● 21年03月17日 県議会報告

2021年3月17日 2021年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員 質疑・答弁「土砂災害対策について」(大要)



2021年3月17日   2月定例会(予算特別委員会)高瀬菜穂子委員質疑(大要)

 

 

<土砂災害対策について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です、土砂災害対策について質問します。

 近年、全国的に豪雨による災害が続いております。本県でも2017年の九州北部豪雨以来、4年連続で豪雨災害に見舞われてきました。県民の命と財産を守るために、従来の延長戦ではない、防災・減災の抜本的な強化が求められています。

 

 そこでお尋ねします。

 2003年(平成15年)に公表された国交省の調査において、県内には土砂災害危険個所が13,150カ所あることがわかりました。そのうち保全人家5戸以上、また公共的な施設があるなど、特に整備が必要とされる箇所が5,571ヵ所とされ、土石流、地滑り、崖崩れなどのハード対策を行うと聞いています。

 2017年の決算特別委員会で我が会派の山口律子議員が、この5,571カ所の整備について進捗状況を質したところ、2016年末現在で整備済みは965カ所、整備率は17.3%との答弁がありました。あれから4年経ちますが、現時点での整備状況はどうなっていますでしょうか。お答えください。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 平成11年度から14年度までの調査に基づく土砂災害危険個所のうち、特に整備が必要な箇所は5,571カ所でありました。そのうち整備済み箇所は、令和2年3月末現在1,000箇所で、整備率は18.0%となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 令和2年(2020年)3月ということですから、3年3か月間ですね。3年3か月で35箇所の整備が進み、整備率が0.7%伸びたことになります。

 一方で、この調査以降、県内でも豪雨災害が毎年のように起こっており、地滑りや崖崩れ等も頻繁に起こっています。また、宅地造成など新たな開発行為が行われ、災害が懸念される個所も増えているのではないかと思われます。2003年公表の調査以降、新たに危険個所とした個所数、そのうち特に整備が必要な個所は何ヵ所でしょうか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 土砂災害危険個所については、平成13年に施行された土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定に移行しているため、平成15年度以降、新たな調査は実施しておりません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 新しい法ができて制度が変わったから危険個所については調査を行っていないと、そういうご答弁ですが、土砂災害防止法は、ハード面より国民の生命および身体を保護するソフト面に重点がおかれています。土砂災害の防止工事などハード面については、これまでの砂防三法、「砂防法」「地すべり等防止法」「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に基づいて整備されることになると思います。

 いずれにしても、いわゆる「危険個所」については、県も特に整備が必要だと認めているわけですから、放置するわけにはいかないと思います。常時把握に努め整備を進めるべきではないでしょうか。どのように進め、いつまでに整備を終える計画でしょうか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 ハード対策については、保全対象の人家戸数や公共施設の有無、過去の災害履歴などを総合的に勘案し、順次整備を実施しております。しかしながらハード対策を進めるにあたり、工事に関するご理解や土地の提供等、地元の協力が必要であり多大な費用と時間を要するものと認識しております。

 そのため、早期の効果が期待できるソフト対策として、土砂災害警戒情報が発表される

 前に土砂災害の危険度がわかる土砂災害危険度情報を、あらかじめ登録していただいた方に自動配信するなど、ソフト対策の充実に努めております。今後ともハード、ソフト一体となった総合的な土砂災害対策を進めてまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 質問にお答えになっていないんですよね。どのように整備を進め、いつまでに終わる計画かと、私はお尋ねしたんですけれども、お答えがありません。ソフト対策も必要ですがハード面の整備を計画的に行うことは、喫緊の課題であるはずです。多大な費用と時間を要することは理解できますが、計画が明確に示されないということは問題ではないでしょうか。

 質問を変えますが、この10年の本県の災害関係を除く砂防関係の予算の推移はどうなっていますか。お答えください。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 災害関係を除く砂防関係の予算の推移は、約62億円から約83億円で推移しています。直近5ヵ年で、平成28年度が67億円、29年度が約69億円、30年度が約70億円、31年度が約83億円、令和2年度が約83億円となっております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 ご説明の通り、この10年あまりの砂防関係予算は、年間およそ60億円から70億円で推移しています。2019年(令和元年度)から2年間は、国土強靭化3か年計画よるものと思われますが、約83億円に増額しています

 先ほどの答弁では、3年3か月で35箇所の危険個所の整備が進んだということでした。整備率では、わずかに0.7%の伸びです。このペースだと、危険個所の残り4,571箇所の整備完了までに130年かかることになります。整備計画、完了目標についてお答えになれない、その大本には、あまりにも少なすぎる予算にあるのではないでしょうか。

 

 2009年(平成21年)7月の集中豪雨で、県内6名の方が犠牲となりました。篠栗町ではそのうち2名が土石流に飲まれ、大野城市の九州自動車道・須恵PAから大宰府ICの間では法面上部の山が崩落した土砂に、走行中の自動車の夫婦2名が飲み込まれています。

 この年の土砂災害警戒区域の指定は単年度でわずか674箇所、特別警戒区域は同じく342箇所に過ぎませんでした。大変遅れていたわけです。当時の我が党の真島省三議員も取り上げましたが、こうした被害を受けて、翌年には単年度で警戒区域2,678箇所、特別警戒区域2,487箇所と大きく増やし、現在では累計で警戒区域17,676カ所、特別警戒区域16,106カ所となっています。このように指定を短期間で行えた要因は何ですか。

 また、土砂災害警戒区域の指定は、都道府県が土砂災害危険個所の基礎調査を行い、指定することになっています。基礎調査と指定の進捗状況はどうなっていますか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 平成21年7月の災害を契機といたしまして、平成22年度より、区域を指定する際の基礎調査を行うための予算の拡充をおこないました。また、関係市町村との協議や住民説明会を円滑にするため砂防課職員の増員を行い、短期間での区域指定を進めることができたものと考えております。委員ご指摘の通り、令和3年1月31日時点で、土砂災害警戒区域17,676ヵ所、土砂災害特別警戒区域16,106ヵ所を指定しております。また現在では、砂防施設を整備した個所や民間の開発工事等により地形改変が行われた箇所等の基礎調査を行い、必要な指定を行っております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 当時困難と言われた区域指定が、必要な予算と体制があれば、短期間にできたということです。

 第2次安倍政権になって減少傾向にあった防災対策のための国の公共事業費は、相次ぐ大規模災害に手を打つ必要に迫られ、補正予算を含めるとわずかながら増加傾向になってきています。公共事業は防災対策の重要な柱です。国に十分な予算措置を求めるとともに、県としても、不要不急の大型開発事業は見直し、防災対策に重点的・優先的に配分する安心・安全の公共事業を進めていただくよう強く求めます。

 

 本県の警戒区域についての指定は基礎調査を経て基本的には終え、必要に応じて調査・指定を行っているものと理解いたしました。

 

 土砂災害防止法により、土砂災害警戒区域は市町村の義務として、土砂災害発生の恐れがある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を行うとされております。自治体は、土佐災害警戒区域内の土地の現状監視・把握する責務を負うことになるので、ハザードマップを作成し住民に配布するなどしております。

 2018年の西日本豪雨で土石流が発生し、全壊8棟、大規模半壊2棟の甚大な被害が発生した神戸市六甲山麓の篠原台では、ここはほぼ全域が土砂災害警戒区域に指定されていたのですが、約3割の世帯の住民がそのことを知らなかったと、被災後の神戸新聞の調査で明らかになっております。神戸市は、ハザードマップの配布が中心で、指定の根拠などの詳しい説明を十分には行っていなかったとの指摘もあります。

 土砂災害警戒区域の指定そのものが目的になってはいけないと思います。住民に警戒区域や避難勧告の意味を正しく理解してもらう啓発を進める必要があると思いますが、このことについて県は市町村に対して、どのように指導・援助を行っていますか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 土砂災害警戒区域等を指定する際には、市町村と共催で、住民説明会を行い、住民に十分に周知を図っております。

 また、市町村に調査の結果を通知する際に、土砂災害警戒区域等の内容について詳細な説明を行っております。

 さらに、市町村防災担当者会議を通じて、法令についての説明や警戒避難の取組みの事例の紹介を行っております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 土砂災害防止法は、多大な費用と時間を要するハード対策と併せて、住民の生命・身体を守るため、危険の周知や円滑な避難体制の整備を行うなどのソフト対策により、土砂災害対策を進めていくことに目的があります。住民が知らなかったなどということがあってはならないと思います。引き続き啓発に努めていただきたいと思います。

 土砂災害警戒区域には、開発や建築物の規制はありません。一方、土砂災害特別警戒区域に指定されれば、都道府県知事による開発の許可や建築物の構造規制などの制限があり、時に移転勧告の対象にもなります。

 2018年の西日本豪雨では、神戸市の篠原台や広島市の安佐北地区などのように、多くの土砂災害警戒区域で被害が発生しました。開発許可や建築物の構造規制がなく宅地開発された結果でもあります。そのため、土砂災害警戒区域に宅地造成され、危険地域と住宅地が隣接する状況が増え続け、砂防ダムや擁壁などの防災が開発に追いつかない状況も全国のいたるところで見受けられます。このような土砂災害警戒区域では危険箇所の開発抑制は難しく、土砂災害特別警戒区域への見直しも必要に応じて行うべきではないでしょうか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 土砂災害警戒区域のうち、土砂災害が発生した場合に建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある土地の区画については、住宅宅地分譲等の新たな開発に対する許可が必要となり、また新たな建築や建て替えに対する構造規制が行われる土砂災害特別警戒に指定しております。

 今後も必要な土砂災害特別警戒区域の指定に取り組んでまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 私はむしろ、危険地の開発を規制するために新たな法の整備や条例の制定が必要ではないかと思います。ぜひ、ご検討願います。

 

 2018年の西日本豪雨では、北九州市でも278箇所の崖崩れが発生し、門司区奥田地区では2名の尊い命が奪われました。二次災害を引き起こさないためにも早急の対応がいたるところで求められましたが、このとき問題になったのが人口崖です。人工崖が災害復旧事業の対象にならないということでした。

 そこで改めてお尋ねします。なぜ人工崖は事業対象ならないのかご説明をお願いします。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 人工崖が事業対象にならないのは、宅地造成などにより形成された人工崖については、その行為者の責任において対策するという考えに基づいているものです。

 なお、平成30年に2名が亡くなられた奥田地区につきましては、自然崖であったことから災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業を実施し、令和2年3月に工事は完了しております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 奥田地区の場合は、自然崖だったので国の補助事業で措置したと、人口崖はその原因をつくった者の自己責任だと、こういうことになります。

 

 北九州市の場合、平地が少なく人口急増に伴い山地を開発して宅地造成が進められました。ですから人工崖が多く存在しています。この時の豪雨災害でもそのような傾斜地のいたるところで被害が発生しています。

 住民は高齢化も進み資力も限られており、自力で修復できなければ危険な状態のまま放置されることになります。原因者を特定できない場合も少なくありません。そうした崖地が崩れた場合、開発を行った原因者(所有者)のみならず、近隣の住宅・住民も巻き込まれ、甚大な被害を引き起こすことにもなりかねません。

 被災者に対する支援は、相次ぐ甚大な自然災害の中で、年々見直され様々拡充されていっています。危険ブロック塀の撤去費用や、がけ崩れなどの危険がある区域内の既存の住宅を除去し移転する住民に対し移転費用を補助する「がけ地近接等危険住宅移転事業」など、人工構造物に対して行為者、原因者への公的支援を行う制度もすでに存在します。

 国に対し、人工崖も事業対象に加えるよう、法の改正を求めるべきではありませんか。また、特に危険だと認められる場合などは、県としても予算をつけ独自の支援策を検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

白岩正憲 砂防課長

 

 砂防事業として県独自の支援策は検討しておりませんが、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業全般につきまして、斜面の高さ、保全人家戸数、事業費、人口斜面対応などの採択要件の緩和を国に要望しているところです。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 国への要望の中に人口崖も含めているということですね。事業採択の要件緩和を国に求めていただいているということですので、その必要性を県としてもお認めになっているということだと思います。ぜひ国に強く働きかけていただきたいと思います。また、必要性は認めるが国がしないから何もしないでは、被害が生じたときに県の責任も問われることになると思います。人命にかかわる事です。県独自の支援策もぜひ検討していただくことを重ねて強く要望し、質問を終わります。

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