● 22年10月06日 県議会報告

2022年10月06日 2022年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員 質疑・答弁 学校給食について・県立学校への通知について(大要)



2022年10月6日決特・学校給食について(大要)

 


 

<2022年決算特別委員会>

2022年10月6日

 

学校給食・県立学校への通知について(大要)

 
 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。通告に従いまして、まず、学校給食についてお尋ねします。
 北九州市の学校給食で、7 月 14 日、中学校に納入された米飯が腐敗していたことがわかり、ニュースとなりました。北九州市にお聞きしますと、これ以前にも同様の報告があったということです。子どもたちの給食のご飯が腐っていたというのはショッキングな話です。北九州市は炊飯の委託していました。そこでまず、炊飯を委託した場合の米飯の供給体制はどうなっているのか伺います。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 炊飯を委託する場合は、県学校給食会と学校とが供給契約を結び、県学校給食会が指定した炊飯工場から学校へと供給されております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 学校給食会と学校との契約ということですね。
 炊飯を委託する工場の多くはパン業者になっていると思いますが、現在の業者数と全体の提供数、現在の業者ごとの米飯提供数を明らかにしてください。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 令和 4 年度学校給食用米飯の委託業者は 9 社であり、提供数は、290 校、124,870 食であります。
 米飯提供数につきましては、最も多かった業者で 55,741 食、最も少なかった業者で485 食でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県内小中学生が約 418,000 人ぐらいだと思うので、4 分の 1 以上の児童生徒に委託炊飯で米飯が届けられているということだと思います。55,000 食を超える業者と 485 食の業者があるということで、業者によって提供数が大きく異なりますよね。以前、私は、パン焼き機で炊飯をしているところを朝早く視察をさせていただきました。その時にですね、提供数が多い場合、炊飯の前日から洗米をして、そして何時間にもわたって水に浸して後に炊飯をしているということでですね、ちょっと驚いたんですね。給食の調理は衛生上、食材の配送も含め原則当日に行われるというふうに承知をしておりますのでこの委託炊飯の在り方については改善が必要なのではないかと感じ、これまでも問題提起をしてきたところです。昨今は温暖化で気温が高いことや、配送範囲が広く、到着まで時間がかかることも業者さんにも大きな負担をかけていると感じております。こうしたことと、今回のこととは関係がないと言えるでしょうか。
 北九州市で起きた、このご飯が腐っていたという原因についてどのようにお考えですか。またどのような改善策が示されたのか、お答えください。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 北九州市によりますと、本件は、米飯が 18 食分入る保温用ケースに米飯を 2 食分入れ納品されたことから、ケース内の温度が目安となる 60℃を保てず、一般細菌が増殖しやすい 30℃から 40℃の温度帯が続いたことが原因であると推測されると聞いております。
 改善策としましては、北九州市教育委員会が契約相手方である県学校給食会を通じて製造業者に対して適切な温度を保った納品を指導し、再発防止を徹底させたと聞いております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 北九州市教育委員会が、製造業者に改善を求めて再発防止策として、6 食用の小さな発泡スチロールの箱をつくったということを私もお聞きしています。
 しかし、それが、根本的な解決になるのか心配なんですね。給食調理員さんの話では、同じ県産米でも、ご飯の風味は業者によって全く違うということなんです。米飯提供数と業者の一回の炊飯能力、洗米や水に浸す時間などに基準を設けるなどの対策が必要ではないでしょうか。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 県学校給食会によりますと、受注できる適正な規模の基準はないが、業者に受注が可能か確認の上、発注しているとのことでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 学校給食会が委託している炊飯工場のその米飯が腐っているんですよ。箱を小さくするだけでよいのか、学校給食会として検証する必要があるのではないでしょうか。学校と供給契約をしているのは学校給食会でしょ。北九州市と業者との問題と、傍観していてよいのかと、このことが問われます。北九州市も学校給食会の指導を期待しておられました。学校給食会は独立した組織だといわれますが、先ほど、後藤委員から詳しく指摘がありましたように運営に責任をもつ役員には、教育委員会関係者、現職も含めおられます。それは、教育行政と密接な関係があるからで、特に子どもたちの健康に直結する食の安全について責任を果たしてもらいたいと強く思います。米飯の安全についての検証と業者に対する指導、そして業者に対する支援を含めてですね、強く要望したいと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、給食用のパンについて伺います。ウクライナ状況やまた円安の影響から、輸入小麦が高騰してきています。価格差が縮まっている中、給食用のパンは 100%県産小麦または米粉に転換すべきと考えます。現在の実績とあわせて、見解を伺います。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 令和 3 年度における県産小麦使用のパンの割合は、25.4%でございます。
 今年度の県学校給食会のパンの価格を比較しますと、輸入小麦 100%のパンと県産麦100%パンや米粉を原料としたパンとの間には、価格差がございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 価格差があるということですが、価格差はあっても、全体の 4 分の 1 が県産小麦や米粉を使ったパンになったということで、これ、大きく前進しているというふうに思います。やはり安全でおいしいパンをという思いの中で前進しているんだというふうに思っています。輸入小麦パンからは、グリホサートが検出されたこともあり、安全な県産に転換していただくよう強く要望いたします。

 次に、全国で進んでいる学校給食の無償化について伺います。物価高騰策として、県内でも那珂川市、桂川町などで期限付きの無償化となり、青森市は恒久的な制度に踏み出しました。学校給食が、自給率向上、地産地消のカギを握っているという観点からも、学校給食の無償化に踏み出すべき時だと考えます。県として助成制度をつくることについて見解を伺います。

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 学校給食費は、学校給食法において保護者が負担することとなっており、経済的理由により負担が厳しい保護者に対しましては、生活保護や就学援助制度による支援がなされております。
 このため、県教育委員会としましては、市町村教育委員会に対し、就学援助制度の周知徹底を指導するとともに、国の動向や、参考となる自治体の取り組みについて情報提供してまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 情報提供はされるということですね。憲法上は「義務教育は無償」であり、学校給食も本来無償であるべきです。子どもの貧困をなくす観点からも、学校給食の無償化は急がれる課題だと思います。県としても、国に対して無償化に踏み出すよう求めていただきたいと思います。
 この機会に、今問題となっている給食時間について伺います。給食の時間が短いことで、摂食障害になった中学生がいることが福岡市で大問題になっています。県として、学校給食の時間の基準や目安を持っていますか。また、給食時間の設定について、どのような指導を行っているのか、お尋ねします

 

中野一成 教育振興部体育スポーツ健康課長

 

 給食の時間の設定につきましては、文部科学省が定めた学校給食実施基準におきまして、「給食の準備から片づけを通して、計画的・継続的に指導することが重要であり、そのために必要となる適切な給食時間を確保すること」と規定されております。
 県教育委員会といたしましては、市町村教育委員会に対し、学校給食実施基準における適切な給食の時間の確保について改めて周知してまいります。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 その際にですね、ぜひ、給食時間が短くて、精神的に追い詰められて、直接的な原因としてですね摂食障害になった生徒がいるということも伝えていただいて、そして配慮をしたうえで、適切な時間設定を行うよう指導をお願いします。以上で学校給食についての質問を終わりますが、特に委託炊飯については、学校給食会で真摯に検討されるよう重ねて要望いたします。
 次に、「県立学校への通知」について、伺います。
 先日の安倍元首相の国葬にあたり、半旗掲揚の通知が県立学校にも出されたことについて、マスコミ等でも注目をされています。そもそも、県教委と県立学校長はどのような関係にあるのか、お答えください。

 

馬渡寛子 教育振興部高校教育課長

 

 県教育委員会は県立学校の設置管理者として全般的な事項に係る職務権限を有しており、学校長には、教育委員会規則等により、校舎の管理等を含め一定の管理権限が認められています。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県立学校長はそれぞれ権限を持っていると、いうことを確認したいと思います。
 このたびの「国葬」について、国論が二分する中で、全国で山口県と本県だけが半旗掲揚について学校現場に通知を行いましたけれども、このことについて「学校の独立性」「教育の中立性」の観点からどのように考えているのか、お答えください。

 

馬渡寛子 教育振興部高校教育課長

 

 学校における半旗掲揚は、国において公式行事として行われる国葬に際し、公の機関として広く哀悼の意を表するものであると考えております。
 したがって、本通知は、児童生徒や保護者一人一人に弔意を求めるものではなく、また、特定の政党を支持するための政治的活動には当たらず、教育の中立を侵すものではないと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 そうでしょうか。児童生徒一人一人に弔意を求めるものではなくても、半旗を掲揚することは弔意の表明であり、だからこそ、学校現場への通知に注目が集まっています。私ども共産党県議団と県委員会は、7 月に、教育長に申し入れを行いました。国葬の中止を求めることと、国葬が行われる場合に、半旗の掲揚や黙とうなど弔意の強制を行わないようにお願いをしたものです。その際、「慎重に対応する」と「総務省、文科省からの通知がどうなるか注視する」ということでした。
 ところが、各マスコミに「検討中」と繰り返していたにもかかわらず、前日になって、通知を出されました。私も驚きましたが、これには現場から要請の声があったのでしょうか。

 

井手優二 教育総務部総務企画課長

 

 今般の国葬儀の際しましては、その対応について、国から通知がありませんでした。そのような中で、県立学校を含む出先機関の長自身がそれぞれ独自に判断を求められることとなれば、対応に苦慮することが予想されましたので、それらの機関から正式な要請はありませんでしたけれども、県教育委員会として独自に考え方を示したものでございます。
 この通知の発出が国葬儀の前日となりましたのは、方針決定や通知の内容・文言等について慎重に検討を行ったためでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 国からの通知もなく、現場からの要請もなかったにもかかわらずですね、県教委が出先機関の長自身が判断し対応するのに苦慮すると考えて通知を出されたということです。それは、県立学校長の判断や学校長の権限、独立性を考慮すれば、私は越権行為ではないかと思うんですね。
 通知を出せば、学校現場に半旗掲揚の方向を示すことになるとの認識はありましたか、お答えください。また、学校現場で半旗掲揚となることを期待していたのか、このことについてもお答えください。

 

馬渡寛子 教育振興部高校教育課長

 

 本通知は、庁舎において半旗掲揚を実施するという教育委員会としての基本的な考え方を示したものであり、各学校においては、これを踏まえて対応を判断することになるものと認識していました。
 よって、各学校の対応を強制するものではありませんが、特段の事情がなければ、学校においても庁舎としての半旗掲揚を行うことになるものと考えておりました。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 県教委が通知を出せば、学校現場はいわば忖度をしてですね、半旗掲揚をするだろうとの期待をもって行ったということですよね。それは、事実上の要請ですよね。お知らせというふうにおっしゃっているんだけれども、要請になると思います。

 そして、深刻だと思うのは、県教委と学校長との関係です。これだけ国論がわかれた政治が絡む事案に、政治的中立を守るべき学校現場が、県教委の通知を正式にはなかったということですけど、暗に期待したりですね、判断に困るだろうと県教委がいわば親心で通知を出すというこういう関係ですね。これは独立した正常な関係ではないんじゃないでしょうか。この通知に対して、「県教委は通知を出すべきではない」と発言した学校長がおられるでしょうか。他の都道府県教委が通知発出をしなかった中で、本県の対応は自立性を疑うもので、大変残念です。そして、こうした体質が教育全般にあるのではないかと危惧するものです。
 高教組の調査で、20 校程度が半旗掲揚したと報道されましたけれども、結果についてどのように受け止めておられますか。

 

馬渡寛子 教育振興部高校教育課長

 

 国葬儀当日は雨天であったため、そもそも国旗掲揚を行っていない学校も相当数あると考えておりますが、各学校における半旗掲揚の状況は把握しておりません。
 また、各学校で国旗掲揚に関し、混乱があったとの報告は受けておりません。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 把握すべきでないことは当然です。把握しない、学校長の権限というのであれば、通知を出す必要はなかったし、出すべきではなかったと考えます。混乱はなかったといいますが、憤りを感じた職員や生徒は多数いたのではありませんか。半旗掲揚の報告が高教組に集まっていることにも表れているのではないかと思います。
 改めて、通知を出すべきでなかったと私は考えますが、この点については副教育長の見解をお聞きします。

 

上田哲子 副教育長

 

 今般の通知につきましては、県教育委員会として、児童、生徒、職員に弔意を強制することのないよう留意することを前提として、半旗掲揚に関する基本的な考え方を示したものでございます。今回の対応は、特定の政党を支持する政治的活動には当たらず、教育の中立性を侵すものではなかったと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 お答えいただきましたけれども、この件については責任者である教育長のご所見をぜひ伺いたいと思いますので、委員長、教育長保留のお取り計らいをお願いいたします

 


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学校給食について・県立学校への通知について(大要)

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