● 21年10月05日 県議会報告

2021年10月5日 2021年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員質疑・答弁 「飯塚市白旗山における林地開発について」(大要)



<2021年決算特別委員会>

 

      2021年10月5日

 

「アサヒ飯塚メガソーラーによる林地開発について」

 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です。

 飯塚市白旗山のメガソーラー・林地開発について質問いたします。

 これまで私、何度もこの問題を取り上げてきましたが、現在行われているアサヒ飯塚メガソーラーによる林地開発はこれまでにもまして危険で深刻な事態になっておりますので、再度取り上げるものです。飯塚市の白旗山では複数の事業者によるメガソーラー設置のための34ヘクタールの林地開発が進められており、そのうちの一つ、アサヒ飯塚メガソーラーは、2016年3月31日に一条工務店が林地開発許可を受けた事業を、2018年6月27日に林地開発行為者地位継承届を県に提出して事業を受け継ぎました。A調整池、B調整池、二つの調整池を含む防災施設を本工事に先行して行うことが条件です。

 

 アサヒ飯塚メガソーラー、以下アサヒと申し上げますが、この開発区域内で

 重大な事故が3件も起こっています。

 昨年9月21日にB調整池東側斜面で落石が発生、住宅のすぐ手前まで迫りました。その直後、同年10月には、今度はA調整池の造成中に、その法面390㎥が大崩落を起こし現在もそのままになっています。そして今年5月20日には、昨年落石が起きた現場のすぐそばで、わずかな雨によって造成地の法面が崩落し、土砂が流出する災害が発生しました。住民の生命にかかわる重大な問題です。一連の事故に対してどのように認識していますか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 昨年の9月21日のB調整池東側斜面の落石の件につきましては、造成地の法面から落石が発生いたしまして、事業者が設置した柵で止まったものでございます。

 一方、A調整池の法面の件につきましては、調整池の造成中にその上部の法面が崩落し、調整池内に土砂が流れ込んだものでございます。

 また、本年5月20日には、降雨により工事中であった水路から、土砂や濁水が事業区域外に流出したものでございます。

 これら3件とも、施工手順の誤りなど事業者の不注意によるものでありまして、未然に防げたものであると考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 業者の対応は、適正ではなかったということだと思います。では、県の指導はどうだったのでしょうか。

 防災施設について伺います。林地開発においては、まず防災施設を設置しその後に造成工事に着手することとなっております。昨年9月21日に落石事故が起きたB調整池流域内の現場は、すでに森林を伐採し盛土され、パネルを張り出していたと聞いています。この時点でB調整池等の防災施設は完成していたのですか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 県では昨年8月7日にB調整池の完了と防災機能が発揮できる状況にあることを確認したところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

「防災機能が発揮できる状況」とはどういうことでしょうか。防災施設は完成していたのかどうかを聞いています。お答えください。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 B調整池は完成しておりましたが、これへ導水するための水路については一部工事中でありました。この工事中の箇所については工事用道路に使用するため、その間、仮設の水路を設けていたものです。

 今回の完了確認では、こうした仮設水路も含めまして、調整池に導水する措置が取られていることで、防災機能が発揮できる状況になっていることを確認しております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 防災施設が完成したわけではないということですよね。それでも「防災機能が発揮できる」と言っていますが、それならなぜこのような事故が2回も起きたのですか。不備があったのではありませんか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 B調整池流域で発生した落石につきましては、重機により仮設道路をつくる際、誤って落下させたものでございます。また、事業区域外への土砂等の流出については、降雨時に防災施設である仮設の水路に周辺からの土砂が流れ込まないよう、土のう設置などの措置が十分に行われていなかったものであります。

 いずれの件についても、施工手順の誤りなど事業者の不注意でございまして、防災施設に不備があったものではございません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 「事業者の不注意で防災施設に不備はなかった」。そうでしょうか。水路も含めて防災施設でしょ。今年6月の立川議員に対する知事答弁でも、「防災施設とは、2箇所の調整池と、これに導水するための水路」と、説明されています。アサヒ自身が、この顛末書で、「水路がつながっていなかった」と、書いています。防災施設が完成していない。それなのに、「防災機能が確保された」と。いわば、ごまかして、本体工事、パネル設置を認めたわけですよ。県の責任は重大です。

 本年の飯塚市9月議会において、市の経済部長は質問に答えこのように言っています。「福岡県に対しましては、住民の十二分な安全安心や森林法第10条の2に規定する災害などのおそれにたいする最大限の対策措置を講じるよう指導と責任のまっとうをお願いしておりましたが、昨年9月の落石事故や本年5月の大雨に伴う開発地からの土砂流出などが発生しており、残念ながら住民の不安は払しょくされず不安が募るままとなっております」。こう答えておられるんです。県の指導監督が厳しく問われていると思います。

 防災施設と関連しますが、樹木の伐採について伺います。B調整池流域の事故現場は、樹木を伐採して丸裸にされたうえに盛土がされたと、住民の皆さんは言っておられます。住宅地のすぐそばで、近隣住民は大変不安に思われていました。結果としてこの盛土が崩落したわけですが、この盛土は開発を許可した当初から計画にあったものでしょうか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 ご指摘の二つの現場につきましては、切土によりまして法面整形を行っているところでございまして、盛土ではございません。当該箇所につきましては、当初からの計画通り法面整形後に植栽することとしております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 切土なのに落石や崩落が起こったということでしょうか。防災機能を確保したのに崩れた、法面整形という名の盛り土ではないのですか。

 ここに昨年持ってまいりましたが、昨年1月6日に県が注意喚起の指導文書をアサヒに手渡した際に、協議した内容が書かれた報告書があります。これによると、アサヒは「平面図における伐採範囲は、当初の計画としてとりあえず入れたもので、B調整池完成までに拡大等も含めて変わるものである」と主張しているんですよね。これに対し県は、「なぜ最初に適切な図面を提出しなかったのか」と指摘をし、言った言わないの水掛け論になったと書かれています。業者の言い分はひどいと思います。県は真っ当だと思うんですが、ところが、結局県はですね「今後適宜協議を行い現行進行を図るよう指導した」と書かれているんですね。

 アサヒは、仮調整池の施工に伴い発生した土砂の置き場を確保するためとして、住宅地に隣接した区域と北側区域を伐採し土砂置き場を確保したいと要求しています、その中でね。県は北側区域については明確に認めていませんが、住宅地隣接区域については「協議する」と事実上これを認めているのではありませんか。協議という名のもとに要求に応じているのではありませんか。住宅地に隣接した区域の伐採を認め、そして崩落につながったのではないか、疑念を持ちます。

 

 県は、何度も事故を起こし、顛末書を提出するこの業者を、指導に従っている、というのですが、そうでしょうか。今年5月20日のB調整池東側の土砂崩れ、土砂崩落に対して県は5月24日に指導文書を出し、アサヒは、同日顛末書で「今後このようなことが起らないように対処してまいります」と反省の弁を述べています。

 しかし、1か月後の6月21日付で、県はまたしても指導文書を出すに至っています。これについての説明を求めます。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 本年5月24日付で県の方に発出させていただきました指導文書でございますが、5月の20日に降雨により場外へ土砂等の流出が起ったことに対しまして、直ちに応急措置などを講ずるよう指導したものでございまして、その後、事業者が適正に応急処置を実施したことを確認をしております。

 また本年6月21日の指導文書につきましては、A調整池ですね。先ほどからちょっとお話が出ておりますが、貯水容量の確保を待たず、事業者が一部パネル用の支柱を設置したという状況でございますが、これは防災工事に先行して本体工事を施工したということを6月4日に確認をいたしましたため発出をしたものでございます。

 これを受け事業者は、防災工事以外の工事を中止をいたしまして、防災工事を早期完成させるといった顛末書を提出しておりまして、県ではこの顛末書どおり実施されたことを確認しております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 指導に従ったということを強調されたんですけれども、ここでパネルを見ていただきたいと思います。

 

〈写真〉B調整池

 これは、B調整池ですね、見えるでしょうか。B調整池、5月の20日に崩落をしまして、今もずっとこの青シートが被せられたままなんですよね。この20日に崩落をして、24日に指導文書を出し、同日顛末書も出された。「今後このようなことは起こしませんと」と反省の弁を述べられた。そのわずか1週間後ですよ

〈写真〉A調整池

 こちらはA調整池であります。今お話しがありましたようにですね、6月4日に県は確認していますけれども、5月の31日、24日に顛末書を出して、そしてその1週間後5月の31日に飯塚市が壊れたこの調整池、去年壊れた調整池の上に杭が打たれているのを見つけ、これを県のほうに通報されたんですね。それを受けて県は、6月4日に確認をして指導文書を出されました。調整池が出来ていない、そして、施設も出来ていない、そして機能もないということで、それなのに本体工事の杭を打ったということでここで指導をされたということになっているんですよ

 これがもうしませんと言っておいて、1週間後にね、別の調整池だと言ってもこれほんとに同じ区域ですから。同じ区域でこういうことをやる。

 B調整池で指導を受けた直後に、今度はA調整池側で、防災施設ができていない、防災機能も確保されていないのに、杭を打ち、本体工事を始めた。

 どこが指導に従っているんでしょうか。同じ事業者による同じ開発区域内での行為です。非常に悪質だと思います。

 さらに問題なのが、その後の県の対応です。7月30日に、県はこの後ですね、7月30日に飯塚市をともなってA調整池を確認し、完成を認め本体工事への着工を許可しています。もう一度見ていただきたいんですが、この写真は8月16日のものです。つまり県が完成を、調整池は完成していないけれども、ということで本体工事の着工を許可したあとなんですよね。A調整池はこのように法面は大規模に崩落したままであります。この状態のまま、この上にどんどんソーラーパネルが張られていくわけですよ。崩落した個所は水路が寸断されているのがわかります。

 これでA調整池は完成したと言えるんでしょうか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 委員ご指摘の箇所でございますけれども、調整池の外の上部法面でございますが、それが昨年の秋に崩落をしたところであり、調整池の機能に影響を及ぼさない箇所でございます。

 そのパネルのちょっと下のほうに調整池があるという形になっております。写真のですね。県では、調整池の機能が発揮されている状況であることを現地で確認をしております。

 なお、当該崩落個所でございますけれども、現在、事業者の方で復旧工事を進めているところでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 はい、またしても、防災施設は完成していない、しかし、防災機能が発揮されている、だから本体工事、パネル設置もやってよい、というわけですよね。これで本当にいいのでしょうか。B調整池では、そう言って二度も事故が起きているではありませんか。

 以上の経緯を見ても、A調整池、B調整池をめぐって、文書による行政指導が繰り返されていることがわかります。重大事故を起こしても「反省している」と述べ、その舌の根も乾かぬうちにまた違法行為を繰り返す。非常に悪質です。

 県はこれまで、アサヒは指導に従っているから許可条件違反ではない。監督処分、許可取り消しの対象にならないとくり返してきました。

 しかし一方で、「行政指導を継続しても効果が少ないと見込まれる悪質な違反行為に対しては、違反行為が継続することにより、森林の有する水源の涵養、災害の防止などの公的機能に支障を来たし、さらには社会的不安の増大を招くといった可能性があることから、早急に監督処分を行うこととしている」とも述べています。アサヒは、まさにこれに当てはまるのではないでしょうか。指導に従っていないのは明らかだと思います。許可を取り消すべきだと考えますがいかがですか。

 

因 孝一郎 農村森林整備課長

 

 県では、林地開発に関しまして、許可条件に違反する行為があった場合、福岡県林地開発行為許可事務取扱要領に基づく行政指導、こちらを活用しており、度重なる行政指導に従わない悪質な場合におきましては、森林法に基づく監督処分を行うこととしております。

 今回の事業者につきましては防災工事に先行してパネルの支柱を設置した許可条件違反は1件。それ以外については施工手順の不備による指導3件でございます。いずれも現時点において県の指導後は、その指導に従っているところでございまして、森林法による監督処分にはあたらないものと考えております。

 今回の開発につきまして、県としましては引き続き開発行為が完了するまで、随時現地調査を行うなど、森林法が順守され開発行為が許可通り行われるよう、事業者を指導してまいります。

 また、住民の要望を事業者に伝えるとともに、事業者に対しては土砂の流出を防ぐため、緑化工事に早期着手するよう働きかけるなど、住民が安心できるよう努めてまいりたいというふうに考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 許可条件違反1件、指導3件、指導に従っているといわれるけれども、これほど危険な工事を進めている。度重なる行政指導に従わないといえるのではありませんか。この業者は、まともに住民に説明しようともしません。県が許可した工程表とは違う裏工程表を作成し、住民に配布したりもしました。これに対して県は、実に甘い指導をしてきたのではありませんか。当初の計画と違う伐採を要求しても、これらを「協議」と称して県は追認してきたのではありませんか。県の指導がアサヒの要求に合わせているとしか見えないではないですか。県のこうした姿勢が業者を野放しにし、違法行為を誘発していると思われてなりません。住民は豪雨が発生すれば、熱海の何倍もの被害になると、本当に恐れています。

 神戸市は2018年の西日本豪雨を受けて、翌年7月、太陽光発電施設の立地を規制する条例を施行しました。出力10キロワット以上の施設を新設する場合は市への届け出を義務づけ、土砂災害警戒区域などは禁止区域に、勾配30度以上の急傾斜地や住宅地、鉄道用地から50m以内などは許可制としています。

 山梨県では本年10月、県土の8割を占める森林や地滑りの恐れがある傾斜地などでの新設を許可制にする条例を施行します。

 経産省によりますと、太陽光などの再生可能エネルギー施設の設置を抑制する条例数は、16年度は26件でしたが、20年度には134件と5倍に増え、全国の自治体の1割近くを占めるに至っています。

 本県もこうした自治体に学ぶべきではありませんか。事業者の横暴を追認していては住民の生命は守れません。国も法令で土砂災害の危険性がある場所での新設を抑制する方向で検討に入りました。

 

 アサヒは指導に従っているとは言えません。許可取り消しを含めて厳正に対処すべきです。本県の監督行政が問われているということを申し上げまして、質問をおわります。

 

以上

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