● 20年03月23日 県議会報告

2020年3月23日 2020年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁「教職員の変形労働時間制と会計年度任用制度について」(大要)



2020年3月23日  2月定例会・高瀬菜穂子議員一般質問 答弁(大要)

 

<教職員の変形労働時間制と会計年度任用制度について>

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。

 1年単位の変形労働時間制について伺います。12月議会の我が会派の立川由美議員の質問に対し、教育長は「この制度は、超過勤務の一部縮減につながる可能性があり、業務の削減による総勤務時間の縮減と合わせて導入することで、学校の働き方改革に資すると考えております。」というふうに答弁されました。

 しかしながら、この制度は、教育現場をますます多忙にし、疲弊させるもとわたくしは考えます。超過勤務の縮減につながるとは考えられません。導入すべきではないとの立場から、改めて質問させていただきます。まず、制度の概要についてご説明ください。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 制度の概要でございますが、労働者のゆとりの創造、総労働時間の短縮を実現するため,1か月を超え1年以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間を超えないことを条件としまして、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度でございます。

 地方公務員の適応はございませんでしたが、公立学校の教育職員につきまして、長期休業期間中の休日のまとめ取りを行うため、条例により活用できるよう、法律の改正が行われております。

 なお、導入に当たりまして、教員個々の事情を踏まえて適用されるよう、選択的な導入とすることが想定されていると聞き及んでおります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ご説明にありましたように、この制度、繁忙期に長く働き、閑散期に休む。こういうことで、総労働時間を短縮するというそういう制度だということなんですよね。ですから、繁忙期と閑散期がはっきりとある業種、例えば年度末に仕事が増える引っ越し業者とか、年末に忙しくなる運送業者などに適用されることが想定されていると思うわけです。

 学校における夏休みというのが、閑散期かといえば、実際には全くそうではなく、研修とか、部活などで、学期中と同様に、今、先生方働いておられます。ですから、学校現場には馴染まないんだということをですね、まず、申し上げておきたいと思います。そのうえで、この繁忙期の所定労働時間。これが、一日最大10時間、1週間当たりの労働時間、最大52時間に伸ばすことができる、ということになっています。

 人間はそもそも寝だめや食いだめはできませんから、この制度というのは働く人にとっては、健康と生活に大きな負担となる。過酷な労働条件であるため、過半数の労働者の合意なしには導入できないこと、労働者の予定が立てられるよう、あらかじめ一人ひとりの労働日と各労働時間を書面で決めること、などが定められていると思います。また、厚労省通知では「恒常的な残業がないことが導入の前提」とされていると思いますけれども、これらの点について確認をお願いします。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 労働基準法におきまして、労働者の過半数で組織する労働組合、又は労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、対象となる労働者の範囲等を定めるというふうにされております。

 ただし、今回の法改正、改正された法律では、労使協定で定めることとされている事項につきましては、条例で定めることとされております。

 なお、平成6年に1年単位の変形労働時間制が導入された際の当時の労働省の通知では、「突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること」とされております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 「恒常的な時間外労働がないことを前提とした制度」だということですね。ここで確認したいと思います。

 しかしながら、学校の現場、教育の現場は時間外労働が蔓延しています。12月議会の立川議員の質問に対し教育長は「県立学校における1月当たりの平均超過勤務時間は、39.8時間」と答弁されました。また、周知のとおり、2016年の国の「教員勤務実態調査」によれば、小中学校教員は月曜から金曜まで毎日、平均12時間近く、土日も働いています。過労死ラインを超える教員は小学校で3割、中学校で6割に及ぶというふうに報告をされています。また、本県では、23市町村で労働時間の把握ができていない、どれだけ超過勤務をしているか分からないところも、存在している。このことも12月議会で明らかになりました。このような実態で、変形労時間制の導入は不可能だということも申し上げておきたいと思います。

 そのうえで、先ほど指摘がありましたが「書面で、対象となる労働者の範囲等を決める」とこの点なんですけど、一人ひとりの労働日や各労働時間を書面で確認するということになりますと、管理職と事務職員の負担を大幅に増やすことになります。年度が始まる前の3月、管理職は全教員から導入についての意向や、子育てや介護など個々の状況を聞き取り、制度を適用する対象者を決定しなければならなくなります。そのうえで、当面4月、5月の個々人のシフト表を決める。その後も4月に6月分、5月に7月分という具合に、個々人のシフト表を決め、さらに勤務状況がシフト表に照らしてどうだったかのチェックも必要になるということだと思います。確認いたします。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 現時点では、文部科学省からは、法律の改正内容が通知されているのみで、実際の運用の在り方は示されておりません。従いまして現時点で、細部について言及する、お答えすることは困難でございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 来年度から導入しようというのに、実際の運用がいまだ知らされていないというのは大問題だと思います。しかし、法律上は、そうした作業が必要になるということなんですよね。そうなりますと、管理職の仕事量は膨大です。一度決めたシフトの変更は原則としてはできない制度になっています。

 学校は突発的な起こるのが日常です。あらかじめ決めておいても、守れないことは当然起こるのであり、こんな職員個々人のシフト表をつくり、それを厳格に守らせるというのは、不可能ではないかとわたくしは考えますけれども、いかがですか。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 先ほどもお答えしましたが、労働省通知でも示されている通り、「突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であること」ということから「突発的な業務についてまでも事前に配分した労働時間内で対応することを求められているものではないというふうに考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ですからこの制度というものは、突発的なことが滅多と起こらないことが前提なんですよね。突発的なことが常時起こる学校現場で、それは例外ですよということになったら、例外だらけになって、予め、この日は8時間勤務、この日は10時間勤務だと決めても、守られない、なし崩しで意味をなさない、ということになるんじゃないでしょうか。

 過酷な労働条件だからこそ、誰が、いつ、何時間働くと書面で確認するのであって、守られなければ違法になるはずです。学校現場への導入は現実的でないことを強調したいと思います。

 もう1点、確認します。

 文部科学大臣が「労働時間の縮減を前提として導入することを想定しております」と国会で答弁をされ、2019年1月に定めた「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」に示された残業時間、月45時間以下、年360時間以下の教員でなければ、この制度を導入できないということを国会で答弁されています。ガイドラインは守られていなければならない、この点も確認できるでしょうか。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 文部科学大臣は国会におきまして「年度途中等に、指針、ガイドラインが指針に代わっておりますけれども、これに示す要件が明らかに順守できない状況が生じた場合には、まずは各教育委員会等において、遵守に向けて是正されるべき」であり、「それでもなお要件が遵守できないとなった場合には、1年単位の変形労働時間制の活用を取りやめることとなると考える」というふうにお答えされております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 今のご答弁にありましたように、その教員がガイドラインを守れないと分かった場合、途中でも活用の指定をやめることになる、と文科大臣が答弁をしています。そもそもこのガイドラインは、過労死ライン月80時間を超える教員が多数いる中で、働き方改革の一環として、月45時間以下にしようということで示されたものだというふうに理解しています。ですから、45時間以下であっても恒常的な超過勤務が存在しているんですよね。法の趣旨からいうと、法の趣旨は原則、超過勤務ゼロですから、ラインの引き方はおかしいわけですけども、そこをなぜか、45時間までは認めるということになっていて、これは不当ですが、それでも文科大臣は、このガイドライン月45時間を超える場合は、絶対に適用はできないんだと、中途でも辞めさせるんだと、ということを言っているということを確認したいと思います。

 本来超過勤務があってはならない変形労働時間制ですが、現場では今も超過勤務は蔓延しております。先ほど指摘しましたように勤務時間の把握ができていない市町村もあります。本県では制度導入の前提を欠いていると考えます。見解を伺います。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 この制度につきましては、例えば、市町村全体とか、県全体とか、画一的に、一律に導入するものではなく、国の指針で示された要件満たす場合に、あくまで選択的に導入を可能とするものでございます。また、県といたしましては、市町村に対しては、これまでも勤務時間の実態把握を行うよう指導してきたところでありまして、今後も引き続き指導を行ってまいりたいというふうに考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 おっしゃるように、制度導入に当たっては、完全選択制ですから、もし県が条例をつくれば、市町村、学校がそれぞれ、導入可能かどうか検討しなければならなくなるということです。導入するとなれば、学校では、ガイドラインに示された要件を満たす教員は誰か、どのような変形労働が可能か、シフト表をつくり、いつ10時間勤務にするか決め、書面で確かめ、中途で月45時間以上の勤務になっていないか、ガイドラインが守られているかをチェックする、そんな業務が管理職に課せられるということになると思います。条例制定は行うべきではありません。これは、業務削減どころか、膨大な業務が発生するということになると、私は本当にやめていただきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 労働時間短縮のために行政が行うべきは、教員を増やし、1クラスの人数を減らす。そして、事務作業の見直しなど、業務改善です。子供と向き合う時間の確保こそ、真の働き方改革であり、行き届いた教育、学力保障にもつながることを強調しまして、この項の質問を終わります。

 

 

<非常勤講師の会計年度任用職員転換について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 次に会計年度任用職員について伺います。4月から始まります、「会計年度任用職員制度」ですが、非正規の教職員も対象になるとのことです。この制度の目的は何か。導入に際して不利益が生じることはあってはならないと考えますが、この点についての見解を伺います。

 

 

石橋裕次 財務課長

 

 制度導入の目的でございますが、従来の制度に不明確な部分もあり、自治体によって、任用、勤務条件等に関する取扱いが異なっておりました地方公務員の臨時、非常勤職員につきまして、統一的な取り扱いを定めることにより、適正な任用、勤務条件を確保するために、改正がなされたものです。

 会計年度任用職員への意向につきましては、地方公務員法の改正にあたりまして、不利益が生じることなく適正な勤務条件を確保しなければならない、との付帯決議がなされております。

 このことは、適切な勤務時間の設定および、給与の決定、任用期間に不適切な空白期間を設けないことなど、法改正の趣旨を踏まえ、留意すべき事項が示されてるものと認識をしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 不利益が生じることがないように、国会の付帯決議もあるということです。

 しかしながら、非常勤講師の中には、持ち時間数が少なくて、期末手当を支給されない、不利益を被る可能性が生じるのではないかと、そういうことを心配しておられる方がおられます。「非常勤講師のうち期末手当支給対象者の割合について」資料を要求しておりますので、委員長お取り計らいください。

 

 簡潔に資料の説明をお願いします。期末手当について15時間30分以上を要件にしている根拠についても、ご説明ください。

 

 

石橋裕次 財務課長

 

 県が給与を負担しております、非常勤講師にかかる期末手当支給対象職員の割合の表でございます。期末手当の支給は、来年度以降に任用される職員が対象となりますが、今回支給割合に見るにあたりまして、現時点で任用実績が確定しております平成30年度の数値を持って作成をしております。右端の合計欄の通り、非常勤講師1188人のうち、期末手当の支給対象となる職員が675人、割合で56.8%。対象外となる職員が513人で、43.2%となっています。

 次に期末手当の支給根拠でございますが、一週間当たりの勤務時間が15時間30分以上、かつ、6月以上の任用期間が見込まれる職員に対し、在職期間に応じて支給することとしています。これは、常勤職員との均衡を踏まえ、本県の再任用短時間勤務職員や国の非常勤職員に対する、期末手当の支給基準と同様となっております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ご説明いただきましたが、県立学校については70%が支給対象外になっています。大変多いと思います。週15時間30分未満の期末手当が支給されない非常勤講師に対しては、何か手立てを考えておられますか。

 

 

石橋裕次 教育総本部財務課長

 

 複数の学校を勤務することによりまして、週当たりの勤務時間が15時間30分以上となり、期末手当の支給が見込まれる場合には、非常勤講師の本人の希望等も確認したうえで、できるだけ勤務が可能となるよう、関係学校間での日程調整等を行っていただくように促してまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ぜひ、取り組んでいただきたいと思います。特に、授業時間数の少ない芸術科目は、非常勤講師の先生に頼っているのではないかと思います。芸術教科における非常勤講師の割合はどのくらいでしょうか。

 

 

松永一雄 教職員課長

 

 本年度、県立高校で芸術科目を担当する非常勤講師は132人でありまして、芸術科目を教える教員全体の約6割になります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 6割の先生が非常勤ということですね、多いなと思います。

 授業時間数が少ないということで正規採用の枠がなく、現状でも大変な苦労をかけている芸術科目の先生の多くがですね、支給対象外になるのではないかということで、心配をしております。

また、収入が減った場合に続けられないという声も聞いております。

教員確保の観点からも、非常勤講師の年収保障をしていただきたいと思います。単価の引き上げや勤務時間の確保が必要だと思いますけれども、見解を伺います。

 

 

石橋裕次 財務課長

 

 非常勤講師の給与につきましては、職務給の原則、他の職員のとの均衡の原則等に基づきまして、常勤講師と同じ教育職給料表一級を適用することとしておりますので、これらと均衡奉仕するような時間単価の設定は困難と考えております。

 なお、勤務時間につきましては、授業の実施や準備等に必要な時間など学習活動に必要な業務につきまして、非常勤講師の勤務時間ができるだけ確保できるよう、工夫をしてまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 制度の趣旨が生かされるよう、不利益が生じないよう取り組んでいただくことを重ねてお願いしまして、質問を終わります。

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