● 22年12月20日 活動報告

2022年12月20日「2022年12月議会を終えて」



 

2022年12月議会を終えて

 

2021年12月20日 日本共産党福岡県議団

 

 県議会12月定例会が12月1日から12月20日までの20日間、開かれました。
 当初議案として予算議案2件、条例議案12件、工事請負契約の締結に関する議案12件、その他の議案2件が提案されました。13日には追加議案として、予算議案2件が提出されました。
 議員提案として、「福岡県議会の保有する個人情報の保護に関する条例」が提案されました。
 日本共産党は、議案のうち、①特別職の職員の給与等に関する条例の一部を改定する条例の制定、②森林環境条例の一部改定、③個人情報の保護に関する条例の改定¬¬¬-に反対し、補正予算とその他の議案について賛成しました。

 

新型コロナ感染症対策、地域経済の活性化事業継続支援・・・

一般会計  154億700万円および696億5200万円の補正

一般会計  154億700万円および696億5200万円の補正

 

 当初議案で154億700万円の補正予算が提案されました。新型コロナ感染症対策としてオンライン診療センターの設置に約11億6748万円、無料PCR検査の継続に21億4675万円を措置しました。地域経済の活性化として、プレミアム商品券の発行に約18億2千万円、「Go to Eat」に21億円などを計上しています。県職員の給与改定については、人事委員会の勧告に基づき給料表の引き上げ(平均0.26%増)と、期末・勤勉手当の0.10ヶ月分の引き上げを提案しました。
 13日には、追加補正として、696億5200万円が提案されました。党が要望してきた、霊感商法の被害防止のための啓発強化として449万8千円、防災・減災対策として洪水・土砂災害防止、ため池等の安全対策などにあわせて373億4748万円を計上しました。子どもの安全を守るため、幼稚園などの送迎用バスに置き去りを防止する安全装置を導入する費用を全額補助するほか、登園管理システムなどを導入する際には8割を補助するとしています。また、政府が決定した、妊娠や出産に際してのあわせて10万円相当の経済的支援について、県も費用の一部を負担するとしました。   このほか、公立中学校における休日の部活動の地域移行について、検討するための協議会を設置するなど支援する費用も盛り込まれています。
 一方で、福岡県版「Go To トラベル」である「避密の旅」観光キャンペーンに66億9320万円を措置しながら、物価高騰に苦しむ医療機関への支援は計上されませんでした。
 補正を受けて、福岡県の一般会計予算は2兆3387億4583万円となりました。

 

一般会計  154億700万円および696億5200万円の補正

立川 由美 議員

 

 立川議員は令和4年度福岡県一般会計補正予算(第6号)に対する賛成討論を行い、本追加補正予算は、当初補正予算に計上された新型コロナウイルス感染症対策や地域経済の活性化対策に加え、次代を担う「人財」の育成や安全・安心の確保、防災・減災のための予算等 が696億円余も計上されたと述べ年末年始の帰省者等への無料検査や子ども送迎バスへの安全装置の導入、霊感商法の被害防止のための啓発強化の予算等が新たに計上されたことは評価しました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大期にあって、早くからインフルエンザとの同時流行が指摘される中、「新たな福岡の避密の旅」観光キャンペーンの継続に約67億円もの巨費を投じることには同意できないと述べ、地域経済の活性化は重要な課題ですあり、本来行政が支援しなければならない本当に苦しい思いをしている低所得層や中小業者への直接支援こそ優先するべきだと述べました。
 更に、エネルギー高騰の影響を受け、莫大な費用負担が生じている医療機関や介護施設などへの追加の支援策は盛り込まれておらず、すでに、第8波に突入し、病床稼働率も50%を超えており、引き続き、医療機関や介護施設に過酷な受け入れをお願いすることになるにもかかわらず、電気代等の負担が経営を直撃することになりかねない懸念を述べ、国が、物価高騰の中でも、年金を減らし、高齢者医療の窓口負担を増やすなど、くらしをおしつぶす政策を強行している中、地方行政は、その防波堤としての役割を果たす必要性を強調しました。中小企業や農家、学生、子育て世帯などへの直接支援をすすめていただくことを要望し、この観点からも森林環境税のさらなる延長については、行うべきではなく、一般会計予算でまかなうべきだと述べ、経済の6割を占めている個人消費の拡大のための施策を期待述べ討論を終えました。

 

一般質問 子育てを支援し、子どもの学びを支えよ

▼18歳までの医療費無料化を求める

高瀬菜穂子 議員

 

 子どもの医療費助成は、国が一律の無料化を行わないなか、草の根の運動で制度が拡充しています。福岡県でも昨年から対象年齢を引き上げ、小学校卒業から中学3年生まで拡充しました。県として18歳までの支給制度を行なっているのは静岡、茨城、鳥取、福島となり、岩手県でも来年度からの実施を表明しました。高瀬議員は、18歳まで自己負担を無料化した場合の費用について尋ねるとともに、子どもの貧困率が全国ワースト5位と言われる本県として、18歳までの自己負担の無料化に踏み切るべきと質問しました。
 知事は、18歳まで現行の制度を拡充した場合には7億円が必要と答え、18歳までの完全医療費無料化には追加で20億円が必要と述べました。実施については、「慎重に検討していかなければならない」と述べるにとどまりました。

 

▼子どもの眼鏡費用を助成し学ぶ権利の保障を!

高瀬菜穂子 議員

 

 高瀬議員は、星の観察の際にまったく違う方向を見ている子どもにショックを受け「眼鏡の補助制度をつくってほしい」という声が寄せられたことなどを紹介し、高瀬議員は、教育長に対し、本県における、学校保健安全法に基づく視力検査において、「視力1.0未満」の児童生徒の割合を尋ねました。また、「教室の最前列でも黒板の字が見えにくく視力の矯正が必要」とされる「視力0.3未満」の児童生徒のうち、眼鏡やコンタクトで矯正をしていない児童生徒の割合について質問しました。高瀬議員は、神奈川県横浜市や川崎市、東京都墨田区、栃木県日光市では眼鏡を就学援助の対象としていることを紹介し、教育長へ、市町村が子どもの眼鏡を就学援助の対象とする際に補助するよう求めました。合わせて、知事に対して、就学援助によらず、子どもの貧困対策として眼鏡を助成する制度をつくるよう求めました。
 教育長は、2021年度の「学校保健統計調査」を示し、「『裸眼視力が1.0』未満の児童生徒の割合は、本県の小学生では、全国より6.3%高い43.2%で、中学生では、全国より0.2ポイント高い60.9%となっております」と答え、2021年度の裸眼視力が0.3未満である児童生徒のうち、眼鏡やコンタクトによる矯正をしていない割合は、小学生では全国より1.2ポイント高い5.7%、中学生では全国より3.4ポイント高い10.4%であることが明らかにされました。就学援助の対象に眼鏡を加えることについて「就学援助の実施主体は市町村でありまして、どのような援助が必要であるかは就学援助の実施主体である市町村が判断すること」と回答しました。知事は、生活福祉資金の貸付など現行制度のなかで一定の対応がされていると述べる、冷たい答弁でした。

 

▼部活の地域移行について

 

子どもの権利を保障する立場で県民的な議論と条件整備を

高瀬菜穂子 議員

 

 国は、中学校の部活動を学校から地域に移行する方針を決めています。新たな実施主体は地域のスポーツ・文化団体などとされていますが、地域によっては受け皿がないことが心配されています。また、費用負担について部員20人、週2回で月9500円と試算されており、保護者アンケートで負担できる許容額月2500円を大きく上回ります。全国市長会は、「国の責任において財政負担のスキームを明確にすること」などを求める緊急意見を提出しています。高瀬議員は、「文化活動を追求する権利」を定めた子どもの権利条約の立場で、当事者である生徒、教職員、保護者等の意見を十分聞き、地域の実情にあわせて地域移行をすすめることについて、教育長の見解を求めました。また、「国が指導者の確保や施設整備などの条件整備、費用負担について責任を持つことが求められます」と語り、持続可能なスポーツ環境の整備について教育長の見解を尋ねました。
 教育長は、「生徒、保護者、教職員を対象としたアンケート調査を実施する」とし、「学識経験者や校長、PTAの代表者によって構成する協議会のなかで県としての方向性を検討」と答えました。地域移行に伴う予算措置については「引き続き国に要望してまいります」と述べました。

 

▼高齢者への補聴器助成を求める

 

立川 由美 議員

 

 国の補聴器助成は、障害者手帳を受給した方に限られており、加齢性難聴に悩む方の多くは、対象になっていません。こうしたなか、兵庫県では加齢性難聴の高齢者の補聴器使用と社会参加活動の関連性を調査し、参加者400人に上限2万円で補聴器の購入を補助しています。2022年3月時点で全国115自治体が補聴器購入への助成制度を行い、福岡県下でも田川市や今年度から小竹町、みやこ町、大刀洗町が補聴器助成制度を実施しています。
 立川議員は、全国の補聴器助成制度を紹介し、本県でも兵庫県と同様の調査を行い、参加者に補聴器の購入費用を助成するとともに、国に全国一律の補聴器助成制度創設するよう求めました。 
 知事は福岡県で兵庫県と同様の調査実施については「まずは調査結果を注視したい」と述べ、国へ補聴器助成制度創設の要請についても「兵庫県の調査結果、あるいは国立長寿医療研究センターでの補聴器使用による認知機能の変化についての研究を注視したい」と述べるにとどめました。

 

▼「義務教育は無償」憲法の精神を生かし、給食費の負担軽減を

 

 学校給食費の無償化について、小池晃参議議員の質問に岸田首相は「学校給食法は自治体判断の全額補助を否定していない」と明確に答弁しています。2月に掲載されたしんぶん赤旗の報道では全国256自治体で学校給食の完全無償化に取り組み、何らかの支援をしている自治体も80%を超えています。千葉県が第3子以降の給食費を無償化し、県単位での学校給食への助成も始まりました。一方、福岡県は1自治体も無償化が実現していない5県のうちの1県です。
 立川議員は、本県としても学校給食の無償化を目指し、軽減措置を行った市町村への財政支援を求めました。
 教育長は「学校給食費は、学校給食法において保護者が負担することになっており、その無償化については、一義的に国が検討するべきもの」と述べ、経済的理由により負担が厳しい保護者に対しては、生活保護や就学援助制度による支援がされているという答弁でした。

 

▼国道3号(広川~八女)バイパス、疑問多い計画の中止を

 

 国道3号線(広川〜八女間)のバイパス計画は、「住民説明が不十分」「ルート決定の考え方がわからない」など地元住民から計画について疑問が出ており、国会でもルート選定についての質問主意書が提出されました。昨年2月開催の福岡県都市計画審議会でも多くの疑問が出されて、採択が留保されています。ところが、今年9月1日、わずか6日間の周知期間で開催された都市計画審議会で議案が了承され、都市計画として決定しました。
 立川議員は、ルート決定した都市計画審議会の議事録が公開されておらず、県民に内容が知らされていないことから、審議会でどのような説明が行われたのかただしました。八女〜広川バイパス事業は概算で300億円、うち県の負担は100億円となる大型プロジェクトであるにもかかわらず、必要性に疑問符がついたままであることから都市計画決定の見直しを求めました。
 知事は都市計画決定については昨年2月の都市計画審議会までに11回説明会を開催したこと、更にことし8月にも改めて説明会を実施し、疑問解消に努めてきたと答弁しました。都市計画決定の見直しについては「本路線は都市計画上必要なものであると考えている」と述べ引き続き推進していく姿勢を示しました。

 

提出された意見書案

 

  • 最低賃金の緊急引き上げを国に求める意見書案(共産単独提案、他会派全員反対)不採択
  • 「旧統一協会」問題に係る必要な措置を求める意見書案(自民提出、3会派共同提案、全会一致で賛成)採択
  • 建設アスベスト被害者の救済とアスベスト対策の拡充を求める意見書案(民主県政ク提出・5会派共同提案、全会一致で賛成)採択
  • 鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書案(緑友提出、5会派共同提案、全会一致で賛成)採択
  • 帯状疱疹ワクチンへの助成並びに定期接種かを求める意見書案(公明提出、4会派共同提案、全会一致で賛成)採択

 

新たに提出された請願

 

  • 「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成に関する請願」(共産党紹介)継続審査に
  • 「『加齢性難聴の補聴器購入に係る負担軽減』」を求める請願(共産党紹介)継続審査に
  • 「私立幼稚園・認定こども園をはじめとした幼児教育の充実と発展のための請願」(共産党紹介)継続審査に

 

以上


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12月議会を終えて(2022年)

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