● 21年12月21日 活動報告
2021年12月21日 「2021年12月議会を終えて」
2021年12月議会を終えて
2021年12月21日 日本共産党福岡県議団
県議会12月定例会が12月1日から12月20日までの20日間、開かれました。
県議会は1日、来年1月の久留米市長選に出馬するため議員辞職願を提出していた十中大雅副議長の辞職を許可しました。許可に先立ち、自民党など主要4会派が「十中氏が副議長の職責を果たさなかった」などと非難する決議案を提出し、賛成多数で可決されました。日本共産党は採決に加わらず、退席しました。その後行われた副議長選挙で、日本共産党は仁戸田元氣氏(民主県政クラブ)に投票しました。出席者83人が投票し、仁戸田氏82票、無効票1票となり、仁戸田氏が副議長に就任しました。
当初議案として予算議案3件、条例議案7件、専決処分1件、契約議案6件、その他の議案7件と、人事案2件が提案されました。7日には追加議案として、人事委員会の勧告に基づいて県職員の期末・勤勉手当を引き下げる予算議案1件、県職員、特別職、県警察職員の期末手当引き下げの条例議案4件が上程されました。17日には、第3次12月補正として予算議案1件と条例案1件が提案されました。
そのうち、7日に提出された予算議案1件と条例議案4件が早期議決され、日本共産党は、特別職の期末手当の引き下げに賛成し、その他の議案について反対しました。
議会最終日に、残る議案すべてが賛成多数で可決しました。日本共産党は、令和3年度福岡県県営埠頭施設整備運営事業特別会計補正予算と、福岡県住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例の制定について反対しました。人事案のうち、人事委員候補者の瓜生道明氏(九州電力会長)について反対しました。九州電力会長が県知事の後援会長を務めてきたことから、公平・公正が求められる人事委員にふさわしくないと判断しました。
新型コロナ感染症対策、事業継続支援、8月大雨災害復旧費・・・
一般会計 17億5300万円の補正 及び
追加補正 人事院勧告に基づく期末・勤勉手当引き下げ
29億9200万円の減額
第3次補正 コロナ対策、河川整備や通学路の安全確保
868億2900万円
当初議案で17億5300万円の補正予算が提案されました。新型コロナ感染症対策として感染拡大の防止や事業継続支援に6億円、8月の大雨災害の復旧費として11億5千万円が計上されました。また、工業用地造成事業会計からデータセンターの誘致を目的とした予算5700万円が提案されました。
追加議案として提案された人事院勧告に基づく期末・勤勉手当の引き下げにより、29億9200万円が減額補正されました。
17日には、第3次補正予算として、868億2900万円が提案されました。主な内容は①新型コロナウイルス感染症対策として感染拡大時の無料PCR検査や、保健所体制拡充ための看護師の増員、3回目のワクチン接種、生活福祉資金の増額などに194億2700万円、②地域経済の活性化と成長・発展として県立学校のインターネット回線の増設など157億1000万円、③安心・安全の確保として河川改修や通学路の整備などに516億9200万円となっています。
補正を受けて、福岡県の一般会計予算は2兆7035億9300万円となりました。
【早期議決】期末手当引き下げの補正予算と条例について反対討論
議員の期末手当は一般職員の規定と切り離せと主張
高瀬 菜穂子 議員
福岡県人事委員会の勧告に基づき、本県職員、警察職員の期末・勤勉手当を0.15月分引き下げるとした条例案に対し、高瀬菜穂子議員が反対討論を行いました。
人事院が2年連続で公務員の一時金削減勧告を行ったこと自体、コロナ禍の自治体労働者の奮闘を見ない不当なものです。岸田首相が看護や介護、保育などの現場で働く労働者の当面の収入を引き上げる経済対策を示し、萩生田経済産業大臣が経団連に賃上げを要求するなかで、公務員の賃金引き上げは政府方針に逆行しています。
さらに、11月24日、総務副大臣は、地方自治体に対し、期末手当0.15月分引き下げに相当する額を、来年2022年6月の期末手当から減額する国家公務員の取り扱いを基本として対応を求める通知を発出しました。公務員のボーナス引き下げはコロナ禍から回復途上にある日本経済に悪影響を与えると判断したと報道されています。これを受け、石川県や青森県などが12月ボーナスからの引き下げを見送っています。本県においても同様の取り扱いをすべきと主張しました。
また、議員の期末手当については、人事院のマイナス勧告の影響も受けておらず、引き下げは妥当であることを表明するとともに、議員と職員とは別の条例提案を行うよう、重ねて求めました。
一般質問 いのちを守り、学びを支える県政を
▼技能実習生等の妊娠・出産の権利守れ
高瀬菜穂子 議員
妊娠した技能実習生が「妊娠がわかれば帰国させられる」とだれにも相談できないまま死産し、死体遺棄事件になる、そんな事件が相次いでいます。妊娠・出産等を理由とした解雇や不利益取り扱いは法律で禁止されています。在留資格がない外国人も、出産が無料となる「入院助産制度」の本県での利用はありません。高瀬県議は、法令順守を求めるとともに、相談体制の充実などを求めました。
知事は、監理団体のセミナーを通じ、妊娠出産などにかかる適切な対応について周知を図ると答えました。
▼不登校児童生徒の居場所と学ぶ権利の保障を!
福岡県不登校児童生徒数 1万2000人超 1000人当たりで全国6位(小中学校)
高瀬菜穂子 議員
県内の不登校児童生徒は、小学校で全国5位、中学校で全国7位、高等学校で全国6位、1000人当たりでも小中で全国6位と、極めて深刻です。「教育確保法」の理念に基づき、居場所と学びの場の保障を求めました。夜間中学、全国で17校設置されている「不登校特例校」を県内に設置することとともに、フリースクール等との連携をすすめるよう強く要求しました。
教育長は、各地域でのネットワークの構築をすすめるとともに、不登校特例校の設置について、「検討する市町村があった場合には、県としても相談に応じる」と答えました。
▼温室効果ガス排出量削減 国よりも意欲的な目標を
立川由美 議員
温室効果ガスを2030年に「2013年度比で46%削減する」とした日本政府の目標は、イギリスで開かれたCOP26で、後ろ向きだとして国際的な批判を浴びました。立川県議は、福岡県の温室効果ガス排出量は全国11位であることを指摘し、県の策定する「地球温暖化対策実行計画」では「国より意欲的な目標を持つべきだ」と訴えました。
しかし、服部知事は、計画改定においても、国と同じ「46%の温室効果ガス削減を目指す」と答え、前向きの姿勢は示しませんでした。
▼私学助成のさらなる拡充で、公私間格差の是正を
立川 由美 議員
長年にわたる私学助成拡充の運動により、2020度年から「高等学校就学支援金制度」が拡充され、年収590万円未満世帯の「授業料実質無償化」が実現しました。しかし、入学金や施設整備費などの負担は重いため、支援金の引き上げと、590万円以上の世帯に対する拡充、さらにコロナ禍の家計急変に対する緊急補助を求めました。
知事は、住民税非課税世帯に対する給付金制度を実施しているとして、国に対し「奨学給付金の拡充を求めている」との答弁にとどまり、県独自の施策拡充には言及しませんでした。
提出された意見書案
- 「シルバー人材センターの安定的事業継続のための適切な措置を求める」意見書案(自民提出・4会派共同提案、全会一致で賛成)採択
- 「女性と子どもの自殺増を受け対策を求める」意見書案(民主提出・5会派共同提案、全会一致で賛成)採択
- 「HPVワクチンの積極的勧奨の再開に関する」意見書案(緑友提出・4会派共同提案、全会一致で賛成)採択
- 「ドクターヘリの安定・持続的運用への支援強化を求める」(公明提案・4会派共同提案、全会一致で賛成)採択
- 「沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を埋立てに使用しないことを求める」意見書案(共産単独提案、他会派全員反対)不採択
新たに提出された請願
- 「教育費負担の公私間格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める私学助成に関する請願」(共産党紹介)継続審査に
- 「すべての子どもたちに『ゆきとどいた教育の保障を求める』請願」(共産党紹介)継続審査に
- 「新型コロナウイルス感染から子どもたちを守り、ゆきとどいた教育を求める請願」(共産党紹介)継続審査に
- 「私立幼稚園・認定こども園をはじめとした幼児教育の充実と発展のための請願」(共産党紹介)継続審査に
以上