申し出文書が提出しています。その内容を簡潔にご説明ください。あわせて県として飯塚市にどのように回答したかもご説明ください。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 飯塚市からは、合同会社朝日飯塚メガソーラー林地開発について、地域住民の理解が得られるよう、丁寧な説明会を開催すること。B調整池予定箇所の地価調査を実施すること。説明会が開催されるまで工事着工しないこと。

 これらについて、誠意をもって対応するよう県が事業者を指導することを要望されておりました。これに対して県は部長名で、飯塚市の依頼を真摯に受け止め、きめ細かく現地調行い、許可条件を順守して開発行為を行うとともに、地域住民に対し丁寧な説明を行うよう、事業者に対してしっかりと指導していくというふうに回答しております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 「きめ細かく現地調査を行い、許可条件を遵守して開発行為を行うとともに地域住民に対し丁寧な説明を行うよう、事業者に対してしっかり指導していく」と、部長名で回答されたわけですね。その指導の結果がこういうことでしょうか。いまだにまだ、説明会が開かれておりません。どのような指導してきましたか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 県が事業者に対して、行った指導ですが、工事の責任者に対してですね、県庁での打ち合わせを行う際であったり、県の担当者が工事現場を訪れた時、また、工事責任者と電話で打ち合わせをする際、あらゆる機会を通じて、地域住民に丁寧に説明するよう指導しております。今年度で申しますと、5月以降、計11回の指導を行っております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 驚きましたね。電話でしてくださいとか、立ち話のように言っている。今まで、ずっと開いていないところですよ。きちんと、文書で開きなさいと。

 飯塚市長は、説明会をやるまでは工事を続けさせない、着工させないことと、住民が納得する説明会が行われないままでは、着工させないと、このように要請しているんですよ。

 市長名で要請するということは、この業者がどれだけ住民の気持ちを踏みにじっているかということの裏返しではないですか。そんな、立ち話とか電話とかで、済む話なんですか。それでもまだ、開かれていないんですよ。県の指導に従わないことですよね。住民が何度も求めているにもかかわらず、一度も住民説明会を開いていないということは、FIT法が求めるコミュニケーション努力義務違反です。

 「説明会をやるまでは、工事を続けさせない」と、知事名による文書で厳しく指導すべきではないでしょうか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 昨年12月24日に国の方から、太陽光発電施設の設置を目的とした開発行為の許可基準の運用催促に関するQ&Aというものが出されております。このQ&Aにおきましても、地域住民回答の実施を行うことが望ましいが、住民説明会を許可要件としない、また、説明会を実施していないことをもって、不許可とすることはできないと、というふうにされております。このため、繰り返しになりますが、このため森林法におきましては、住民説明会を行うことは義務ではないため、説明会の開催を強制するような指導は行うことはできいない、というふうに考えております。このため、文書での指導というものは考えておりません。

 県としましては、今後も引き続き、住民の理解を得られるような丁寧な説明行うよう指導をしてまいります。

 

 

 高瀬菜穂子 委員

 

 しかし、FIT法では、コミュニケーション努力義務を課しているんですよ。努力義務ですけどね。でも、それは、義務でないのならしなくていいんだと、それでしたら、住民の声を聞かなくていいんだということになるでしょう。業者の住民無視を容認するような答弁だったではないですか。そんなことで監督責任を果たしていると言えますか。

 次にボーリング調査について伺います。ボーリング調査は、一条工務店が申請したメガソーラー造成計画について、2016年3月24日の森林審議会。この際の審議会委員に対する事前説明資料として出されている、「当該地内は一部が昔の採掘跡地であり、現地調査の結果、1カ所の行動入り口が確認されている」「なお、調整池計画地にはボーリング調査の結果、坑道は確認されていない」わざわざ記述されています。

 これは一条工務店が行った調査でしょうか。

 

 

 成末則之 農山漁村振興課長

 

 ボーリング調査については、平成27年10月時点の申請者であります一条工務店が行ったものです。

 

 

 高瀬菜穂子 委員

 

 一条工務店の調査では「坑道はない」との説明でした。しかし、現地の緑ヶ丘自治会が調整池予定地周辺の鉱区図を、九州経済産業局鉱業課から情報開示を受け、これを白旗山の三角点に基づいて検討しますと、坑口が調整池予定地内に3ヵ所、周辺に6ヵ所確認できたということです。

 アサヒメガソーラーは、森林伐採を始めた後の11月26日に、鉱区図の情報開示請求を九州経済産業局と協議していると発言しています。そうなりますと、3年前の調査に疑義が生じます。県はこの調査報告を精査したのかということをお聞きしたい。

 間違った情報を基に許可申請をしていたとすれば、森林法10条の3における監督処分の対象、虚偽、その他の不正な手段で許可を得た者に該当するのではないでしょうか。

 課長は、「手続きに瑕疵があれば許可を取り消す」と、住民のみなさんに約束したというふうに聞いております。どうでしょうか。

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 まず、県で森林の開発許可にあたりましては、森林法に基づき、森林が有する4つの機能。災害防止、水害防止、水の確保、環境保全が阻害されていないか、また、必要な代替措置がとられているかについて、審査を行っております。そもそも、森林には落盤等を防止する機能はありませんから、この審査において、坑道の有無などの開発区域の地下状況について、鉱区図等での確認の必要はなく、森林法では審査の対象外というふうにされております。

 このように、許可申請に不備がなかったことから、審査を適正に行い、許可したものでございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 坑道の有無は審査の対象外と言われるんだったら、なんで事前審査の資料として情報提供したんですか。今回のボーリング調査も許可したんですか。昔の炭鉱跡で、下手をすると崩落の恐れがあるからではないのですか。間違った情報で、「大丈夫だ」と審議会委員の判断材料になったんじゃないですか。

 林地開発の許可基準の一つに、災害の防止という項目があります。「当該開発行為により当該森林の周辺の地域において、土砂の流出または崩壊、その他の災害を発生させるおそれがあること」とあります。災害の発生の恐れがあるではないですか。坑道の有無は、慎重に判断すべき要件になるのではないのですか。 

 

 

成末則之 農山漁村振興課長

 

 質問にありました、一回目の審議会の中で、林地開発の許可を行うにあたっての、審査基準、4つの基準ですね。これは満たしているが、飯塚市から住民が坑道の存在を不安に思っているという意見があったために2回目の審議会を開催するにあたって、審議委員に対して、坑道につての説明行ったものであります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 しかし、そういう不安があってきちんと出されたわけでしょ。

 時間がないのでまとめますけれども。

 昨年の決算特別委員会で、私はノーバルソーラーについて正しました。

 調整池を造らずに開発を行った。それに対して、「行政指導した」とお答えになりました。しかし、「許可条件違反」とは言われないんですよね。指導に従っているから、許可条件違反ではない。飯塚市にも、私どもにも、繰り返しました。許可条件に違反したから、行政指導をしたんじゃないんですか。公式に許可条件違反と認めたのは、この議会の場でした。

 金比羅山の開発についても、違法伐採を示すパネルを示しても、課長はとうとう認めずに、結局、知事保留で知事が認めたんですよね。

 どうしてこんな、業者の悪質な行為を庇うんですか。どうしても許可条件違反と認めたくない、監督処分にしたくない、開発許可を取り消しをしたくない、こういう事情があるんじゃないのかと。業者との後ろ暗い関係を疑う声も一部にはあります。許可県者である県の毅然とした対応、指導を県民は期待しているんですよ。指導しても従わない、うそを言っても通ると、こんな監督行政でいいのでしょうか。

 飯塚市から要請を受けて、しっかり指導すると回答した部長。

 今日の課長の答弁、また説明会がいまだに開かれていないという、その実態も含めてですね、見解を伺いたいと思います。

 

 

鐘江義広 農林水産部長

 

 県の対応が甘いということであります。

 先ほども申し上げましたように、ノーバルソーラーにつきましては、防災施設の完成を待たずに森林伐採と造成工事、これをやられとったということで、これは条件に違反する行為でありました。

 ただ、このこともありまして、このアサヒ飯塚メガソーラーの今回のご指摘の林地開発につきましては、職員の現地調査もきめ細かに行いまして、許可条件通りに防災施設を先行して施工していくということを確認をしております。従いまして許可条件に違反する行為はあっていないということで、私共、県としては、引き続きこの開発行為が完了するまで、引き続き現地調査これをを行いまして、法が順守され、許可通りに工事が実施されるように指導、これは引き続きやってまいりたいというふうに考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 納得できる答弁ではありませんので、知事保留をお願いしたいと思います。

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