● 21年03月18日 県議会報告

2021年3月18日 2021年予算特別委員会 高瀬菜穂子委員 質疑・答弁「コロナ禍の教育について」(大要)



2021年3月18日   2月定例会(予算特別委員会)高瀬菜穂子委員質疑(大要)

 

 

 

<コロナ禍の教育について>

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。コロナ禍の教育について伺います。

 まず、先の決算特別委員会でも取り上げました少人数学級についてです。コロナ禍、少人数学級の必要性が叫ばれまして、少なくとも25都道府県議会、634市区町村議会から意見書が出されたのをはじめ、さまざまな形で署名にもとりくまれるなど、かつてなく世論がたかまりました。文科省も小学校の35人以下学級を発表、新年度から順次実施の方向が示されました。先日は、中学校についても、菅総理自身から拡充の方向での発言もありました。教育現場と保護者の長年の要求が前進しようとしています。新年度、国に先んじて、35人以下学級をすすめる自治体は、全教の調査で、16県3政令市にのぼります。福岡市・北九州市でも小学校を35人以下にする施設整備が行われると聞いております。コロナ禍、同じ福岡県でありながら、政令市以外の県域については、35人以上の学級が残ることになり、公平の観点からも問題ではないでしょうか。小中学校の少人数学級実施状況について、資料をお願いしていますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

 

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 簡潔に資料の説明をお願いします。

 

田中直喜 教職員課長

 

 令和2年5月現在の、小中学校の学級規模の状況でございます。小中学校の学年を縦に並べて、横に35人以下の学級と36人以上の学級とに分けたものでございまして小学校の1年生、2年生はすべて35人以下でございます。36人以上の学級数は、小学校の合計で9.3%にあたる485学級、中学校では39.0%、791学級、小中の合計で1,276学級でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 36人以上のクラスが、小学校で485、中学校で791学級もあるということですが、すべて35人以下学級にするためには何人の教員が必要となりますか。

 

田中直喜 教職員課長

 

 小学校では438人、中学校では330人必要でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 密な教室になっていると思うんですね。その密な教室に、現在タブレット保管庫なども設置されて、ますます狭くなっているときいています。県として、予算をつけて他の自治体で、多くの自治体で取り組んでいるようにですね、35人学級、35人以下学級に取り組む考えはないでしょうか。また、今後、順次35人学級になりますが、教室の確保について市町村と話し合っているのかについても、お答えください。

 

田中直喜 教職員課長

 

 先ほどご案内の、両政令市につきましては、担任外の教員と国の加配定数を活用して来年度から全ての小学校において35人学級、以下学級が実施されると聞いております。

 県域につきましては、これまでも市町村の意向を尊重いたしまして、加配定数等を活用した少人数学級の実施を認めてきているところでございまして、今年度、これにより増加した学級数は、小学校で259、中学校で69,合計で328学級となっております。

 今後も引き続き、学校や地域の実情に応じた弾力的措置を推進してまいります。

 

池松峰男 施設課長

 

 35人以下学級の導入に伴います教室の確保についてでございますが、これは各市町村におきまして判断されることになります。県といたしましては、適切な教育環境の整備が図られますよう、国庫補助制度を含め、必要な情報提供に努めてまいります。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 これまでと変わらない答弁で、大変残念ですが、328学級が県の弾力的措置によって少人数学級になっているということです。本来国が十分な教員配置を行うべきであると思います。ただ、今、コロナ禍で密を避けなければならないという緊急事態です。例えば40人のクラスについては、解消を図るなど部分的にでも教員を増員しての対応を考えていただきたいというふうに思います。

 我が会派は、昨年秋、全県の小中高特別支援学校1,191校にアンケート調査を行いました。約1割の117校から回答がありました。貴重なご意見をたくさんいただきました。少人数学級を求める声は圧倒的で切実です。「せめて30人以下に」「早急に35人以下に」「できれば25人以下を望む」などの声が寄せられています。また、教師の充足率について「定数が充足している」は回答した学校では53%、半数近くの学校が充足していないと答え、病気や産休育休の代替措置が「できていない」学校が3割に上りました。極めて深刻な先生不足の実態が示されました。そんな中で、コロナ対応を行っているわけで、現場の苦労は計り知れません。「教職員がベクトルをそろえてスクラムを組むしかないと考えています」とか「あらゆる視点でのマンパワーを期待したい」「いろいろな制限や行事の中止などの中で、子どもたちも教員もよく頑張っている。特に教員には登校時の健康チェックなど日常的にこれまで以上の業務をしてもらっており、心身の健康が心配である」など、校長先生の苦悩があふれておりました。だからこそ、教員を増やして少人数学級にすることが本当に切実ですので、ぜひ検討をお願いします。

 さてこうした現場の声を踏まえて、ぜひとも見直していただきたいのが、教員を評価する「人事評価制度」です。すべての教師が力を合わせ、難局を乗り越えようとしているとき、教員を評価する制度は学校現場にそぐわないということを痛感します。教員を委縮させる評価制度ではなく、現場を励ます行政こそ求められていると考えますが、見解を伺います。

 

田中直喜 教職員課長

 

 教員の日々の授業や学級経営、生徒指導等を的確に評価し、これを処遇等に反映させるということは、本県の教育、教育力を高めていく上で重要な取り組みであると考えております。

 コロナ禍におきましても、児童生徒の成長と教員の意欲や資質向上、資質能力の向上につながるように、この人事評価制度の効果的な運用に努めてまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 懸命にベクトルをあわせ、一丸となって、教育活動を行っている現場で、処遇に反映させる評価を行うことが教育力向上につながるとは思えません。評価ではなく、悩みが共有できるゆとりある環境をつくり、お互いに話し合い、研修できる現場でこそ教育力の向上は図れると考えます。先生が足りない現場で、これまで以上の仕事をお願いし、そのうえABCと評価するのは、やめるべきだということを強く申し上げておきます。

 次に、コロナ禍で進んだICT教育について伺います。この間、タブレットが全生徒に配布されるなど、本県内でも急速にICT教育がひろがりました。理解しやすい教材がある一方、準備に時間がかかる、画一的な授業にならないか、などの声も聞かれます。この間の実践において、タブレット利用の授業、またリモート授業などの課題について、どのように考えているか伺います。また、学習指導員、ICT支援員などに新たな予算がついたとお聞きしていますが、本県では、どのような計画になっているのか、合わせてお答えください。

 

塚田淳 義務教育課長

 

 これまでにおいては、県が指定した研究校を中心に、ICTを活用した授業実践が行われてまいりました。一方、その他の各学校においては、本年度中に児童生徒1人1台の端末が整備されるため、ICT教育の普及や充実はこれから進めていくものであると考えております。

 県教育委員会としては、今後の推進にあたり、対話的な教育などこれまで培ってきた教育実践と、最先端のICTを適切に組み合わせることにより、一人一人の資質能力を一層確実に育成する教育活動を実現することが必要だと考えております。

 また、学習指導員の予算につきましては、大規模の小・中学校及び義務教育学校に、学習指導員を配置する市町村に対して、財政的な支援を行うこととしております。

 

池松峰男 施設課長

 

 ICT支援員についてでございますが、来年度から、タブレットなどのICT機器を活用した授業が本格的に実施されることに伴いまして、先生方の操作の習得、ICT機器を活用した授業改善、さらには機器の設置準備など先生方の新たな業務が発生することが予想されます。

 こういったことから、県立学校におきましては、先生方の業務の負担軽減を図るとともに、ICTを活用した学習活動がより積極的・効果的に進められるよう、教員の技術的サポートを行いますICT支援員を、来年度、全県立学校に配置することとしております。

 また、市町村におきましても学校教育におけますICT活用が推進されるよう、ICT支援員の配置など必要な支援体制の整備これについて要請を、これまで要請をしてきたところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 今、義務教育課長から「対話的な教育などこれまで培ってきた教育実践と、最先端のICT技術の適切な組み合わせにより、一人一人の資質能力を一層確実に育成する教育活動を実現することが必要」とのご答弁がありました。子どもの学びは、集団の中での気づきや発見、交流で深まると考えます。ICT技術が適切に使われるよう、そのための支援員等の人員配置も、国は4校に一人で予算措置しているということですので、十分に活用していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

 次に、学力テストについて伺います。国は全国学力テストの実施を今年度見送りました。国連子どもの権利委員会は、政府に対し、日本の子どもが「過度に競争的な教育制度のストレスにさらされ、かつその結果として余暇、運動および休息の時間が得られないために子どもたちの間で発達障害が生じている」とその是正を何度も勧告しています。導入時には、平均点の発表はしないといっていた文科省ですが、平均点が発表されるようになり、「平均以上をめざす」などの目標が各地で立てられ、平均点競争の中に子どもたちを置くことになりました。過去問を繰り返すことは全国で行われています。平均点を下げることになると自覚している子どもが、「先生、明日学校やすむからね」といってきたとか、複雑なB問題ができない子どもが、教室を飛び出して「僕は馬鹿だから」とうずくまったとか、深刻な報告があります。競争をあおることになった学力テストは数年おきの抽出とし、子どもと向き合う時間こそ大事にすべきと考えます。学力テストについて、来年度も行わないよう国に求めるとともに、県のテストも行わないよう求めます。見解を求めます。

 

塚田淳 義務教育課長

 

 国及び、県の学力調査は、児童生徒の学力や学習の状況を把握分析し、学校における検証改善サイクルを確立するために重要な役割を担っていると考えております。

 特に本年度実施した本県の学力調査については、当初の実施目的のとおり、臨時休業を経た学力の定着状況を把握することができ、調査を見送らずに実施した成果があったものと考えております。

 県教育委員会としては、市町村や学校が全ての児童生徒の学力実態を具体的に把握し、教育施策や日々の授業の改善等に的確につなげられるよう、国の学力調査については引き続き悉皆調査により実施されることが適当であると考えております。また本県の学力調査につきましても引き続き実施してまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 臨時休業を経た学力の定着状況というのは、各学校や教室で十分把握可能だと思いますよ。一定の基準が必要であるならば到達度をはかるシートなどを活用して、それぞれが把握すればよいことだと思います。一斉テストで、競争的になることはやめるべきだということを申し上げておきます。国連子どもの権利委員会は、新型コロナパンデミックの中で、昨年4月声明を出し、子どもの権利である「休息、余暇、レクレーション、ならびに、文化的及び芸術的活動に関する権利を子どもが享受できるようにするため、創造的な代替策を探求すること」と各国政府に要請しています。子どもたちは、突然の休校で家での生活を余儀なくされ、学校が始まると、後れを取り返せとばかりに、かなりの詰め込み授業が各地で行われ、夏休みも短くなり、テストとなれば、子どもたちにはストレスです。子どもたちの「休息、余暇、レクレーションの権利」は侵されているのではないでしょうか。

 京都の亀岡で「子ども新聞」が発行されています。大人が読む新聞です。子ども記者のつぶやきに「親がイライラしている。先生もイライラしている。だから、僕もイライラする」「今一番の課題は一言もしゃべれない給食や、誰か死んだみたいにシーンってしてる」「17日間の夏休みで登校日7日ってどうしたらいいの?宿題だけは立派に出して。腹立つわ」正直な声だと思いました。こうして思いが表出でき、思いを受け止めてくれる大人がいれば、子どもたちの心は落ち着くと思います。ガマンの連続は本当に苦しいと思います。子どもは遊びの中で学び、成長します。児童福祉論研究の第一人者と言われる増山均氏は、遊びは子どものメインディッシュと言われます。食事と同様に大事だと。余暇の時間が無くなれば、心に負担がかかります。ストレスが外に向かえばいじめや暴力、内に向かえば自殺につながりかねません。昨日も小中高校生の自殺が増加しているとの報道がありました。臨時休校後、学校に通えなくなったとの声も聞きます。今、必要なのは子どもたちのケアです。教師がイライラしなくて済むように、子どもたちの心に向き合えるようにすることが行政の責任であり、そのことが落ち着いた学習環境をつくり学力向上につながるのだということを、私は強く申し上げたい。競争の教育ではなく共同の教育を、すすめていただきたい。子どもの権利委員会の指摘を受け止めた教育行政をお願いします。

 

 最後に「教員免許更新制」について伺います。多忙化に拍車をかけ、教員確保も困難にしている「教員免許更新制」については、私は、再三中止をするよう求めてきました。萩生田文科大臣は、中央教育審議会に、制度の見直しについて諮問をおこなったとのことです。県としても、国に対して制度の中止を求めるべきではないかと考えます。見解を伺います。

 

田中直喜 教職員課長

 

 中央教育審議会では、教師が多忙な中で経済的・物理的な負担感が生じているという声を踏まえまして、免許更新制の抜本的な見直しについて先行して結論が出されると聞いております。

 本県におきましては、今般のコロナ禍での業務量の増大を考慮いたしまして、今年度末に更新期限を迎える現教職員については、当面2年間、延長を認めてきていることころでございますが、この更新制度が、将来の教員数の確保とその資質能力の向上につながる方向で見直されることを強く期待しているところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 「見直しを期待している」との答弁ですね。期待だけではなくて、声をあげてください。更新制によって、教員確保に支障が起こっていますし、そもそも、教員が足りないのに、最前線で頑張っている人が、お金を出して講習を受けなければ、免許がなくなるということ自体、実態に全くあっていません。国に見直し、中止を強く求めてください。

 あわせて、昨年の予算特で議論をしました「変形労働時間制」について要望します。先に紹介しました学校アンケートで、「変形労働時間制で長時間労働が是正されるか」を聞きました。是正されるが10%、されないが56%、わからないが38%でした。現場の声は、「そもそも人が足りません」「年間の見通しがつく業種ではない」「学校は突発的なことにも対応しなければならないので難しい」「ひと月の時間外労働を45時間以内にすること自体に無理がある」というものです。コロナ禍で現場をさらに混乱させる変形労働時間制は導入しないよう求めます。条例制定を行わないよう強く求め質問を終わります。

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