● 23年03月16日 県議会報告

2023年3月16日 2023年予算特別委員会知事保留質疑 高瀬菜穂子委員 質疑・答弁 「安全保障政策の本県への影響について」(大要)



 

2023年3月16日   2月定例会(予算特別委員会)高瀬菜穂子委員質疑(大要)

 

知事等保留質疑

 
 

<安全保障政策の本県への影響について>

 
 

高瀬菜穂子 委員

 

 日本共産党の高瀬菜穂子でございます。「安全保障政策の本県への影響について」知事にお伺いします。
 いわゆる安保3文書(「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」、「防衛力整備計画」)この3つが、昨年12月16日に閣議決定されましたが、その中身は、敵基地攻撃能力を保有し、防衛力の抜本的強化を行うというもの、そして5年間で43兆円を投じて大量の兵器を購入するというふうになっています。来年度予算案には、射程1,600キロのトマホーク400発、格納容器も合わせ2,113億円(1発当り約5億2,800万円)が計上されています。トマホークはあのイラク戦争で先制攻撃に使われたミサイルです。トマホークを製造するアメリカのレイセオン社が昨年、日本での売り込みに自民党議員を訪問していたことが本日の赤旗に報道されております。これまでの「専守防衛」についての政府の見解は、1972年に田中角栄首相が国会で答弁した「防衛上の必要からも相手の基地を攻撃することなく防御を行うこと」とこれがベースになってきました。このたびの敵基地攻撃能力の保有は、これまでの「専守防衛」を逸脱するものと考えますが、知事の見解を伺います。

 

 

服部誠太郎 知事

 

 専守防衛の問題についてお尋ねがございました。
 この安保3文書を閣議決定されました後の記者会見において、岸田首相は、「非核三原則や専守防衛の堅持、平和国家としての日本の歩み、これは今後とも不変である」とおしゃっておられます。
 いずれにいたしましても国家・国民の安全保障に関わる政策につきましては、国の専管事項でございまして、国の責任において、適切に対応されるべきものであると考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 残念な答弁です。岸田政権が、専守防衛を逸脱する軍拡を行いながら、「専守防衛」だと言っていること自体が問題だというふうに思うわけです。500万県民の命を預かる知事として、国の言い分をそのまま踏襲するのでなく、政治家として、国に対してきちんとモノを言っていただきたい。そのことをまず強く求めます。
 さて、来年度の防衛予算に、F2戦闘機にミサイルを搭載するための148億円が計上されており、F2戦闘機の実働部隊は百里基地と築城基地であることから、築城基地配備のF2戦闘機はその対象になるのではないか、と考えます。知事は県内基地が敵基地攻撃の拠点となることについて、どのような見解をお持ちでしょうか。また、先日の課長の答弁では、このことについて九州防衛局から説明を受けていないということでしたが、知事として、軍事費が増大する中で、本県内への影響について把握しておくべきではないでしょうか、見解を伺います。

 

 

服部誠太郎 知事

 

 敵基地攻撃への拠点化へのご質問ですが、自衛隊基地の施設整備またその運用につきましては、国家・国民の安全保障に関わることでございますので、国の責任において、適切に対応されるべきものであると考えております。
 九州防衛局に確認をいたしましたところ、「自衛隊の能力が明らかになる情報は、事柄の性質上、お答えできない」との回答を受けています。
 なお、日米共同訓練に関する騒音対策でありますことや安全対策等につきましては、「米軍再編に係る築城基地への訓練移転等に関する協定」に基づき、九州防衛局から適切に情報提供がなされている状況でございます。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 驚くべき答弁だと思います。県内基地の状況について十分に把握しないで、どうやって県民に説明するんでしょうか。このまま国に何もかもお任せするのですか。昨年末に、タレントのタモリさんが「来年は新しい戦前になるのではないか」と発言され注目されましたが、今のようなご答弁を聞きますと、本当にその危険を私は感じるわけです。
 政府は敵基地攻撃能力の保有は「抑止力」だといいながら、抑止を突破され反撃されることを想定して「対処力」を強化しようとしています。それが、「抗たん性の向上」のためとして行われている自衛隊司令部の地下化であり、築城基地、春日基地に、予算が真っ先につけられるとのことです。反撃される可能性、本県への影響についてはどのような見解をお持ちでしょうか、伺います。

 

 

服部誠太郎 知事

 

 敵基地攻撃能力への保有についてのご質問ですが、繰り返しになり恐縮ですが、自衛隊基地をはじめとする我が国の政策、防衛については、国家・国民の安全保障に関わることであり、国の専管事項であるため、国の責任において、適切に対処、対応されるべきものと考えております。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 その答弁は、もう何回も聞きましたが、岸田政権による軍拡は、これまでとはステージが違います。浜田靖一防衛相は国会で、日本が安保法制に基づき集団的自衛権を行使した場合、相手国から攻撃を受け、大規模な被害が生じる可能性を認めました。
 築城基地がミサイル攻撃の拠点にされようとしていて、春日基地、築城基地が反撃の対象と想定され真っ先に地下化がすすめられています。福岡空港の米軍使用は日本一、今朝のNHKニュースでも流れていましたが、九州における米軍使用が極めて多くなっています。
 かつて政府は、ミサイルを撃ち落とすことができれば、相手国のミサイルが無力化され、「軍縮」につながると答弁していました。しかし、今、軍縮どころか、軍事対軍事の危険な状況に陥っているのではありませんか。
 日本は、食料自給率38%、エネルギー自給率10%、原発が50基以上も存在する国です。戦争になれば、たちまちに立ち行かなくなる国ではないでしょうか。絶対に戦争にしてはならない国です。政府は、戦争にしないための真剣な本気の外交を行うべきです。戦争をしないための包摂的枠組みをつくる外交努力こそ重要だと考えますが、知事の見解を伺います。

 

 

服部誠太郎 知事

 

 包摂的枠組みをつくる外交努力についてのお尋ねでございます。
 岸田首相は、さきほど申し上げた記者会見におきまして、「国民の命、暮らし、事業を守り抜く上で、まず優先されるべきは、我が国にとって望ましい国際環境、安全保障環境をつくるための外交的努力である。今後とも自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視しつつ、日米同盟を基軸とし、多国間協力を推進する、積極的な外交を更に強化していく」と発言をされています。
 我が国の安全保障をめぐる環境が一層厳しさを増す中で、豊かで平和な社会を守り築き上げていくことが、このことは私たちに課せられた責務であると考えております。
 我が国の平和を維持するためには、外交努力によって戦争を未然に防止することが、非常に重要であると考えています。

 

 

高瀬菜穂子 委員

 

 外交努力によって戦争を未然に防ぐことが重要であるということは言うまでもないと思います。しかし、その背景に軍事力の増強や、軍事ブロックで対立する構造があれば、危険は大きくなるというふうに思うのです。東南アジア諸国が、「紛争を戦争にしない」と決め、条約を結び、年間1,000回にのぼる話しいを行い、決裂しても話し合うことを続け、戦争を回避しています。わが党は、この取り組みに学び、既にある東アジアサミットの枠組みで戦争にしないための本気の外交を行うことを求め、国際会議でもこの提案を広げる努力をしています。
 包摂的な枠組みで、戦争をしない外交努力を国に求めていただきたいと思います。また、本県にも基地対策課が必要であることを何度も申し上げてきましたが、その検討も強く求めます。福岡県が九州が戦火に見舞われることのないよう、知事として、500万県民を代表しての行動を行っていただくことを切望いたします。私も、憲法9条が真に生かされる国づくりを求めて、今後も、一県民の立場から全力を挙げる決意を申し上げ質問を終わります。

 

 


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