● 22年10月07日 県議会報告

2022年10月07日 2022年決算特別委員会 高瀬菜穂子委員 質疑・答弁 航空自衛隊築城基地の施設整備及び日米共同訓練について(大要)



10月7日【総括】築城基地の施設整備について

 


 

<2022年決算特別委員会>

2022年10月7日

 

航空自衛隊築城基地の施設整備及び日米共同訓練について(大要)

 
 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子です。通告にしたがいまして、航空自衛隊築城基地の施設整備及び日米共同訓練について伺います。航空自衛隊築城基地では、米軍普天間基地での「緊急時の機能移転」として、滑走路の延長事業や米軍用の施設建設が進められています。
 築城基地では、米軍の緊急時使用に係る施設整備と滑走路延長が進められていますが、現在の進捗状況について説明を求めます。

 

佐々木正 総務部 防災危機管理局 防災企画課長

 

 九州防衛局からは、「駐機場、燃料タンク、弾薬庫等の施設整備等について、今年度
 中の完了を目指している。そのうち滑走路の補修・改修は完了し、今月上旬には使用できる見込みである。また、滑走路の延長については、海面の埋め立てに伴う環境影響評価を実施している。」との説明を受けております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 先日、私も築城基地を視察させていただきました。米軍の庁舎、宿舎の完成が近く、また米軍の弾薬庫も自衛隊弾薬庫のそばにつくられていました。築城基地は広くないので、ひしめくように建物が作られています。滑走路は分厚いコンクリートに改修され、米軍の輸送機にも対応できるようになったということです。これまでに236億円が投入されています。今年度中に米軍に引き渡されるとのことですが、そうなれば、日米共同訓練等がこれまで以上に行われるのではないか、と危惧するものです。
 今年3月には4年ぶりに4日間、日米共同訓練が実施され、米軍からF-15戦闘機6機、人員約110名が参加しました。この時期、岩国や沖縄の米軍基地で多数のクラスターが発生していたことから、周辺住民からは「感染対策は十分に行われているのか」と心配の声が上がりました。110名の米軍人は、行橋市内のホテルを利用し、マスクをせずコンビニで買い物をしたり、マスクをせず酔っぱらって飲食店に入る姿が目撃されてたりしています。
 宮崎県では、県知事と基地周辺自治体の市長・町長とが、すでに締結している協定書に加えて、新たな確認書を九州防衛局長との間にかわし、「日米共同訓練に参加する要員の宿泊は新田原基地内とすること」や「米軍の訓練参加要員の滞在先などの情報を明らかにすること」などを確認しています。
 築城基地についても、県・周辺自治体と防衛省との間に確認書を結び、訓練参加の米軍人は築城基地内での宿泊を求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。

 

佐々木正 総務部 防災危機管理局 防災企画課長

 

 築城基地での日米共同訓練に関する情報につきましては、九州防衛局から県や築城基地周辺自治体へ適切に提供されており、防衛省のHPにも公開されております。県としては今後も、さまざまな基地問題について、築城基地周辺自治体と協議を続けてまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 九州防衛局から適切に情報が提供されているとのことですが、今年3月の共同訓練は米軍到着のわずか10日前に地元自治体に明らかになりました。どこに滞在するかということも公表されず、市の担当職員は何かあってはならないと、携帯を離さず、夜見回りをされたと聞きました。共同訓練が実施されている県では、その情報は、県のホームページ等で公開されています。しかし本県の場合、まったく情報発信はありません。驚くべきことだと思います。本県の対応は、住民の不安に応えるものになっていないと思います。もう一度聞きますが、訓練参加の米軍人は基地内に宿泊することなどを求める確認書を防衛省と交わすつもりはありませんか。

 

佐々木正 総務部 防災危機管理局 防災企画課長

 

 築城基地での日米共同訓練につきましては、築城基地周辺自治体と九州防衛局の間で協定を締結しており、騒音対策や安全対策等に配慮するとともに、訓練実施や万が一の事故に情報がすみやかに提供することとなっております。県としては今後もこの協定書の着実な運用を図ることにより住民の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 協定書を踏まえてやることは大事だと思いますけれども、それに加えてですね、宮崎県では、やはり確認書もつくり、その後、要望書も出すと。住民の立場で何度にもわたって声をあげているんですね、行政が。そうした姿勢にですね、学んでいただきたいなというふうに思っております。
 確認書について周辺自治体とも協議を行っていただきたいです。そしてせめて日米共同訓練の情報は他県なみに、県のホームページへ掲載し県民全体が情報共有できるようにしていただくことを強く求めます。

 次に環境部にお尋ねします。
 現在、滑走路延長に伴い、環境影響評価が行われていますが、住民の大きな関心は「騒音」がどの程度になるかということです。県は毎年築城基地の周辺の騒音について測定をされています。環境白書にも報告がありますが、その結果についてお答えください。また、騒音が基準を超えた場合にはどのように対処されているのか、お答えください。

 

吉川泰彰 環境部 環境保全課長

 

 築城飛行場につきましては、築上町役場築城支所に航空機騒音測定装置を設置し、年間を通じて騒音を常時測定しております。
 また、この常時測定を補う観点から、年に2週間程度の短期測定を8地点において実施しております。
 その結果ですけれども、令和元年度は、短期測定を行った2地点において環境基準を超過しておりましたが、令和2年度はいずれの地点においても環境基準を達成しておりました。
 測定結果については、基地を管轄する防衛省九州防衛局に通知するとともに、環境基準を超過した場合には一層の騒音対策を求めることとしております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 環境基準を超過する地点が通常でもあるということですね。その場合には九州防衛局に通知をし、一層の騒音対策を今も求めておられるということです。現在のこの航空機騒音測定装置を利用して、日米共同訓練の際の騒音を、測定し、公表することはできますか。

 

吉川泰彰 環境部 環境保全課長

 

 航空機騒音につきましては、単に測定結果を平均するのではなく、一日の測定データを昼間、夕方、夜間に分けて時間帯補正を行った上で、騒音のエネルギー量を解析し、1年間分の解析結果をもって環境基準の適否を評価することとされております。
 県においては、測定を行った翌年度に測定結果の解析を行った上で、毎年12月に公表しております。
 築城飛行場につきましては、築上町役場の築城支所において年間を通じて騒音を常時測定しておりますので、その測定結果についても日毎に解析を行っております。
 このため、公表以降に、日にちを指定いただければ、その解析データを提供することは可能です。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 公表以降ということは、1年後のデータ開示は可能であるけれども、リアルタイムで、何デシベルだったとかいうことはわからないということですよね。私ですね、新田原基地のある宮崎県の新富町でお話を伺ったんですけれども、ここでは町が会計年度任用職員を4人も雇用して、基地近くの小屋で1年中監視を行っているんです。離陸・着陸、タッチ&ゴーの回数、そしてそのたびに飛んでいく戦闘機の種類、何機編成などの情報とともに、何デシベルの騒音であったのかを詳細に記録をしています。土日に飛行する際には、何時何分離陸、何時何分着陸予定かも、町のホームページで知らせています。町民、住民への騒音被害について、リアルに掴んだうえで、防衛省にも申し入れなどをするというふうに町長が言われてました。私こういうふうにつかんでいるっていうのはほんとに関心したんですね。
 築城基地においても、今後ですね、どれだけの騒音が起こるかわからない中で、そうしたシステムも必要なんじゃないかと。また、今現在でも、今お話があったようにですね、環境基準もオーバーしているということもはっきりしているわけで、そういう状況でですね、今のままではリアルにつかむことができないということがね、はっきりしています。そういう中で今、滑走路の延長が進められ、環境影響評価が行われているということで、この環境影響評価について伺います。
 「福岡県環境影響評価条例の手続きの流れ」を資料として要求しておりますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

 

〈資料要求〉

 

新博司 環境部 自然環境課長

 

 直ちに提出いたします。


2022年決特(総括)環境影響評価の手続きのサムネイル

 

高瀬菜穂子 委員

 

 では簡潔に資料の説明をお願いいたします。

 

新博司 環境部 自然環境課長

 

 環境影響評価は、事業の実施に際し、その事業が環境に与える影響について、事業者が事前に調査・予測・評価を行うことにより、事業内容を環境保全上、より良いものにしていく制度でございます。
 お配りしております資料は、本県の環境影響評価条例の手続の流れについてお示ししたものでございます。
 基本的な流れとしまして、事業者は、①でございます。事業の検討段階において、配慮すべき事項を定めた配慮書、②番、②です。調査すべき項目や方法等を記載しました調査計画書。③で、調査結果や環境保全措置などを記載した評価書案、④で評価書案に対する意見を踏まえて作成した評価書、を作成することとなっております。
 築城基地滑走路延長事業につきましては、現在、3つ目の環境影響評価の「評価書案」の手続き中でございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 防衛省は、環境影響評価の項目に、「騒音」を入れていません。このことについて地元住民から、大変心配の声があがっているわけです。
 知事は、評価の流れの今説明のあった、2つ目の「計画書の策定」にあたり、騒音にかかわってどのような意見書を出しましたか。また、防衛省はそれに対してどのような対応をされたのか、お答えください。

 

新博司 環境部 自然環境課長

 

 防衛省九州防衛局が作成しました調査計画書に対して、騒音についての知事意見として、「事業実施区域の周辺には居住区域があり、騒音及び低周波等の影響が懸念されるため、十分な期間の調査、予測及び評価を行い、騒音の低減に積極的に努めること」を求めております。
 この知事意見に対して、九州防衛局から、「航空機の運行は、緊急時のみと限定的であることなどから、評価項目とはしていない。しかしながら、騒音対策の基礎資料とするため、騒音及び低周波の調査を実施し、想定される航空機騒音の程度については、評価書案へ記載した。」との見解が示されております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 評価書案に記載された調査結果ですけれどもこれを見ますとですね、基地周辺の6カ所を指定して、冬と春と2回合わせて14日間行われています。そのうちの3か所、築上町西八田大村、同じく今津、行橋市稲童では、14日間のうち半数の7日間、環境基準62エルデンを超えております。稲童では71エルデンと大きく上回っています。
 通常時における調査でも、現在でも、環境基準をオーバーしているんですよ。 それなのに、環境影響評価の項目に騒音が入っていないというのは、全く不当ではありませんか。知事も、意見書の中で、「騒音及び低周波等の影響が懸念されるため、十分な期間の調査、予測及び評価を行い、騒音の低減に積極的に努めること」を求めています。調査だけして、今でも環境基準を超えているのに、環境影響評価の項目には入れず、低減の方策も示さない。これはひどすぎると思いますよ。知事意見を提出する際にですね、4回目ですね、4ブロック目のところの知事意見を提出する際に、騒音を評価項目に入れるよう、強く求めるべきだと考えますが、見解を伺います。

 

新博司 環境部 自然環境課長

 

 先ほども申しました通り、現在、条例における評価書案の手続き中でございます。九州防衛局は、条例に基づき、この評価書案に対して提出された住民の皆さんや関係市町の意見を踏まえまして、評価書を作成することとなります。
 知事意見は、今後作成されるこの評価書の内容を確認した上で、学識経験者等の意見を踏まえまして、環境保全の見地から出すものでございます。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 手続き上のことはわかります。その際に、騒音についてきちんと評価項目とすべきであるこのことを知事として主張していいただきたいのです。先ほど数字で示されたように環境保全は今でも守られていません。周辺住民は、現在でも環境基準を超える騒音に苦しんでいます。防衛省の見解では、「航空機の運航が緊急時のみで限定的」だからという理由で騒音を評価項目としていないわけですが、「緊急時」の規定というのは、判で押した答えですよね。「緊急時とは、我が国の安全ならびに極東における国際平和及び安全維持にかかるさまざまな事態が想定されるため一概に言えないが、例えば、我が国が武力攻撃を受けた場合も該当すると考えている」という漠としたそういう話なんです。問題は、だれがそれを判断するのかということですが、結局米軍次第となります。わが党は、武力攻撃を受ける事態をつくらない外交による解決、東アジアサミットの積極的活用などを政策として掲げていますけれども、現在の国際情勢は大変危ういものがあります。
 私は、先日防衛省とオンラインで直接お話をしましたけれども、お聞きしたんですが、緊急時のための特別の訓練はしないと言うんですよね。しかしながら、日米共同訓練に米軍の輸送機や戦闘機が参加するということは否定しませんでした。緊急時だから緊急時だけの使用だから騒音は限定的だとは言えないと思います。日米共同訓練がもし増えるようなことになれば、飛来回数も増えます。築城基地は2017年に、岩国基地の緊急時の第1の代替基地となり、2014年、15年はゼロ、16年、17年は1機ずつであった緊急着陸が、2018年には29機に急増しました。そうしたことも、現在の騒音につながっているのではないでしょうか。今後の環境影響評価手続において、防衛省に対し、騒音を評価項目に入れ、対策をとるよう知事が強烈に意見表明すべきと考えます。部長の見解を伺います。

 

小磯真一 環境部長

 

 先ほど課長が答弁いたしましたように、九州防衛局が作成した調査計画書に対し、知事意見として、騒音の低減に積極的に努めるよう求めております。
 現在、評価書案の手続き中であり、条例上、この評価書案に対しましては、住民の皆さんや関係市町村が意見を出すことができることとなっております。知事意見は、評価書に対して出すこととなっております。
 したがいまして、今後作成されます評価書の内容を確認した上で学識経験者等の意見を踏まえ、環境保全の見地から知事意見を出すものと考えております。

 

高瀬菜穂子 委員

 

 知事も意見を出していただいているんですけれども、項目にも入らず、低減策も示されていないわけなんですね。ですからこの点について、ぜひとも知事にもお願いをしたいし見解を伺いたいと思っております。委員長、知事保留をお願いします。

 


-本文PDF-

航空自衛隊築城基地の施設整備及び日米共同訓練について(大要)

 

-要求資料PDF-

2022年決特(総括)環境影響評価の手続き

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